日比野容子
2015年3月14日09時38分
登場から半世紀余。「赤電」「赤電車」という愛称で道民に親しまれた711系車両が13日、ダイヤ改定に伴う最後の運行を終えた。「長い間、どうもありがとう」。終着駅となったJR札幌駅の3番ホームでは、乗ってきた1200人と待ち受けた800人のファンが別れを惜しんだ。
711系は国鉄時代の1968年、函館線小樽―滝川間の電化に伴い、北海道で初めて導入された電車だ。函館、千歳、室蘭、札沼の各線を走り、札幌―旭川間の急行「さちかぜ」などにも使われ、一時期は道内の大動脈を担った。最近は函館線の普通列車で使われていたが、老朽化で引退することになった。
岩見沢駅を出発した最後の赤電は5分遅れの午前8時43分、札幌駅に到着。恵庭市の主婦倉本千絵さん(34)と会社員中村順子(よりこ)さん(32)の2人は「ありがとう711」と書かれた手製のうちわを掲げた。学生時代、通学に使った赤電。当時は古くささが嫌だったが、「今ではむしろ、昭和な雰囲気がいいと思うようになりました」と話した。
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