今週の軍事関連ニュース (2015/03/12)
 

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一般ニュース

今日のニュースいろいろ
  • アメリカは、ウクライナに対する「非殺傷性の防衛的装備に関する援助」の追加分として、HMMWV (High Mobility Multi-Purpose Wheeled Vehicle)×230 両 (うち 30 両は装甲強化型)、RQ-11 Raven UAV、対迫レーダー、暗視装置、ファースト エイド キットといった装備、総額 7,500 万ドル分の支援を実施すると表明。また、Donetsk People's Republic と Russian National Commercial Bank を制裁の対象に追加した。(DefenseNews 2015/3/11)
  • ロシアは 2015/3/11 付で、欧州通常戦力規制条約 (Treaty on Conventional Armed Forces in Europe) の合同諮問グループ (JCG : Joint Consultative Group) から手を引いた。前日に露外務省が、Aleksandr Mazu 代表の声明を公表しているが、それによると「JCG への参画は政治的・実践的に意味がなく、経済的見地からすると言い逃れできない無駄」とのこと。(Radio Free Europe 2015/3/10)
  • 中国で、空母遼寧 Liaoning の写真 500 点あまりを撮影して外国の情報機関に売りさばいたとして、Zhang なる人物が逮捕された。また、武器の写真を 90,000 人民元 ($14,400) で売ったとして、Han なる人物も逮捕されている。(SpaceWar 2015/3/10)
  • スウェーデンの Stefan Loefven 首相は、「人権上の観点から、サウジアラビアとの間で 2005 年に締結した軍事協力合意の延長を行わない」と発表した。(SpaceWar 2015/3/10, DID 2015/3/11)

今日のニュースいろいろ
  • 欧州委員会 (EC : European Commission) の Jean-Claude Juncker 委員長が、ロシアとの緊張の高まりを受けて「EU 陸軍」の創設を求める発言をした。「我々が欧州の価値防衛に真剣であるという明白なメッセージを、ロシアに対して送ることになる」と説明。Ursula von der Leyen 独国防相が、この発言を歓迎するコメントをしている。イギリス政府は「国防は国家の問題であって EU の問題ではない」として、この構想に強く反発している。一方、EFP (European Federalist Party) は歓迎の声明をリリースした。東欧では、ポーランドとラトビアが懐疑的な見解を示しており、前者では Grzegorz Schetyna 外相が「リスキーなアイデア」とコメント、後者では Laimdota Straujuma 首相が「7 月の欧州議会で議題になる可能性はあるが、NATO とのダブりにならないかどうか検討が必要」とした。
  • 欧州聯合軍最高司令官の Philip Breedlove 大将が、クリミアにおけるロシア軍の増強について「航空戦力の増強に加えて、海洋戦力の投射能力を高めている」と発言。クリミア半島を併合した後で、同地を戦力投射のプラットフォームにしている、との認識を示した。また、「黒海の 40% をカバーできる SAM を配備したほか、黒海のほぼ全域をカバーできるミサイル防衛システムも配備した」とのコメントも。(SpaceWar 2015/3/9)
  • リビアは国連安保理に対して、イスラム過激派掃討のために戦闘機や戦車などを調達する目的で武器禁輸措置を解除するよう要請しているが、国連安保理は、この要望を保留とした。リビアはそれより 2 週間ほど前に、武器禁輸の全面解禁を要請したが、これは実現せず。(SpaceWar 2015/3/9)
  • ドイツ連邦軍 (Bundeswehr) の対諜報部門が「イスラム過激派の要員が、人材育成のために連邦軍内部に入り込んでいる」「20 名を越える退役軍人が、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) で戦うためにイラクやシリアに向かった」「所要のスキルを備えた人材を得るためにドイツ軍を利用している可能性がある」と警告している由。(Deutsche Welle German radio 2015/3/10)

今日のニュースいろいろ
  • IHS Jane's のまとめによると、2014 年に行われた世界の武器取引は総額 644 億ドル。国別だと、インドの 55 億 7,000 万ドルを抜いて、64 億ドルのサウジアラビアが一等賞、三番手は中国。サウジアラビアとアラブ首長国連邦 (UAE : United Arab Emirates) だけで 86 億ドルを占めており、これは西欧諸国の合計を上回る数字。輸出側は、アメリカが 237 億ドル (うち中東向けが 84 億ドル)、ロシアが 100 億ドル (うち中国向けが 23 億ドル)、フランスが 49 億ドル、イギリスが 41 億ドル、ドイツが 35 億ドル。(DefenseNews 2015/3/7)
  • 米陸軍は 2015/3/9 にラトビアの Riga で、M1 戦車、M2 歩兵戦闘車、偵察型 HMMWV (High Mobility Multi-Purpose Wheeled Vehicle) など、100 両を超える重装備の陸揚げを実施した。"ロシアの脅威" に対する抑止のデモンストレーションが目的。(DefenseNews 2015/3/9)
  • その米陸軍はヨーロッパで、予算事情に鑑み、古い施設の閉鎖を進めているところだが、一方では大統領が進める European Reassurance Initiative という課題もある。そこで Katherine Hammack 米陸軍次官は、ホスト国の既存施設を米陸軍が共用する "host-nation basing-concept" を提示。(DefenseNews 2015/3/9)
  • パキスタンは 2015/3/9 に、核弾頭の搭載が可能な弾道ミサイル・Shaheen III の試射を実施した。射程 2,750km、試射ではアラビア海に着弾させた。(DefenseNews 2015/3/9)
  • アメリカと湾岸協力会議 (GCC : Gulf Cooperation Council) 諸国、それとパートナー諸国は、2015/3/8-31 の予定で、クウェートで合同演習 "Eagle Resolve 2015" を開始した。多国籍の幕僚部による事態対処と陸・海・空での演習で構成。(DoD 2015/3/9) (Radio Free Europe 2015/3/8, DefenseNews 2015/3/10, SpaceWar 2015/3/10)
  • ポーランド政府の Malgorzata Kidawa-Blonska 報道官は、自国内でウクライナ軍の教官を対象とする訓練を実施することを明らかにした。ポーランドの Ewa Kopacz 首相とウクライナの Oleksandr Turchynov 国家安全・国防会議議長が、2015/3/6 に会談したばかり。また、前の週には少人数の訓練チームをウクライナに送ることを明らかにしていたが、イギリスも 75 名の派遣を表明している。(SpaceWar 2015/3/6)
  • 欧州防衛庁 (EDA : European Defence Agency) は 2015/3/9-10 にかけてラトビアの Riga で、National Armaments Director の会合を開く。議題はヨーロッパにおける防衛産業基盤の強化などで、2015 年 6 月に予定している欧州議会に備えて準備を進めるためのもの。(EDA 2015/3/6)

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産業・装備・調達

最近のニュースいろいろ
  • カナダは昨年、Irving Shipbuilding で極地向け哨戒艦×5 隻を建造する作業に着手した。戦闘システムは Lockheed Martin の担当で、総額 35 億カナダドル (34 億ドル)。続いて、空軍の CC-138 Twin Otter に対する極地向け改修に着手する。所要経費は 2,000-4,900 万ドルと見込まれる。ただし、同機の代替は 2025 年なので、ウィング ボックスの換装やボイス レコーダーとフライト レコーダーの追加設置、HF 通信機の導入、スペアパーツの調達によって延命を図る。2016 年に契約に調印して、2020 年までに完納とする予定。(DefenseNews 2015/3/11)
  • Forecast International Inc. によると、米海軍が開発を進めている SSTD (Surface Ship Torpedo Defense) は空母搭載用の TWS/CAT (Torpedo Warning System / Countermeasure Anti-Torpedo) について EDM (Engineering Design Model)×6 セットの製作を進めている状態。2015 年より後は開発から運用に駒を進めて、維持・アップグレード経費として年間 2,600-3,100 万ドルの支出がなされる見込み。(Forecast International 2015/3/10)
  • チェコ政府は、チェコ軍中古の L-159×15 機をイラクに輸出する件を承認した。売却額は 7 億 5,000 万コルナ (2,989 万ドル)。4 機はチェコ軍で運用中の機体を放出、残り 11 機は用廃になって Aero Vodochody で保管している機体の放出。昨年 7 月には、L-159×14 機の輸出契約を Draken International Inc. との間で実現済み。(Reuters 2015/3/9)
  • DCNS が ITAR-TASS の取材に対して、露海軍向け Mistral 級揚陸艦の 2 番艦・RFS Sevastopol が 2015/3/16-20 にかけて最初の公試を実施することを明らかにした。(ITAR-TASS 2015/3/9)
  • 米海軍の Zumwalt 級駆逐艦のうち、ネームシップの USS Zumwalt (DDG-1000) は今夏に予定していたデリバリーが 11 月にずれ込み、2 番艦の USS Michael Monsoor (DDG-1001) もデリバリー予定が数ヶ月遅れて 2016 年 11 月になるとのこと。米海軍関係者が明らかにしたものだが、3 番艦の USS Lyndon B. Johnson (DDG-1002) は影響を受けないとの説明。同艦のデリバリー予定期日は 2018 年 12 月。(DefenseNews 2015/3/9)
  • イスラエルの A.T.L. Atlantic Technologies Ltd. とセルビアの CPR-Impex が組んで、モンテネグロ最大の武器メーカー・Vojna Industrija Crne Gore (Montenegro Defence Industry) を買収することになった。モンテネグロ政府が進める国営企業民営化を受けた動き。(DefenseNews 2015/3/9)
  • 米海軍作戦総長の Jonathan Greenert 大将が議会で、MQ-4C Triton について「FY2016 に Guam へのデプロイメントを行う」と発言。(DID 2015/3/9)
  • Aviation Week が報じたところによると、カナダの固定翼救難機調達計画 FWSAR (Fixed-Wing Search and Rescue Replacement) から V-22 が脱落したとのこと。やはり障壁となるのは価格の高さで、すでに複数の装備調達案件を財政上の理由でキャンセルしているカナダにとっては、同機は敷居が高い。(Forecast International 2015/3/6)
  • スペイン陸軍は、AS665 Tiger HAD-E (Helicoptere Appui-Destruction-E) に Spike-ER 対戦車ミサイルを搭載してお披露目を実施した。スペイン軍における同機の制式名称は HA-28、15 億ユーロを投じて 2017 年までに 18 機を揃える予定。(Forecast International 2015/3/6)
  • アラブ首長国連邦 (UAE : United Arab Emirates) は 2011 年 2 月に、UH-60M を武装化する Battlehawk のローンチを決めている。2 億 7,050 万ドルをかけて 23 機を武装化改修するというものだが、Sikorsky Aircraft Corp. の Robert Kokorda 副社長によると、開発作業は最終段階まで進んでおり、近いうちに試射と認証の作業が完了する見込みとのこと。(DefenseNews 2015/3/7)
  • インド国防省は空軍の意向に反して、次期初等練習機に HAL (Hindustan Aeronautics Ltd.) の HTT-40 を充てる決定を下した。ただしまだ開発中で実用化には時間がかかるため、つなぎとして PC-7 MkII×38 機を 2 億 5,000 万ドルで追加発注済み。維持費を考えると HTT-40 の方が PC-7 よりも長期的に見て安くつく、というのが国防省の説明。(DefenseNews 2015/3/7)

nEUROn の近況 (DGA 2015/3/9, , Dassault Aviation 2015/3/9, IHS Jane's 360 2015/3/10)
仏国防調達局 (DGA : Delegation Generale pour l'Armement) は、「UCAV (Unmanned Combat Air Vehicle) デモンストレーターの nEUROn が、2015/2/26 に通算 100 回目の試験飛行を実施した」と発表した。同機が 2012/12/1 に初飛行を実施した後、DGA がメーカーの Dassault Aviation と組んで Istres で飛行試験を実施していたもの。Dassault Aviation では「一連の飛行試験を通じて、機体と関連機材の可用性・信頼性を立証できた」「見込み通りの結果が得られた」としている。
この後は年末まで、イタリアとスウェーデンで飛行試験を実施する予定。

今日の米軍調達 (Contracts 2015/3/10)
ARMY
  • Trax International Corp. (Las Vegas, NV) : Army Electronic Proving Ground の試験に関わるサポート/サービス業務を $46,143,438 で。Fort Huachuca で実施、2020/3/31 まで。Army Contracting Command, Ft. Huachuca, AZ (W91RUS-15-C-0006)
  • PCCP Constructors JV (Metairie, LA) : 17th St., Orleans Ave. (Lake Pontchartrain, Orleans, LA) と London Ave. (Jefferson Parishes, LA) に設置する 5000HP/VFD スターターについて、修正契約を $15,900,000 で。2017/1/7 まで。Army Corps of Engineers, New Orleans, LA (W912P8-12-C-0049/P00012)
NAVY
  • Lion-Vallen Industries (Dayton, OH) : 海兵隊の個人/部隊向け物資保管プログラム (Marine Corps Consolidated Storage Program Individual Issue Facility and Unit Issue Facility) の下で実施する倉庫業務を、$24,996,000 で。個人用戦闘装備、CBRN (Chemical, Biological, Radiological, and Nuclear) 対策装備、訓練装備、カムフラージュ装備などが対象。作業場所は以下の通り。
    • Barstow, CA (23%)
    • Camp Lejeune, NC (18%)
    • Camp Pendleton, CA (13%)
    • Okinawa, Japan (10%)
    • Miramar, CA (9%)
    • Camp Geiger, NC (7%)
    • Twentynine Palms, CA (4%)
    • Cherry Point, NC (4%)
    • Kaneohe Bay, HI (3%)
    • Yuma, AZ (2%)
    • Beaufort, SC (2%)
    • Iwakuni, Japan (2%)
    • New River, NC (2%)
    • Bridgeport, CA (1%)
    2016/2 まで。Marine Corps Logistics Command, Albany, GA (M67004-15-D-0001)
  • Thermo-Fisher Scientific (Franklin, MA) : 熱ルミネセンス線量計 (thermoluminescent dosimetry) と関連アクセサリー類を $19,900,325 で。2020/3 まで。NSWC (Naval Surface Warfare Center), Carderock Division, West Bethesda, MD (N00167-15-D-0001)
  • Lockheed Martin Corp., Information Systems and Global Services (King of Prussia, PA) : BGM-109E 用の Tactical Tomahawk Weapons Control System について、ソフトウェア開発に関する修正契約を $7,922,203 で。システム エンジニアリングや、ハード/ソフトの配備・サポート・管理も担当。米海軍向け $7,853,820 (99%)、イギリス向け FMS (Foreign Military Sales) $68,383 (1%)。2017/11 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-10-C-0064)
AIR FORCE
  • Lockheed Martin Aeronautics Co. (Marietta, GA) : C-130J 用の中央翼ボックス×3 セットに関する修正契約を $11,799,019 で。2017/9/29 まで。AFLCMC (Air Force Life Cycle Management Center), Robins AFB, GA (FA8504-14-C-0003/P00003)

今日の報道発表 (北米編)
  • Boeing Co. と Saab AB は、GBU-39/B SDB (Small Diameter Bomb) Increment I と MLRS (Multiple Launch Rocket System) 用の M26 ロケットを組み合わせて地上発射型とする、GLSDB (Ground Launched Small Diameter Bomb) のデモンストレーションを二度に渡って実施した。場所はスウェーデンの Vidsel 射場。今回の試射により、性能を損ねることなく陸上発射型への転用が可能であることを立証できたとしている。両社は 2014 年に締結した合同チーム編成合意に基づき、GLSDB を提案していくとしている。米軍の場合、M26 はクラスター弾規制を受けて 2018 年までに廃棄する予定。(Boeing 2015/3/10, Saab 2015/3/10, DefenseNews 2015/3/10)
  • GDMS (General Dynamics Mission Systems) は米陸軍から、AN/PRC-155 MUOS-Manpack 通信機を対象として MUOS (Mobile User Objective System) ウェーブフォームを導入するアップグレード契約を 1,300 万ドルで受注した。これを「デジタル版ダイヤルトーン」として、MUOS 経由の音声通話を可能にするもの。(GDMS 2015/3/10)
  • Rockwell Collins Inc. は、ASES LLC (ARINC Aerospace Systems Engineering and Support LLC) の Field Aviation Inc. への売却が完了した、と発表した。2013 年 12 月に ARINC を買収した時点で発表していた事業再編構想に盛り込んでいた案件を実現したもの。(Rockwell Collins 2015/3/10)
  • Raytheon Co. によると、先に米海軍から $122,443,911 で受注した BGM-109E Tomahawk ブロック IV×114 発分の修正契約 (N00019-14-C-0075) により、FY2015 に計画していた 214 発の調達はすべて実現したとのこと。(Raytheon 2015/3/10)
  • Orbital ATK, Inc. は米陸軍から、PGK (Precision Guidance Kit) を 1 億 2,000 万ドルで追加受注した。155mm 砲弾を精密誘導化するもので、散布界は 200m から 30m 以内に縮小するとの説明。契約には領収試験も含む。2016 年初頭からデリバリー開始の予定で、この受注により、2015 年 1 月に受注した低率初期生産 (LRIP : Low Rate Initial Production) から穴を空けずに量産を継続できることになった。(Orbital ATK 2015/3/9)
  • ノルウェーの Kitron ASA 傘下・Kitron AS が Northrop Grumman Corp. から、F-35 のアビオニクスを対象として使用する試験・評価機材 (TPS : Test Program Set) を 1,600 万クローネで受注した。同社が担当するのは、Lockheed Martin Corp. の LM-STAR 試験機材と組み合わせて使用するインターフェイス試験用アセンブリの部分。(Kitron 2015/3/9)

今日の報道発表 (その他編)
  • マレーシア空軍 (RMAF : Royal Malaysian Air Force) が、総額 80 億リンギット で 4 機を発注している A400M のうち初号機 (MSN022) を領収した。引き渡しはスペイン・Seville の最終組立施設で実施しており、機体は近いうちに現地入りする予定。2015/3/17-22 にかけて開催する LIMA (Langkawi International Maritime & Aerospace) 展示会にも展示する。当初の予定では 2013 年の後半と 2014 年に 2 機ずつデリバリーすることになっていたが、2009 年にスケジュールの再設定があった。現行の計画では、2015 年中に 2-3 号機を、2016 年に 4 号機をデリバリーする予定。なお、ローンチ カスタマー以外の国にデリバリーしたのは今回の機体が初めて。(Airbus Group 2015/3/10, Airbus Military 2015/3/10, IHS Jane's 360 2015/3/9)
  • Ukroboronprom は、ウクライナ国家警備隊 (National Guard) に BTR-70 兵員輸送車×45 両をデリバリーしたと発表した。Artemivsk に配備していた車両に対して 45 Experimental Mechanical Plant で補修を実施して引き渡したもので、駆動系のオーバーホールを実施した後で Yavoriv の演習場に持ち込んでテストしたとの説明。この工場では年間 70-80 両を扱うキャパがあるとしている。(Ukroboronprom 2015/3/6)

今日の米軍調達 (Contracts 2015/3/9)
DLA (Defense Logistics Agency)
  • Proaim Americas LLC (Grover, MO) : 歯科とその他の医療関連機材を $35,000,000 (価格修正条項付き) で。陸海空軍・海兵隊向け、2020/3/8 まで。DLA (Defense Logistics Agency) Troop Support, Philadelphia, PA (SPE2DH-15-D-0007)
NAVY
  • ERAPSCO (Columbia City, IN) : AN/SSQ-125 ソノブイのオプション契約分・5,000 個を $20,427,800 で。2017/10 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00421-14-D-0025)
  • Rockwell Collins Inc., Government Systems (Cedar Rapids, IA) : AN/ARC-210 通信機で使用する付属機材×1,695 点に関する修正契約を $11,490,540 で。自国向けならびに FMS (Foreign Military Sales) カスタマー向け。2018/9 まで。NAVAIR (Naval Air Systems Command), Patuxent River, MD (N00019-15-D-5501)

今日の報道発表 (北米編)
  • GDEB (General Dynamics Electric Boat) の Quonset Point 工場で 2015/3/7 に、Virginia 級 SSN の 15 番艦・USS Colorado (SSN-788) の起工式が行われた。スポンサーは Ray Mabus 米海軍長官夫人の Annie Mabus 氏が務める。(GDEB 2015/3/9)
  • BAE Systems は米空軍から、航空機、その他のヴィークル、システム、機械などを対象とする陳腐化管理業務の契約を受注した。同社の Web ベースの管理ツール・AVCOM (Advanced Component Obsolescence Management) を使って実施するもので、初期契約は 300 万ドル、全体では 3 年間・3,700 万ドルの案件になる見込み。同社は空軍の Strategic Alternative Sourcing Program Office 向けに 5 年間の陳腐化管理業務契約を受注したこともある。(BAE Systems 2015/3/9)
  • Raytheon Co. は、ポーランドの TELDAT が設計した Patriot 地対空ミサイル用のルータについて、最終設計審査 (CDR : Critical Design Review) が完了した、と発表した。これにより、件のルータがシステム側の要求に対応する能力を備えていることを確認できた、としている。両社は Patriot 用の軍用ルータ機材について、共同開発・共同生産を行う契約を締結している。(Raytheon 2015/3/9)
  • Raytheon Co. は、すでに 1,000 名の陣容でデポ整備や近代化改修を担当しているインディアナ州 Indianapolis の事業所について、拡張を図るとともに 250 名の増員を行う、と発表した。(Raytheon 2015/3/9)

今日の報道発表 (その他編)
  • Diehl Defence は Orbital ATK Inc. との間で、ドイツにおける AGM-88E AARGM (Advanced Anti-Radar Guided Missile) の製作・販売を担当するという内容のパートナー合意をまとめた。ドイツで採用が決まった場合、Diehl Defence がしかるべきワークシェアを得て製作に参画することになる。AGM-88E は現在、イタリアの Tornado を対象としてインテグレーションと認証の作業を進めているところ。(Diehl Defence 2015/3/9)
  • BAE Systems Hagglunds はオランダ国防省から、Bv206×95 両を対象とする MLU (Mid-Life Upgrade) 改修の契約を受注した。契約額は不明。エンジン、変速機、履帯、電気系統、その他のサブシステムが作業対象となる。プロトタイプ×1 両、前量産型×6 両、ここまでは BAE Systems Hagglunds が Ornskoldsvik の工場で改修する。残り 88 両はオプション契約扱いで、現地での改修。(BAE Systems 2015/3/9)
  • Airbus Defence and Space はドイツ連邦軍 (Bundeswehr) の調達部門・BAAINBw (Bundesamt fur Ausrustung, Informationstechnik und Nutzung der Bundeswehr) から、IED (Improvised Explosive Device) ジャマー・VPJ-R6 (VPJ = Vehicle Protection Jammer)×36 セットを受注した。受注額は数百万ユーロだとしている。同社が開発した SMART Responsive Jamming Technology を使い、遠隔起爆用無線シグナルの探知・識別と妨害電波をの発信を行うもので、従来製品より高い防護能力を実現するとの説明。(Airbus Defence and Space 2015/3/9)
  • Saab AB は某国から、84mm 無反動砲 Carl-Gustaf のコンポーネントを 1 億 2,700 万クローネで追加受注した。さらに 6,000 万クローネ分のオプション契約も設定。2015 年中にデリバリーする予定。(Saab 2015/3/9)
  • Patria Oy はフィンランド国防軍との間で、航空機や関連システムを対象とするライフサイクル サポートを実現するための、戦略的パートナーシップ合意をまとめた。F/A-18C/D や NH90 が対象で、サポート業務に必要な手順・条件などについて規定するもの。(Patria 2015/3/6)
  • ニュージーランド国防軍 (NZDF : New Zealand Defence Force) は、SH-2G(I) Super Seasprite をメーカーの Kaman Aerospace から正式に領収、2015/3/6 に RNZAF Base Auckland でセレモニーを開催した。現用中の SH-2G の代替用で、現時点で 3 機が揃っており、残り 5 機は 9 月までにデリバリーする予定。運用は海・空軍が共同で実施、Whenuapai に海空合同飛行隊 No.6 Sqn. を編成する。(NZDF 2015/3/6)

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戦争・紛争

最近のニュースいろいろ
  • CJTF-OIR (Combined Joint Task Force Operation Inherent Resolve) は、クルド人武装組織 (Peshmerga) が Kirkuk 西方の稜線を ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) から奪還した、と発表した。また、Kirkuk の油田地帯から ISIL を遠ざけたのに加えて、幹線道路 80 号線の重要部分も奪還できたとしている。(DoD 2015/3/11)
  • また、イラク軍も ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) との交戦の末に Tikrit に乗り込んだとの報。その際、有志聯合の航空機が上空から支援を実施した。(SpaceWar 2015/3/11)
  • 2015/3/10-11 にかけて "Operation Inherent Resolve" の下、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) に対する航空攻撃を、シリアで 2 回、イラクで 13 回、それぞれ実施。シリアでは Hasakah で 1 回 (石油ポンプ施設)、Kobani で 1 回 (車両) の攻撃を実施。イラクでは Qaim で 3 回 (火砲、建物)、Fallujah で 3 回 (車両)、Kirkuk で 1 回 (敵部隊、重機関銃)、Mosul で 5 回 (敵部隊、監視哨、車両)、Rawah で 1 回 (土木機械) の攻撃を実施。(DoD 2015/3/11)
  • CJTF-OIR (Combined Joint Task Force Operation Inherent Resolve) は、「有志連合軍の航空攻撃による支援を受けた反対勢力が、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) からシリア北東部の Tal Hamis 界隈を奪還した。ISIL が主要補給路にしていた幹線道路・47 号線も制圧した」と発表した。(DoD 2015/3/10)
  • 2015/3/9-10 にかけて "Operation Inherent Resolve" の下、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) に対する航空攻撃を、シリアで 4 回、イラクで 8 回、それぞれ実施。シリアでは Kobani で 4 回 (敵部隊、陣地、車両) の攻撃を実施。イラクでは Fallujah で 3 回 (敵部隊、車両)、Kirkuk で 4 回 (敵部隊、車両、陣地、建物、重機関銃など)、Mosul で 1 回 (車両) の攻撃を実施。(DoD 2015/3/10)
  • 2015/3/6-9 にかけて "Operation Inherent Resolve" の下、ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) に対する航空攻撃を、シリアで 12 回、イラクで 32 回、それぞれ実施。シリアでは Kobani で 12 回 (敵部隊、陣地、重機関銃、石油精製施設、車両) の攻撃を実施。イラクでは Mosul で 8 回 (敵部隊、建物、検問所、車両、迫撃砲、対空砲、土木機械)、Tal Afar で 5 回 (対空砲、爆弾製造施設、敵部隊、土木機械)、Fallujah で 10 回 (敵部隊、陣地、狙撃手、車両、建物、倉庫)、Kirkuk で 4 回 (敵部隊、車両、武器集積所、陣地、掩蔽壕)、Huwayjah で 2 回 (敵部隊、土木機械、陣地)、Haditha で 2 回 (敵部隊、迫撃砲、車両、陣地)、Qaim で 1 回 (集結地帯) の攻撃を実施。(DoD 2015/3/9)
  • アラブ首長国連邦 (UAE : United Arab Emirates) の国営メディア WAM によると、ヨルダンに展開した同国空軍の戦闘機が 2015/3/6 の晩に出撃、翌日にかけて ISIL (Islamic State of Iraq and the Levant) の石油関連施設を攻撃したとのこと。詳細な内容や場所は明らかにされていない。(DefenseNews 2015/3/7)

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こぼれ話

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AFPS : American Forces Press Service
JDW : Jane's Defence Weekly
DID : Defence Industry Daily

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