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「ギョエテとは…」ゲーテも納得?世界80語、カタカナにこだわった“ユニーク事典”登場 国立民博教授編
世界中のさまざまな言葉を日本人が声に出して読み、カタカナ表記できるようにすることにこだわったユニークな事典「世界の文字事典」(丸善出版)が出版された。公用語を中心に世界約80語について、音読や表記のポイントを言語の専門家でなくても理解できるよう、可能な限りやさしく解説した。
「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」という川柳も知られるほど、発音が難しい外来語をどう読むかは日本人にとって永遠の課題だ。ゲーテだけでも定着するまで、ギョエテ、ギョーツ、グーテ、ゲエテ…など数十種類ものカタカナ表記があったという。
今回出版された事典はこうした事情を受け、現代日本人がさまざまな場面で出会うことが想定される約80の言語で書かれた人名や地名などを、その国の言葉を知らなくとも声に出して読み、カタカナ表記できるよう、できるだけ平易に解説することを狙った。
編者は、国立民族学博物館の庄司博史教授(言語学)。国内を中心に約80人の研究者に執筆を依頼し、2年がかりで出版にこぎつけた。
例えば読みのポイントとして、英語は「母音はローマ字読みできないことが多いので要注意」、アラビア語は「28文字からなり1字1音で母音をつけながら右から左に読む」とし、言葉の基本的な背景や文字情報、音韻体系、カタカナ転写へのヒントなどを紹介している。