同日、記者会見した谷口功学長は「苦渋の決断。教育体制や入試制度を見直したが、学生確保など将来を見通せず、総合的に判断した」と述べた。募集停止の理由として▽志願者の減少▽6年連続の入学定員割れ▽昨年の司法試験合格率が7%に低迷-を挙げた。九州での募集停止は鹿児島大、久留米大に次いで3例目。
熊本大法科大学院は04年度、定員30人で開設。志願者数は初年度の228人から毎年減り、15年度は33人。昨年の司法試験合格者は3人にとどまり、合格率は全国平均の21・2%を大きく下回った。谷口学長は「全国的に志願者が大幅に減っている。卒業しても法曹界の需要がないという問題もあるようだ」と話した。
大学院から合格した42人のうち、半数以上の24人が県内で弁護士登録。地域司法に果たす役割が大きかっただけに、熊本大は既存の大学院を再編し、法律を専門的に学ぶ法学コースの設置を検討している。修了生らの司法試験合格に向けた支援は今後も続ける。
(藤山裕作)
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