クリミアに吹いた東からのそよ風 / コメルサント紙

クリミアを訪問した日本の鳩山由紀夫元首相は、クリミアのロシア連邦への編入の是非を問う住民投票は「民主的な手続きに沿って」実施され「クリミアの住民の現実的な意思表示」となった、との結論を導いた。日本の外務省は、元首相のクリミア訪問を非難したが、専門家らの指摘によれば、このような大物政治家がクリミアを訪れるのは同半島のロシア連邦への編入後初めてのことであり、これまではロシア連邦に対する制裁を批判する欧州の野党政治家らがクリミアを訪れていた。

 

 

日本の鳩山由紀夫元首相は、3月10日にクリミアに到着した。同氏は、自身の訪問の目的はロシア連邦への編入後の「クリミアの人々の様子」を知ることである、と述べた。同氏によれば、日本では「クリミアにおける出来事がありのままの形で伝えられていない」。「ここで、私は、2014年3月16日の全クリミア住民投票が平和裡に民主的な手続きに沿って実施されクリミアの人々の現実的な意思表示となったことを、知った」と同氏は述べた。

 

鳩山由紀夫氏は、制裁という状況において自分の行動は日本の当局によって「あるまじき行為」とみなされている、と語ったうえで、クリミアのロシア連邦への編入は「米国によって日本政府へ押しつけられた公式の姿勢というプリズム」を通さずにもっと視野を広げて見る必要がある、と述べた。元首相は、「同半島における住民投票の平和的な実施」に関するものを含むクリミアについての真実を日本の社会へ届けることを、自らの主な使命とみなしている。

 

クリミア国家会議の報道係で「コメルサント」紙に明らかとなったところでは、訪問のプログラムは、シンフェロポリに在るロシア連邦外務省の代表部で作成され、ロシア連邦大統領付クリミア常駐代表のゲオルギイ・ムラードフ氏が、鳩山氏の受け入れを担当した。日本の元首相は、クリミアの主都から政府専用車でヤルタへ移動し、現地のリヴァディア宮殿で1945年のヤルタ会談に関する展示に接し、ヤルタの行政長官であるアンドレイ・ロスチェンコ氏が、来賓歓迎のレセプションを催した。【次ページにつづく】

 


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