Jリーグ衰退、最終局面入りか 利益最優先、世界基準から遠のく…批判殺到の新制度導入
3月7日に開幕を迎えた日本サッカーリーグ(Jリーグ)は今季、制度に大きな変更が生じている。それは従来の1シーズン制が撤廃され、前後期に2分、その後にポストシーズンを開催して年間王者を決める2ステージ制が導入されたことだ。「Jリーグ 公式サイト」より
Jリーグは元々開幕当初から、2005年まで2ステージ制を採用していた。だが、欧州サッカーがヒエラルキーの頂点に立つサッカー界では、1シーズン制が主流。国際サッカー基準に合わせるというJリーグの意向もあり、昨年まで通年リーグ制が採用されてきた。
今回の変革の目的は、チャンピオンシップ制(ポストシーズン)を設けてステージごとのスポンサー収入を増加させる、また誰にでもわかりやすい山場を多くつくることでメディア露出を増やし、ファン層を拡大することとされている。2ステージ制の是非については、すでに専門誌や週刊誌など各メディアで度々クローズアップされているが、ファンや識者の声を拾っていくと、反対意見が大半を占める。
実際に昨季は試合会場で、2ステージ制導入の反対を訴える横断幕が掲げられるシーンも目立った。主要な反対理由を紹介すると、以下のような内容に集約される。
・優勝の価値が希薄化することによる公平性の損失
・試合数増加に伴う、スケジュールの過密化
・アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場枠とJ2降格枠の拡大に伴うモチベーションの低下
・長期的なスパンで見た際の、リーグ衰退の懸念
・利益重視の協会の運営姿勢
2ステージ制の導入リーグの実情
では、実際に2ステージ制を導入している各国リーグの実情はどうなのか。
現在、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンを除く主要南米各国が2ステージ制でリーグ開催を行っている。
Jリーグが発足当初2ステージ制を導入していたのも、南米が1つのモデルケースになったとされている。昨季までの越年制の前後期2ステージから、今季30チームによる通年リーグに移行するアルゼンチンリーグ、プリメラ・ディビジョンについて、現地記者は次のように話す。