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除染廃棄物を初搬入 中間貯蔵福島用地

中間貯蔵施設建設予定地に搬入され、クレーンで保管場に降ろされる除染廃棄物=13日午後、福島県大熊町で(荒井六貴撮影)

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 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で出た汚染土壌や廃棄物を保管するため福島県内に建設する中間貯蔵施設をめぐり、政府は十三日午後、同県大熊町の仮置き場から運び出した廃棄物を町内の建設予定地内の保管場に初めて搬入した。同様に保管場がある双葉町でも同日、搬入が予定されていたが町内の調整がつかず延期。地元の理解を十分得られないまま「前例のない迷惑施設」が船出した。

 望月義夫環境相は閣議後の会見で「搬入開始は福島の再生、復興の大きな一歩」と述べた。

 中間貯蔵施設は福島復興の鍵を握る巨大プロジェクトで、総工費は約一兆一千億円。第一原発周辺で羽田空港に匹敵する約十六平方キロを取得し施設を建設する計画で、県内約八万八千カ所に廃棄物が仮置きされる状態の解消が期待されるが、地権者約二千四百人との用地取得交渉が難航し、本格稼働の見通しは立っていない。今後一年間は輸送上の課題などを探る「試験輸送」と位置付け、ごく小規模の作業にとどまる。

 環境省によると、この日搬入された廃棄物は約十二トン。二〇一二年十二月から実施された除染で出た不燃物で、大熊町内の仮置き場から約十五キロの道のりを十トントラック二台で運び、廃棄物約一トンが入った「フレコンバッグ」と呼ばれる袋をクレーンで次々と保管場に搬入した。大熊町内の仮置き場からの輸送は四月上旬まで続く。

 

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