最近の趣味(笑)

カテゴリ カテゴリ: どーでもいい!




 最近の趣味はカゼをひいて寝込んで、夢を見ることだったりします。

 人間って、こんなにもバリエーション豊かで、かつ支離滅裂に夢を見ることが出来るもんなんだなーって、ちょっと呆れてみたり(笑)


 そうそう。
 続き物で、一晩でスキーに三回行けたのは何だか得した気分だったなぁ…

 ただ、夢の中で行くスキーって。
 肝心の滑ってる場面がほとんどなかったり、泊まった部屋が心中のあった部屋だったりなんていうのはなぜ?(笑)


 あと、夢の中で朝の路上で寝ていたら、犬に吠えられて吠え返したなーんて夢を見ちゃった後は、

 まさか、オレってホントは犬で。
 ずっと“人になってる夢”を見てたんだけど、その夢の中で“犬になった夢”を見たなんてことはないよな!?


 なぁ~んて(爆)


 
 でもまぁ考えてみりゃぁ、それもまたいいかな…、なぁ~んてさ(笑)




            Coldplayって、日本語にすると“風邪遊び”?



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日付2015.03.13 22:51 | コメントComment(0) | トラックバックTrackBack(0) | 編集EDIT

何ごとも、おっくうな季節

カテゴリ カテゴリ: どーでもいい!



 3月ですねー。

 私、実はこの春先って季節が一番苦手でして……


 というのも、厳冬期の寒さは全然平気で、というか、結構好きだったりするんですけどー

 この時期の気温は、てんでダメ。

 なんつーか、体が動きません。

 もぉ寒くって、寒くって…(笑)


 というわけで、雨降りな今日は朝起きたら、コタツに直行。

 結局、そのままズルズル、ズルズル……



 ま、お後もよろしいようで…(笑)






  キャロル・キングのお馴染みカバーかと思ってると、途中にわかに入ってくるチャカポコ音に思わず脱力…(笑)


日付2015.03.01 18:09 | コメントComment(0) | トラックバックTrackBack(0) | 編集EDIT

本日…

カテゴリ カテゴリ: どーでもいい!




   本日、風邪っぴき冬眠中

   近寄るとうつるよ

   イヒイヒ、イヒイヒ





日付2015.02.22 17:22 | コメントComment(2) | トラックバックTrackBack(0) | 編集EDIT

最初、「ふひゃふひゃ…」。でも、そのうち「へぇー」に変わった『復刻!未来からの挑戦』

カテゴリ カテゴリ: どーでもいい!




 いやね。
 実は、全っ然期待してませんでしたー!(爆)



 だって、いつだったか再放送していた『なぞの転校生』。
 あれ、さすがにこの時代に見るのはキツかったんだも~ん!(笑)



 だって、ねぇ…。

 唖然としちゃったくらい、チープな映像もさりながら。

 冒頭の団地がミニチュアだったのには、いやもぉ思わず目が点!(笑)



 「少年ドラマシリーズ」という、文字通り“少年”が正しく少年している世界に、え?この世界だって充分パラレルワールドに思えるんだけどぉ~みたいなー(笑)

 
 “少年”って言葉は(“少女”とともに)、もはや日本じゃ死語の感がありますよね(笑)




 とはいえ。
 あの、『未来からの挑戦』ですよ!

 
 腐っても『未来からの挑戦』?(笑)

 間違っても、『ねらわれた学園』じゃないわけですよ(爆)



 これは、見るほかあるまい!って。

 いや。個人的には『明日への追跡』の方が絶対見たいんですけどね
 私、眉村卓より光瀬龍の方が好きだったんです(笑)





 ってまぁ見始まった『復刻!未来からの挑戦』だったわけですが…



 ふひゃふひゃ。
 やっぱ、チープねー

 ていうか、関クンの“少年”っぷりに、ちょっとクスっ…

 なんて(笑)

 ていうか、ていうか。テーマソング、くっせー!
 だから、『明日への追跡』の方がいいんだって ←しつこい(笑)
 *明日への追跡テーマ(カバー)
 https://www.youtube.com/watch?v=kCphV7AN63A



 そんな風に茶化して見ていたのに。

 ふと、見入っていた自分に気がついて、「え?」とか思っちゃったのは、例の「校内パトロール」のことを、主人公の関クンがお父さんと話している場面でした。

父:正しいことと正しくないことを、どういう基準で決めるか
  ってことだ。
  今パトロールがやってることは正しいことなのかもしれないけどね。
  生徒たちもそう思ってんだろ?
関:言っていることは、いちいちもっともなんだよ。
  でも、何て言うか…。やりすぎなんだよな。
父:そういうものだ。
  こういうことはひとりでにエスカレートする。
  そして、“正しい”という理由でいろんなことが行われる。
  そのたんびにみんな、
  まぁこの程度はしょうがないと一歩ずつ譲歩する。
関:みんな、しょうがないと我慢してるよ。
父:ところがだ。
  ある時、ハッと気がつくと、
  知らない間に身動きが出来なくなっている。
  パパなんかも経験がある。
  それが「ファッショ」というものだ。


  注:ファッショ …ファシズム
  


 そういえば、番組で紺野美沙子も似たようなことを言ってましたけど。

 西沢杏子をやってた人って、紺野美沙子だったんですね


 もちろん、当時だってドラマの描くメッセージは、もちろん伝わってはいたんです。

 でも、大人になって(ま、一応ね。子供に毛が生えた程度には…笑)。
 ドラマの中で関クンのお父さんが言っていたように、人の世がファシズムにするっと流れていってしまう実例を聞いたり、実際に見たりといいう経験があるだけに、それがよりリアルに感じられるんですよねー。



 それこそ、例のトマ・ピケティですよ。

 いや、本は読んでないですけどね

 つーか、あんな高い本買えるか!(ま、元々読む気ないからいいんだけどさwww)

 ただ、トマ・ピケティ氏の言ってることって、TV等で紹介している解説を聞く限り、ぶっちゃけ言っちゃえば「共産主義」であるように感じます。

 でも、共産主義が間違いだったっていうのは、80年代の終わりに、目で見てわかっちゃったわけじゃないですか。

 つまり、共産主義というのは、その構造的欠陥として、「富の平等」を管理する人or組織が腐敗してしまうことで富を独占。
 さらに、人々を「平等な社会を維持するため」という名目で、暴力を使って支配・管理してしまうわけですよね。
 その結果、世の中の進歩が止まり、人々の暮らしは貧乏のまま。ひとたび天災でも起ころうものなら地獄絵図と化すと。


 そのことは、80年代の終わりに次々と起きた共産主義国家の崩壊によって、世界の常識になったはずなのに。

 なぜか、この2010年代になって、再び真面目に議論されるようになっているわけです。

 さらに、それはいつの間にか一つの潮流を作っているわけで、まさにドラマの言う“人々が正しいと思うこと(正義)が、どんどんエスカレートしていって。気がつけば、(その正義によって)身動きできない世の中になっている”という状況そのまま……

 …になっていくのか?(笑)


 もっとも、そのトマ・ピケティ氏。

 TVのインタビューなんかだと、“議論してもらうための議論”みたいなこともちらっと言ってたりで。

 まー、確信犯的にやってるとこもあるんでしょうけどね。


 ただまぁ、あんな分厚い4千円だか5千円だかする本が売れてるっていうのは、まぁファッション的消費だったり、もしくは懐が寒い時代の“小金消費による満足感”っていう面が強かったりと。
 それらの側面が大いにあるにせよ、ちょっとキモチワルイよなーなんて(笑)

 今っていうのは、猫も杓子も(それこそ犯罪者だって)ネットで“正しいこと”言っちゃう時代なだけに、余計ウスキミワルイように感じますね。




 ま、そんなことはさておき、『未来からの挑戦』(笑)

 いや。そのつくりは、やっぱりチープっちゃぁチープですよ。

 所詮は、リアルタイムで見た世代の“思い入れ”という下駄をはかせた「名作」でしかないんだと思うんです。

 ただ、そうはいいつつ、この時代、この齢になって見ても。
 ところどころハッとさせられるのは、やっぱり、あの時代ならではの「マーケティング」していないドラマ作りってことにあるのかなーって。


 今のドラマって、確かに面白いんですけど。
 でも、時々ふっと感じるんですよね。
 これって、本当につくる側のつくりたいドラマなのかなぁ…。
 視聴者や世間の“ニーズ”に合わせているだけなんじゃないのかなーって。

 ハリウッド映画的と言えばわかりやすいのかな?

 ハリウッド映画といえば、例の某国指導者の暗殺映画。あれ、最近の興行成績はどうなってんのぉ~。
 ネタ的に“旬”じゃなくなったから、もぉどうでもよくなっちゃたのぉ~?(爆)



 って、あれ?
 俺って、そんなこと言えるほどドラマ見てたっけ?
 なんてね(笑)

 ま、ドラマとはいえども“商品”なわけで。
 顧客のニーズに沿った商品づくりをして、それで顧客が満足するのならそれで全然OKなんでしょうけどねー。

 ていうか、ドラマとか映画って。
 そういうもんだよなー、それで全然いいんだよなって思うことありますよね。




 ただ…、ね(笑)

 それが、いかにもルーチンワークっぽい時とか…。
 ニーズに沿って、とりあえずドラマのノウハウを押し込めちゃいましたみたいな、仕事慣れした人のやっつけ仕事だなぁーみたいなの、感じちゃうとなぁ…(笑)

 結構夢中になって見ていたくせに。
 終わった途端、「あぁつまんね…」って呟いちゃうこと、時々ありません?(爆)





 ってまぁ、そんなおバカな人の繰り言はともかく(笑)

 ドラマが放送されてから38年って年月が経って。
 『未来からの挑戦』というよりは、
 これじゃぁ何だか“過去から挑戦”されてるみたいじゃん! 

 って気持ちにさせられた、『復刻!未来からの挑戦』でしたとさ(笑)


 
 https://www.youtube.com/watch?v=EdhoX1Xu6ZI


日付2015.02.17 23:50 | コメントComment(0) | トラックバックTrackBack(0) | 編集EDIT

67話目-15

カテゴリ カテゴリ: 怪談話




 ~ 呪い その2


 大庭さんの横顔を見たその瞬間、立ち止まっていた詠一クン。
 そんな詠一クンの顔の動きに合わせるように、一瞬遅れて立ち止まった大庭さん。
 どこかぼんやりしたその目と、そんな大庭さんの手にしたリードを元気いっぱいに引っ張っている犬の姿。

「え…。
 舟橋クン、宮間クン亡くなったの、知らなかったの?
 あ、そっか…。
 わたしは、ほらっ、宮間クンとは高校一緒だったから…。」
「うっそだろ?
 だって、オレ、5月くらいに会ったぜ。
 アイツ、O大だって言うからさ、O駅まで電車でずっと話してたんだよ。
 相変らずちょっと嫌味でさ…。あっ!」
 そこまで言って、あの時の宮間クンの変に真っ白い顔を思い出した詠一クン。
 そうか。やっぱりそういうことだったんだ……

「どうしたの?」
 見れば、大庭さんは怪訝そうに首を傾げて、でもちょっと笑って詠一クンを見ていた。
 その足元で大庭さんにじゃれついている犬は、ご主人様との散歩をジャマする詠一クンをチラチラ盗み見。
 そんな犬の目のはるか向こうを見ていた詠一クン。やっとそれに気がついて、大庭さんの方に歩き出した。

「うん。あの時…。
 5月に会った時…。
 アイツ、顔が変に真っ白でさ。
 あと、何だか痩せてたし。
 そう、声だって力がなかった…。
 あれって、やっぱりそういうことだったんだな…。」
 そう言った詠一クンに、大庭さんは静かにうなずいた。
「そうなんだ。5月に会ったんだ。舟橋クン…。
 5月っていったら、宮間クン、もう自分の病気のこと知ってたはずよね。
 あのさ…。」
 そこまで言って言葉を詰らせてしまった大庭さん。
 見れば、心なしかかすかに目が潤ませているような…。

「宮間クンってね、わたし、高3の時同じクラスだったの。
 あのさ。今更、死んだ人のこんなこと、言っちゃいけないのかもしれないけどね。
 でもね。宮間クンがO大の医学部を第一志望にしたの、
 私やクラスのみんな、ちょっと無謀だって噂してたのよ。
 わかるでしょ?
 舟橋クンだって、宮間クンのこと知ってるから…。」
「うん。…!?」
 何を言いたいんだろうって、詠一クンが大庭さんの顔をじっと見ると。
 その視線に応えるかのように、大庭さんはその目で真正面から詠一クンを見た。

「ううん。違う。そういうことじゃなくって…。
 これはね、嫌味でも自慢でもなくってね。
 宮間クンってさ、
 言ってみれば、とんでもないくらい勉強に勉強を重ねるって人じゃない?
 普通の人じゃ考えられないくらいさ…。
 でもね、わたしの高校の人達って、みんなそんなに勉強するわけじゃないのよ。
 みんな、それほどまでに勉強しなくても、
 ある程度までなら出来ちゃうっていうかさ…。」
「うん。それはわかる…。
 あぁ。でも、そんなもんなんだろうな。
 大庭さんとか、斉木とかは…。」
「うん…。
 今さ、舟橋クンが言ったじゃない?
 ホントその通りだったのよ。あの時も…。
 あの高3の時も、宮間クン、真っ白な顔してさ。
 体なんかもガリガリに痩せちゃって…。
 だから、そのくらい頑張ったってことなのよね。
 それでもね。それでも、宮間クンがO大受かったって聞いた時は、
 わたしもみんなもホント?って。
 うん、そう。一瞬信じられなかったくらい…。」
「アイツはホントのホントに努力家だったから…。」
「登校日の時に教室で見た、あの時の宮間クン…。
 あの時は宮間クン、クラスの誰よりも生き生きと笑ってたなー。
 でも、今思えば、あの時の無理が祟ったのかもしれないよね…。」
「うん。それでもって片道2時間強を毎日だろ?
 で、医学部。
 いっくら宮間だって、ガンバリすぎだよなぁ…。
 ほらっ、オレL大だからさ──。」
「えっ!?L大…。」
 一瞬、驚いて裏返っちゃったような声を出した大庭さんは、くるっと詠一クンの顔を見た。
 その、なんだか不思議そうな…、何かを思い出しているような…。
 そんな大庭さんの表情が、すぐそこにあった。

「あれ?オレ、そう言わなかったけ?
 うん。L大。
 だからさ、同じO市だからわかるんだけど、あれは遠い…。
 ホンっト、遠い…。
 何でなんだろ?実際より遠く感じるんだよね。
 オレなんかさ。試験受けに行っただけで、
 もしここ受かっても、通いは絶対無理だって確信したもん。」
「都心を越えて、さらに向こうっていうのもあるのかなぁ…。」
「あぁ。それはあるかもなぁ…。
 でね、あん時。5月に宮間と会った時。
 当たり前だけど、アイツとO駅まで一緒でさ。
 でね、駅で別れる時、アイツに、オレのアパートの電話番号渡したんだよ。
 遅くなった時は泊めてやるぜって。
 そしたらアイツ、スゲー変な顔してさー。
 しばらくその電話番号、じっと見つめちゃって。
 でさ、何言うかと思ったらさ、こうだぜ。
 オマエちゃんと学校行けよって。
 わかるよね?あの口調…。
 アイツの、あのいつもの口調なの。
 あん時は、アイツって、ホンっト変わんねーなーとか思っ──。
 あれっ!?」

 隣を歩いていたはずの大庭さんの気配が、ふっとかき消すように感じられなくなって。
 「え!?」って慌てて振り返った詠一クン。
 その目にまず映ったのは、リードに引っ張られて伸び上がるような姿勢の犬の姿。
 そして、そのリードをたどった先にあったのは、立ちつくしていた大庭さんの姿。
 その顔の大きく見開いた目。
 何か言おうと口を開いて、すぐ閉じて。さらにまた開いてを繰り返しているいるその表情は、愕然って言葉がピッタリ。
「どうしたの?」
「……そ、それ…、それって。
 それって、エーイチくんだったの?
 そうなんだ。エーイチくんだったんだ…。」
「えっ?何…。」
「エーイチくんさ、今時間ある?」
「えぇっ!?時間?
 時間って、あぁ、うん。全然大丈夫――。」
「エーイチくんさ、今から宮間クンの家に行こぉ。
 お線香あげに…。」
「お線香あげ!?
 オレが?宮間のの家に?
 いやー…。宮間、嫌がるだろー。
 結局アイツ、オレのことよく思ってなかったみたいだしさ…。」
「違うんのよ。違うの…。」
「違うんだって。
 大庭さんは絶対わからないと思うけど、
 アイツはオレみたいなヤツのこと軽蔑してたんだって。」

 そこまで言った詠一クンの顔には、苦い笑いが浮かんでいた。
 それは、大庭さんに対する、ちょっと皮肉な気持ち。
「大庭さん、さっき言ってたじゃない?
 勉強頑張るわけでもないし、部活に励むわけでもない。
 あの頃のオレって…、そう、よくわかんなかったって…。」
 いや。大庭さんは、わからなかったではなく、「怖かった」って言ったのだ。でも、詠一クン。なぜか自分の口からその通りには言えなかった。

「宮間はさ、そんな努力なんて全くしないオレみたいなのを軽蔑してたんだって。
 あ、いや。もしかしたらさ、大庭さんだって、そう思ってたのかもしれないけど…。」
「う、ううん…。
 いや、だから…、違うのよ。
 宮間クンだって、そんなこと思ってないのよ。
 だって、わたし、聞いたんだもん。
 お通夜で宮間クンの家に行った時…。
 宮間クンのお母さんから聞いたのよ。」
「宮間のお母さん…!?」
「ほら、亡くなったっていう連絡は、高校の同級生経由で来ていたからさ。
 その時中学も一緒だったのは、わたしだけだったの。
 だから宮間クンのお母さん、わたしに聞いてきたのよ。
 宮間クンが学校行く時、駅で中学校時代の友達に会って。
 その友だちが、
 帰りが遅くなって困ったらオレのアパートに来いって電話番号くれたんだって。
 宮間クンね、それがすごく嬉しかったらしくって、
 そのことをお母さんに話していたらしいのよ。
 それで宮間クンのお母さん、
 わたしに、それって誰のことかわかりませんか?って。
 せめてお礼を言いたからって……。」

 ズキン!
 それは、心臓が頭の天辺まで飛び上がって。そのまま張り付いてしまったような、そんな感覚。
 そういえば、なんだかつい最近もそんな感覚を──。
 でもそんな思考は、溢れ出てくる感情に押しやられていた。
 喜んでたって…。
 なんだよ、それ…。
 なら、そう言えよ。
 そういう態度とればいいじゃんよ。
 電話番号書いた紙を、ふんふんうなずきながら見て、「オマエ、ちゃんと学校行けよ」じゃ、わかんねーじゃんよ。
 バカかよ。
 オマエ……


「ねぇ。宮間クンが亡くなった場所…。
 あ、違う。亡くなった場所じゃなくて、倒れた場所。
 救急車が駆けつけた場所…。
 エーイチくん。あなた、それってどこだと思う?
 O駅だって、O駅…。」
「……。」
 何も言葉が出てこない詠一クンに、大庭さんの声はさらに続いていた。
「確か、7月の24日…、だったかな?
 その、夜の11時くらいだって…。
 もう夏休みだっていうのに、
 毎日朝から研究室に行ってて、その帰りだったらしいわ。」
「うっ……。」
「ねぇエーイチくん。わたし思うんだけどさ。
 もしかしたらさ…。
 もしかしたら宮間クンって。
 その時、エーイチくんのアパートに、電話しようと思っていたのかもしれないよ…。」
「アイツがオレんちに電話……、あっ!
 ……えぇっ。
 ウっソだろっ…。」

 7月24日って……
 憶えている
 7月24日っていうのは、そう、みんなでO城に行った日
 夜、O城に行って…
 明け方近くにアパートに帰ってきて、そう、あれはシャワーを浴びた後だった
 暗い部屋の中で光っていた、あの留守電の赤いランプ
 再生しても、何も言わずすぐ切れちゃって…
 確か、そう…
 そういえば時刻は11時くらいだったような……
 それって……、えぇっ!
 そこまであの夜のことを思い出していた詠一クンは、やっとそのことに思いがいった。
 あっ、アレ…
 あのO城から帰ってき夜の明け方のアレ…
 アレって、つまり、そういうこと…
 え……


 ウトウトしていて、ふいに、まるでその場で跳ねるようにビクンと動いた体。
 口から洩れたうめき声。
 それと同時に耳に飛び込んできた、ビールの缶が地面に落ちる音。
 えっ!やばっ!
 オレは、半覚醒の意識の中で、地面に転がっているのであろうビールの缶を慌てて探していて…。
 なのにビールの缶は見つからない。
 缶からビールが流れ出す、じゅわじゅわっていう泡の音は、すぐ近くから聞こえてくるのに。

 オレは、ぼんやりとした意識の中。
 妙に定まらない視界で下を向いてビールの缶を探していて、ふと視線が止って──。
「…!?」
 いきなり視界の中に入ってきた、夜より黒かったアイツ。
 オレは、無意識にアイツに視線をそれに沿わしていた。
 そして見上げたその先……

 あの時、そこに立っていたのは、言いようのない怖さだった。
 口から洩れる言葉が言葉にならなくて。
 歯のなる音…。心臓の音…
 そして…

 その黒とも白ともつかぬ、人のような姿のアイツが、すー、すーっと1歩、2歩と近づいてきて…
 あれは、アイツがつぶやいていた声だったのか。
「ぼしょ、しょぼしょぼしょ…。
 ぼしょ、しょぼしょぼしょ…。」
 でも、アイツはオレに近づくにつれ、力尽きるかのように膝をついて、手をついて。
 それでも、アイツはオレの方にやってきた。
「ぼだ、しょにぼしょしょ…。
 ぼだ、しょにぼしょしょ…。」
「だ、しにたしょしょ…。だ、しにたしょしょ…。」

 オレのすぐ傍まで来たアイツは、オレの顔を見上げるようにじっと見つめてきた。
 あの瞬間感じた、ずっきーん!と、頭の中を貫くなにか…
 それは、思いだったり…
 哀しさだったり、悔しさだったり。
 無念さ、つらさ、そして哀願だったり、その他あらゆる思い。
 その途端、アイツのつぶやきは言葉に変わって…

 その思いの強さ…。
 あの時オレは、確かにそれを聞いていた。
 あんなアイツが、オレみたいなのにしかつぶやくしかなかった、その思いを……
「死にたくない…。死にたくないんだよ…。
 何でだよ?何でなんだよ?俺はこんなにも──。
 なぁ。何でなんだよ?俺はこんなにも──。」



「そう…。
 そうなんだ……
 死にたくないんだよって…。
 そんなことが…。」
 気がつけば、すぐそこにあった大庭さんの顔。
 それは、意外にも詠一クンの目よりずっと下にある。
 あれ?もっと背高いかと…
 その大庭さんの、しんみりとした口調。そして、憂いを帯びたその表情は…。
 それは、それでも詠一クンの目には鮮やかすぎちゃって。
 視線を外したその先にあった夏の終わりの太陽の色よりも、もしかしたら……

「宮間クン。きっと、もう生きることが出来ない自分が悔しくて悔しくて…。
 だけど、誰かに助けて欲しくって…。
 それがダメなら、せめて誰かにそのこと聞いて欲しくって…。
 それで、行ったのかな……、
 エーイチくんのとこに…。」
「うん…。
 でもさ。何で?何でオレなんかのところに?
 他に親しいヤツ、いっぱいいたろうにさ。
 それこそ大学にだってさ…。
 なのに、何でオレんとこなんだよ?
 オレのことなんて大嫌いで、軽蔑してたくせにさ…。」
 そう言って詠一クンが見た大庭さんの顔。
 そのタイミングは、やっぱり大庭さんも詠一クンの顔を見るところだった。
「うん…。
 確かにそうだよね。
 わたしも、何でそれがエーイチくんなんだろう?って思う。
 うん…。ワケわかんないよね。」
 そこで言葉を止めた大庭さんは、ふっと息を吐いた。
「…!?」
 その微妙な間に、なんだろ?って。
 その表情を窺う詠一クンに、大庭さんは、それをグイと見つめ返し、また口を開いた。
「でもね、エーイチくん。
 エーイチくんって、まだわかってないんだなーって。
 ていうか、何でわかんないだろう?って。」
「え、何でわからない?
 えー、だって…。」
 初めて女のコに、そんな真剣な顔で見つめられちゃった詠一クン。
 その目の中にあったものに、もう気が動転。どうしたらいいのか、全然わからなくなって、頭の中はもう真っ白。

「だってさ、5月に会った時。
 宮間クンは別れる時、エーイチくんに、オマエちゃんと学校行けよって言ったのよね。
 そうでしょう?」
「う、うん。」
「エーイチくんは、それを嫌味だと思ったのかもしれないけど…。
 ほら、宮間クンって。いつだってあの口調だから…。」
「そ、そう。そうだよ。」
「で、あれでしょ?
 あの、ホっント嫌んなるくらい、
 クソ真面目ぇーっていう、あの顔でしょ?」
 そこまで言って、やっとちょっとだけクスっと笑った大庭さん。
「そういえばさ、宮間クン…。
 お通夜の時、写真を見ていて思っちゃったんだけど、
 相変わらずあのメガネだったよね。
 中学の時にかけてた、メタルフレームの、シルバーの…。
 エーイチくんが会った時もそうだった?
 フフッ。」
「え?
 あ、うん。あれ?どうだったろう…。」
 その時、詠一クンの脳裏に一瞬浮かんだそれは、あの5月の朝の光景。
 後ろからポンっと肩を叩かれて。振り返ったそこにあった、ニカっと笑う宮間クンの顔……

「そう…。そうだった…。
 そうだよね。アイツ、相変わらずあのメガネかけてた…。
 中学の時と同じの…。」
「フフフ。そうなんだ。
 宮間クン、やっぱりあのメガネだったんだ。
 フフフ…。」
「ハハっ。やっぱ、アイツって、ちょっと変だよね。
 普通、みんな大学とか入ったらメガネ変えるじゃんね。
 もしくは、コンタクトにするとかさー。
 ハハハー。」
「そう。そうだよね。
 でもさ。なーんか、宮間クンらしい。
 アハハ…。」
 そんな大庭さんの笑い声に、何を思ったのだろう。
 今の今まで、大庭さんの持つリードをピンと引っ張っていた犬が、ひょいと振り返ると。たちまち、大庭さんの元に飛び込んできた。
「な、何?どーしたの、コタロー。」
 一瞬、驚いた大庭さんだったが、すぐにしゃがんで。両手で犬の顔から首を撫でまわしているその姿。
 その大庭さんの両手を忙しく口で追いかけまわしている犬。
 そんな大庭さんを…、というよりは、大庭さんと犬がじゃれあっている、その光景全体を眺めている詠一クン。
 ふいに心の底から、ワーッと湧き起ってきた何か。
 ドキン。
 その衝撃。
 それは、詠一クンが今まで生きてきて初めて味わった、リアルに生々しい恋の感情だった。




 ── 本日これまで!
           67話目-15〈了〉/ 67話目-16に続きます
____________________________メルマガ配信日:2010.9.30




注!無断転載禁止
  断りなく転載されるのは非常に不愉快です。やめてください
  ブログの記事は全て「著作物」であり、著作権法の対象です。
          
      ちょっと剣呑で、ゴメン(^^;)



日付2015.02.15 18:44 | コメントComment(0) | トラックバックTrackBack(0) | 編集EDIT

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百物語ガール

Author:百物語ガール
ガールとなってますけど男で~す(笑)

なお、コメントについては、
“百物語ガール”は紛らわしいので、
“ひゃく”という名称を使用しています。

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