中国人民銀行(中央銀行)は全人代直前の2月末に利下げを実施したが、「事実上の固定相場制である中国では効果は限定的」(嘉悦大教授の高橋洋一氏)というのが現実。「むしろ景気の下支え効果があるのは高速道路や空港の建設などの公共投資」(同)だという。
このためか、中国当局は政府主導のインフラなど公共投資を再び加速させる方針で、不動産関連の不良債権処理や影の銀行(シャドー・バンキング)問題の改革は先送りに。預金金利の自由化方針を打ち出したが、効果のほどは不透明だ。
週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は、「不動産バブル崩壊はすでに進行しているが、債務を負った企業や地方政府が負債を確定して具体的な返済方法を検討する段階には至っていない。いま投資を拡大すれば、中国経済は一段と傷を深くするはずだ」と指摘する。
一方、韓国のデフレ懸念は一段と深刻だ。2月の消費者物価は前年同月比0・5%上昇にとどまった。3カ月連続の0%台で、事実上経済破綻し、国際通貨基金(IMF)の管理下にあった1999年7月以来の低い水準だ。韓国メディアは「韓国の物価下落は1990年代の日本のバブル崩壊後よりも速いペース」という専門家の分析を紹介している。
鉱工業生産、小売販売、設備投資もそろって減少。朴政権発足後の2年間で適切な手が打たれたのだろうか。