フルサイズ初の高倍率ズームレンズ『SEL24240』開梱レビューレポート [┣ デジタル一眼“α”]
明日から出荷が始まるフルサイズ初の高倍率ズームレンズ「SEL24240」ですが、当店には1日早く、本日入荷しています。早速ですが開梱レポートと、初めての試し撮りをしてきましたので、合わせてレポートしたいと思います。
まずは製品の内容ですが、あれ? ソニーの"α7"でデビューした方は「レンズケースは付属しないの?」という疑問を持たれる方がいらっしゃるかも。そういえば「SEL24240」はフルサイズのEマウントレンズでは初めて「カールツァイス」とか「Gレンズ」とかのブランドがつかないノーマルのソニーレンズになるんです。そうなんです、ソニーレンズにはレンズケースは付属しないんです。
同梱になっているのはレンズフードとレンズキャップ、リアキャップ、取説類のみとなります。
フィルターは72mm径とやや大きめ。レンズプロテクターを一緒に購入されている方は当店のお客様のオーダー実績をみると半々くらいみたいです。FEレンズとしては3番目に重たいレンズになりますが、AマウントのGレンズとかカールツァイスと比べるとそんなに極端に重たいレンズではありません。
自重があるレンズだとそれだけで破損の可能性が高くなりますが、このレンズはプロテクターをつけるかどうか、私の判断でも微妙なところ。ながーく使うならつけておいた方が良いのかなぁ。レンズフードを常に装着して使うならいらないかも。
主なボディにレンズを装着してみます。
5軸手振れ補正搭載の"α7II"に装着したところ。望遠レンズ使用時は手振れ補正の効きは威力を発揮します。この組み合わせで使うのは鬼に金棒状態かも。
こちらはボディがやや小さな"α7S"に装着したところです。レンズヘビーな感じにはなりません。高倍率ズームレンズということでレンズ自体の大きさは今までのFEレンズと比べると大型の部類には入ります、これでフルサイズ用レンズとしては世界初の24-240mmレンズです。
コンパクトじゃないですか。これでフルサイズセンサー搭載のカメラなんですから。
こちらはAPS-Cの"α6000"に装着したところ。うむ、これはでかい。でも、これで35mm判相当で36-360mmになります。Eマウントレンズで210mmを超えるレンズはこれが初めてになりますし、この組み合わせもありですよね。
後述しますが、これなら口径食とかもでないと思います。
写真左からSEL24240、SEL2470Z、SEL70200Gです。写真右の2本がSEL24240の1本だけでカバーできることを考えるとかなり荷物を減らすことができるレンズになります。
これがあれば今週月曜日のF1ツアーも荷物が半分にできたのになぁ。
ということで、今日もお昼休みにSEL24240を持って浜離宮庭園へ行ってきました。年パスをこの間買いましたが、これで元が取れました。1ヶ月経たずに投資を回収♪
3月中旬頃には菜の花畑は満開、という案内が出ていましたが、確かに入口手前のお花畑は菜の花満開になっていました。奥の方がまだ荒れ地のままというところがあるんですが、これから2週間くらいであっちも満開になるのかな?
さて、24-240mmをカバーするフルサイズとしては世界初の10倍ズームの威力をここで試してみると。。。
はい、これくらいズームができます。ま、こうしてblogで写真を見ても実感はできないと思いますが、これだけのズームができるのはビデオカメラの世界ですよ。フルサイズセンサー搭載の"α"でこれだけのズームができるレンズは他にないですからね。
では、ここからは自分の世界に入って、"α7 II"+SEL24240で浜離宮の春を満喫させていただきます。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/500 焦点距離240mm
菜の花です。菜の花畑で撮っているので背景になる菜の花もそれほど距離はないんですが、フルサイズセンサーの威力ですよね。こんなにボケが大きくなります。望遠いっぱいの240mmを使うとズームレンズでもこんなに背景ぼかしを簡単に楽しめます。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
園内の桜はまだひとつも咲いていないモノの、今は梅が全盛期。桜ほど密集して咲かないので量感があまり出せませんが、それでも望遠レンズを使ってクローズアップして背景に気をつければ、華やかな雰囲気が出せます。
撮って帰って4Kブラビアで観てみましたが、なかなかシャープな写りです。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
こちらはクリエイティブスタイルとホワイトバランスを駆使して桜っぽく見せてみた写真。桜と梅の区別ですが、桜は枝からひょいとツルが伸びて花を咲かせるのに対して、梅は枝にくっついて花を咲かせます。また木の幹を見ると横方向に線が入っているのが桜、と教わりました。
なので、ここで咲いているのは皆、梅のはずなんですが、中にやたらとたくさん花をつけている木があって、それは「桃の花では?」と教わって来ました。梅と桃の違いをまた見つけなくては。
さて「口径食」ですがこれだけの高倍率ズームレンズなのでそれなりに出ます、という話は聞いていたのでそれを試してみます。木々の間からわずかに空が見えるとこを背景にして手前の梅の花を撮ってみます。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
絞り開放のF6.3で撮ったモノが↑こちら。丸ボケがたくさん出来ていますが全部がまん丸ではなくて、隅の方に行くと楕円形というか半円形に見えるところもあります。これは斜めに入った光などが遮られてしまって起こる現象。仕組みは私も理解していないんですが、こういう時は絞りの数値をやや大きくすると改善すると言われています。
"α7 II"+SEL24240 F8.0 1/250 焦点距離240mm
こちらはF8.0で撮影した写真です。先ほどよりも楕円の丸が少なくなって気にならなくなってきました。ただ、丸いボケの大きさもやや小さくなった感じ。
"α7 II"+SEL24240 F11.0 1/250 焦点距離240mm
こちらはF11.0に絞った写真です。これだと口径食はもう見られません。ただし丸いボケの大きさはだいぶ小さくなってしまいました。これはトレードオフになっていて絞れば絞るほどフォーカスが合っている範囲が広くなっていくので背景にピントが合って見えてくるからなんです。
口径食が出るからダメなレンズということではなく、こういうレンズの特性を知って、それが出ないようにして撮るのがテクニック。今回はわざわざ、こういう差が出やすいところを探して撮ってきているんです。
ちなみにSEL70200Gだとどうなるかというと。。。
"α7 II"+SEL70200G F4.0 1/250 焦点距離200mm
SEL70200Gでも若干出てますね。ただ、これはF4.0で撮影しているのでF5.6くらいにしてあげればほとんど気にならなくなります。
あと丸ボケの輪郭も柔らかい感じになっています。さすが望遠レンズ専用のズームレンズなのとブランドレンズ「Gレンズ」の威力です。
ただ、被写体の梅の花がちょっと小さくなりました。望遠側の最短撮影距離に実は大きな差があり、SEL24240は最短0.8mまで寄れるんです。SEL70200GはAFで最短1.5m、MFなら最短1.35mとなり、やや離れて撮影をしないといけなくなるんです。こういうテレマクロ的な使い方をするならSEL24240って意外と使いやすかったりします。
さらにそういうボケを究極の柔らかさにするのなら。。。
"α7 II"+LA-EA3+SAL135F28 F4.5 1/160 焦点距離135mm
AマウントのレンズになりますがSTFレンズ「SAL135F28」というレンズの仕組みで綺麗にぼかしてしまうレンズを使う手があります。レンズの中にわざとボケを作るレンズを入れているレンズで点光源だろうかなんだろうが、とにかく絵の具で描いたみたいにぼかしてしまうのがこのレンズの特徴です。
"α7 II"+LA-EA3+SAL135F28 F4.5 1/160 焦点距離135mm
背景を気にせずに被写体にだけ気をつければ良いレンズなので「まずは被写体に最大限の注意を払って撮影できるようになりたい!」というときに便利かも。
背景のぼかし方ばかり気にしてしまって、肝心の主人公に注意を払えなくなっている私みたいなモノには一度、これだけで撮影をして特訓をしたほうが良いのかなぁ。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
↑こちらもSEL24240の絞り開放F6.3で撮影したもの。被写体がやや遠くになっているのでボケ方もやや小さくなっています。
"α7 II"+SEL24240 F8.0 1/250 焦点距離240mm
↑こちらはF8.0にやや絞ったところです。F9.0にするとさらに口径食は気にならなくなるんですが、ボケもここから小さくなっていってしまいます。
"α7 II"+SEL24240 F11.0 1/250 焦点距離240mm
↑F11にした写真。ね、ちょっと背景がうるさくなっちゃいますね。
せっかく0.8mまで寄れるSEL24240なのでグッと寄って、それで絞りをF8.0くらいで撮ってあげるのが必勝法かな?
続いてはズームレンズ「SEL2470Z」との比較もしてみます。
"α7 II"+SEL2470Z F4.0 1/500 焦点距離24mm
こちらは広角側の24mmで撮った「SEL2470Z」の写真です。手前の梅の花にフォーカスを最短撮影距離で合わせました。0.4mまで寄れます。
"α7 II"+SEL24240 F3.5 1/500 焦点距離24mm
こちらはSEL24240で広角24mmの最短撮影距離で撮影したものになりますが、このレンズはワイド端では0.5mが最短撮影距離になります。
SEL2470Zほどは寄れないんです。たった10cmの違いなんですが近いモノの10cmは差がでますね。25%も最短撮影距離が増えるということになるとワイドマクロ的な撮影でさが付いてしまうかなぁ。
"α7 II"+SEL2470Z F4.0 1/1000 焦点距離24mm
こちらは浜離宮庭園の全景をSEL2470Zで撮影したもの。絞りはF4.0で撮っています。右隅にある茶屋を拡大して見ると。。。(ピクセル等倍で切り出しました)
これがカールツァイスレンズ「SEL2470Z」の写りです。
"α7 II"+SEL24240 F4.0 1/1000 焦点距離24mm
同じ場所からSEL24240を使ってF4.0で条件を合わせて撮影したものがこちら。同じところを拡大して見ると。。。(こちらもピクセル等倍のものに差し替えました。)
これくらいの差は出てくるようです。真ん中の部分はほぼ差はないのですが高倍率のズームレンズということで無理をしている部分がこういうところで画質の差として出てきます。
まぁ、こんな感じなので「SEL2470Z」と寄り守備範囲の広い「SEL24240」の2本を持っておく、という使い方もありかもしれません。
※なお、SEL24240対応のためにα7/α7R/α7S/α7IIのボディ側のファームウェアアップデートの予定があります。こちらのアップデートをすることによりSEL24240の画質はより高画質なものになると思います。ご了承ください。
☆ソニー製品情報「デジタル一眼カメラ本体ならびにレンズに関する本体ソフトウェアアップデートのお知らせ」
あとは今日撮ってきた写真をいくつか。。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
前ボケ、後ろボケを入れて、たくさんの色を入れてみました。"α7II"で使うと240mmの望遠ズーム時にも拡大フォーカスのブレを防いでくれるので撮影が楽しー!
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/320 焦点距離240mm
あれ? チューしちゃったかな!? 仲よさそうなお二人を菜の花が包んでくれていました。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/250 焦点距離240mm
こちらは今日初めて見つけた「アセビ」という花です。4月上旬まで咲いているそうです。
"α7 II"+SEL24240 F9.0 1/250 焦点距離240mm
こうして寄って撮るときもSEL70200Gより寄れます。約50cmも被写体に近づけると背景のボケもその分大きく出来るので、こういう花の撮影には有利かも。
"α7 II"+SEL24240 F6.3 1/320 焦点距離240mm
いつも幸せそうな新婚さんが見られる浜離宮庭園。今日も幸せそうな笑顔で癒やされてきました。
"α7 II"+SEL24240 F3.5 1/2000 焦点距離24mm
以上、今週の浜離宮レポートでした。桜の開花まで、菜の花畑と梅がまだまだ楽しませてくれます。
以上、つたないレポートでしたがSEL24240の紹介でした。ちなみに昨日、今日はお店に駆け込みで「SEL24240」を購入しに来られるお客様ばっかりです。
明日、13日までで切れてしまうクーポンがあるとかで、それでどうしよう、という決断をされに来られている様ですが、ご覧の通り使いやすいレンズです。今時のレンズで変なクセがあるものというのもないですし、これからの桜のシーズンにあると便利ですよ。
特に望遠240mmというのは威力発揮しますね。レンズ内に手振れ補正が入っていますので"α7 II"だけではなく、"α7"シリーズでもなんでも2軸手振れ補正は利用できますから♪
クーポンの利用ができる明日までの決断を是非!
★ソニーストア ズームレンズ「SEL24240」のご案内はこちらから
★ソニーストア αフォトライフサポート加入者様はこちらから
※ 17,000円で入会して12,000円のクーポンがもらえて、αレンズが5%オフになる会員サービスです。実質5,000円の会費で3年間レンズが5% オフ。100,000円のレンズを買えば元が取れますので、今回のSEL24240を1本買うだけで元が取れます。レンズ購入前に入会した方が絶対にお得。
☆当店blog 15.3.7「ソニーストアUKにて新型FEレンズの価格が発表」
☆当店blog 15.3.5「ズームレンズ『SEL24240』展示レポート」
☆当店blog 15.3.4「待望の『SEL24240』発表&先行予約販売開始!」
☆当店blog 15.2.13「『CP+ 2015』ソニーブースレポート」
※参考展示された新型FEレンズを一挙に紹介しています
☆当店blog 15.1.6「『Sony CES 2015』プレカンファレンスのまとめ」
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