EU圏では電子書籍が紙の本より高くなるかも
価格逆転。
EUでは電子書籍を「書籍」としては扱わず「電子サービス」として扱う、という判決をEU司法裁判所が下しました。これが意味するところは、電子書籍は場合によって紙の本の5倍近い税金を払わなければいけなくなるということなんです。
ヨーロッパでは、日本の消費税と同じように付加価値税(VAT)がかかるのですが、この税率が商品ごとに大きく異なります。国によっても税率が異なるので一概には言えませんが、例えばフランスでは紙の本が5%に対して電子書籍は20%。ルクセンブルクにいたっては、紙の本が3.5%に対して電子書籍が17%となる可能性が。約5倍も税金をとられてしまうんです。
税金が高いと電子書籍が売れなくて困る! ということでアマゾンやアップルなどEU圏外に拠点を持つ会社は、税率の低いルクセンブルク経由で今まで販売をしていました。しかし今年の初旬、ユーザーの居住国の税率を適用しなければならないということになり、その抜け道も塞がれてしまいました。
そうすると、同じ本でも電子版のほうが総額では高くなってしまうという事態も今後起こってくるでしょう。だからといって著者に価格を下げてもらうのも著者の利益が減るだけなので簡単ではありませんよね。
数パーセントならまだしも、10%以上も違ってくると、電子書籍の発売元にとってEU圏での販売は厳しい戦いになりそうです。
image by flickr CC
source: The Verge
(小山和之)
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