年収が260万円しかないから結婚できないんだと君は嘆いている。
でもね。僕はいつも思うことがあるんだ。
例えば、君の年収が260万円だと結婚したくないけれど、もし仮に600万円になったら結婚したい。そんなふうに考える人間と本当に生涯を共にしたいのか、と。
そんなくだらない人間のために君の貴重な人生を消費させられたいのか、と。
これは何も年収に限ったことじゃないんだ。
容姿、肩書、生まれ・・・。
そうした理由で離れていく人間ってのは自分から「私は嫌な人間です」って言ってくれてるようなものなんだ。
そんな連中から君は好かれたいのかな。
年収を理由に結婚したくないって言う人間も同じだよ。なんら「君自身」のことなんて見てやしないんだ。
逆に言えば、「年収が低い」、「肩書が無い」「容姿が悪い」・・・そんなネガティブな要素を持ちながらも、それでも君に近づいてくれる人ってのは君の人間性を見てくれてるって証拠だ。
君のことを経済力でしか測ろうとしない人間に好かれないことを嘆くよりも、そういう人たちを大切にすることだけを考えるべきだと、僕は思うよ。
さて。
精神論ばかり並べても仕方ないから、年収260万円の君が結婚を実現させるために、もう少し現実的な話をするね。
婚活をする場合、まずやりがちなのが、結婚相談所や結婚情報サービス会社を利用することだと思う。
実はこれ、結婚したいけど年収が低い人間がとるアプローチとしては最悪なんだ。
結婚情報サービス会社では、多数の候補者を条件で絞り込み、顔合わせをする相手を選ぶんだけど、結婚相手を探す検索画面には、「希望の年齢」「希望の年収」「希望の学歴」などといった希望条件を入力するようになっている。
例えば、自分が短大以上を卒業している女性の場合、こういった画面で「高卒でも可」と入力することはほとんどない。年収に関しても「とりあえず500万以上にしておこう」と、軽く考えてチェックする女性はたくさんいるだろうね。
しかし、自然な出会いから結婚に至る場合、そこまで厳密に年収を気にする女性はあまりいない。年収200万円と1000万円の男性が目の前にいたら、その理由で後者を選ぶ女性はたくさんいるかもしれないけれど、年収260万円と300万円の男性がいたとき、その差が決定的だと感じる女性はあまりいないんだ。
にも関わらず、検索画面に「300万円以上」とあれば、それを選んでしまうことは十分にありえる。そしてこういったシステムにおいては、260万円と300万円の差は、その男性に会うか会わないかという判断を変えてしまう差になってしまう。
学歴についても同じで、システム上で選ぶなら大卒以上という条件を選ぶけれど、話していて尊敬できる人だと感じられれば、学歴は気にしないという女性はいくらでもいる。
したがって、年収260万円の君に向いている婚活の方法は、友達の結婚式の二次会や同窓会、街コンなどに積極的に参加することだ。引っ込み思案でそんなことはできないと言うのなら、既婚の先輩や上司、親戚に頼んで誰か紹介してもらうほうが、婚活マッチングサイトを使うよりよっぽど現実的だよ。
そもそも婚活サイトを利用するような女性は全体に比べて、「条件」を気にする人が圧倒的に多いんだ。そんなところに年収260万円の君が飛び込んでいくのは、最初から負けるとわかっているゲームを選んで勝負するようなものだよ。
疲れたので、「結婚相手をどう選ぶか」についての質問を求められたときの村上春樹の回答を書いて締めくくることにするよ。
僕のささやかなアドバイスは「その人の前に出ると、思わず顔がほころんでしまうような相手がいちばんだ」というものです。条件なんて関係ないです。
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