『プリパラ』36話視聴。ファルルの正体がそうなった段階で、こういう悲劇的展開を迎えることは誰がどう見ても明らかだ。コーラを飲んだらゲップが出るぐらいに当たり前の帰結で、驚かせるところは何一つなかったと言ってもいい。しかしそれでも俺が「ファルルー!」と声を上げてしまうほどに、この悲劇的展開に衝撃を受けているのはなぜかというと、それはもうファルルが「全力をやり通して敗れた結果に満足し、友達が勝利したことに喜びを感じ、相手を称えてトモチケを交換しようと言える」、そういう存在に成長していく過程と「成長した姿」を存分に見せてくれたからだ。
「全てのアイドル達のメイキングドラマをコピーすれば勝てる」というユニコンの考えは多分正しいのだが、ファルルはあえてそういうことをせずに自分にできる最高のライブをすることを選ぶ。ファルルがユニコンの作戦ではなく自分の全力を選んだ姿はまさしく親からの自立そのものだ。この36話には「ファルルはらぁら達との交流の中で心を育み、ついに自立するほどの存在になった」という描写が詰まりまくっている。もう「トモチケを交換しよう」と言うファルルは、友達を理解できるほどの自我を宿した存在なのだ。そんな描写があるから、ファルルに振りかかる悲劇は悲劇以外の何物でもない。「悲しい」ではなく「分かっていたけど、まさか本当にこんなことになるなんて」である。
「友達だからトモチケを交換しようとした」。ただそれだけで、らぁらもファルルも誰も彼も悪くないのに。
あらゆる意味でパーフェクトだが、あと二話も残されている。らぁらがファルルを救える事を切に願わざるをえない。
またこの回のライブパートはソラミドレッシングの新曲もファルルのライブも素晴らしかった。
前者はそれぞれの友達観が反映された歌詞もさることながら、決めポーズを反映した振付、メイキングドラマの「皆で作曲している姿」に「この六人で挑んでいる」という事がよく分かるライブパートになっていたし、後者は二番の歌詞を採用することで「神の手から離れて、自分の体一つで向き合う」という今のファルルに相応しい歌になっていた。メイキングドラマでは敗因となった「咲ききらなかった」ということがちゃんと反映されていた辺りも素晴らしい。本当にどちらも素晴らしいの一言に尽きるのだが、「あえて勝敗を付けるとしたらまあソラミドレッシングだよな」と感じさせる辺りにはタツノコプロのCGチームの凄さが見える。あそこは本当に日本でも指折りの技術力を持つスタジオになったなぁ。
来期から羽の意匠が増えるのでちょっと大変そう。
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この数年、「アイドル」を題材とする作品がアニメシーンで話題になることが多い。
今放送中のタイトルだけでも『プリパラ』『アイカツ!』『少年ハリウッド』『アイドルマスターシンデレラガールズ』の四本があり、来期からは『うたの☆プリンスさまっ♪』と『プリパラ』の新シリーズが放送を開始。7月からはアイドルオタク目線で描かれたアイドルアニメである『ミリオンドール』の放送が決定している他、劇場版アニメに目を向ければ三月七日には『劇場版プリパラ』が公開され、『プリパラ』ファンのみならず『プリティーリズム』ファンの注目を集めている他、『ラブライブ!』初の劇場版アニメとなる『ラブライブ!The School Idol Movie』が六月十三日から公開されることがライブで発表されている。また「TVシリーズと映画を同時に公開」という挑戦的な試みを行った『Wake Up,Girls!』はその続編となるタイトルが完全新作の劇場版アニメとなることが発表されており、アニメシーンにおける「アイドル」はまだまだ輝き続けている。
もはや「国民的アイドルアニメ」と言い切ってもいいほどの作品となった『アイカツ!』だが、四月から大空あかり達のアイドル活動に新キャラクターが二人参加することが明らかになった。大空あかり達の後輩として『アイカツ!』に参加する二人のアイドルは天羽まどかと黒澤凛。天羽まどかは星宮いちごが愛用するファッションブランド、エンジェリーシュガーのトップデザイナーである天羽あすかの孫娘であり、好きなブランドもエンジェリーシュガーというシリーズが三年目を迎え、「世代」が裏テーマとなりつつある今だからこそ出せる設定を持ったアイドルだ。一方の黒沢凛はマスカレードや神崎美月、ソレイユにもコーチをした経験を持ち、大空あかり達の担任教師でもあるジョニー・別府を尊敬しているという設定のアイドルで、『アイカツ!』の中でも少し珍しい形で輝きを継承した存在となっており、三年目の後半戦を大いに盛り上げてくれそうだ。
さて、今回『アイカツ!』に加わった黒沢凛だが、彼女の情報が公開された時に「『ラブライブ!』の星空凛、『アイドルマスターシンデレラガールズ』の渋谷凛と来て、今回は『アイカツ!』に黒沢凛だけど、じゃあこの三つの作品で名前がかぶっているキャラクターはどのぐらいいるのか」と友人に聞かれたことがある。
なるほど。確かにアイドルアニメがこれだけ多く放送されている中で、名前が被ったのは「凛」だけというのはありえない。ましてや昨今のアイドルアニメは「アイドルユニット」を題材としている作品が殆どなのだから、凛の他にも被っている作品があってもおかしくはないはずだ。
そういうわけで友人に主に見せるために『ラブライブ!』『アイカツ!』『プリティーリズム』『プリパラ』『アイドルマスター』『Wake Up,Girls!』『普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。』に、ソシャゲの『Tokyo 7th シスターズ』を加えてアイドルアニメで名前が被っているキャラをリスト化してみた。
当たり前なのだが、無断転載と二次配布は禁止でお願いします。あと適当に追加してほしいタイトルがあるなら適当にコメントに書いておいてください。気が向いたら追加します。
このリストから言える事としては「『アイカツ!』と『ラブライブ!』と『アイマス』で被っている名前はリンだけじゃなくて、ツバサやサクラ、セイラも被っている」「アイマスはランやユリカなど、あってもよさそうな名前が意外と入ってない」「プリパラやプリリズは殆ど被ってない」「アイマスは全作品で「ナオ」と言う名前のキャラがいることから見ても、スタッフは「ナオ」という音が好きすぎるんじゃないか」などがあるが、個人的に一番熱かったのは「「ナナミ」が予想以上に多かった」というところだ。ピンクアクトレスのななみちゃんとWUGの久海菜々美は知っていたけど、『アイカツ!』にクラスメートとはいえ、いるとはなぁ。
逆に予想以上にいなかったのは「リナ」。『プリパラ』の大神田グロリア校長の掃除機兼パートナーとしてアイドルデビューを果たしているリナちゃんの存在を思いついて調べてみたけど、『シンデレラガールズ』の藤本里奈ぐらいしかいなくて驚いた。もうちょっといると思ってたのに。
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