シリア難民:初認定 東京入管、一昨年来日の3人
毎日新聞 2015年03月13日 15時00分
シリアで内戦が激化し大量の難民が発生している問題で、2013年に来日したシリア人3人が難民として認定されたことが分かった。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、390万人以上のシリア難民が周辺国などに逃れているが、日本でシリア人が難民と認められたのは初めて。全国難民弁護団連絡会議の渡辺彰悟弁護士は「シリア問題で日本が難民認定を進めていく第一歩がようやく踏み出された」と話した。
関係者によると、3人は12日に法務省の東京入国管理局の担当者から難民として認めるとの結果の告知を受けた。決定は昨年12月。
日本では昨年11月末時点でシリア人60人が難民認定を求め申請した。このうち45人が人道配慮で在留を認められたが一人も難民として認められず、入管の対応について難民支援団体などから「国際水準に比べて審査が厳しすぎる」と批判の声が上がっていた。
日本の難民行政を巡っては、不認定となったシリア人4人が近く法相の処分の無効確認を求め東京地裁に提訴する。渡辺弁護士は「今回の認定をきっかけに、日本に逃れてきたシリア人が難民としてより強く保護されるようにしてほしい」と期待した。【吉富裕倫】