JR中央本線・高蔵寺駅から北に2km。藤山台団地の向い側に,ココストア藤山台店がある。店の入口に立っている広告塔に「日本のコンビニエンスストア発祥の地」という看板がでていて,壁面には由来の書かれた説明板が掲げられている。
藤山台団地は,名古屋のベッドタウンとして開発された“高蔵寺ニュータウン”の一角をなす住宅団地で,1968年に入居が開始された。大阪の“千里ニュータウン”に次いで全国二番目に開発されたニュータウンである。
この入居開始から3年後の1971(昭和46)年に,団地居住者を顧客対象としてオープンしたココストアは,「日本のコンビニエンスストア第1号店」と自称している。
「コンビニエンスストア」と普通の小売店との区別については 境界があいまいだが,経産省の商業統計による“業態分類”の定義によると,
飲食料品を扱う
売り場面積 30〜250平米
営業時間が1日で14時間以上
セルフサービス販売店
となっている。この定義ができたのは ずっと後のことであり,したがってコンビニの発祥については 業界で統一された定説はなく,いくつかの説があるようだ。ココストアがこの条件にどこまで合致していたかは不明だが「セルフサービスで 長時間営業の,便利さを提供した小売店としては国内初」としている。
コンビニ最大手のセブンイレブンの一号店開店が1974(昭和49)年だったので,ココストアは非常に早い時期の開店であったことは確かのようである。