兵庫県立リハビリテーション中央病院（神戸市西区）は、本人の意思で指を動かせる子供用の「筋電義手」を１歳と５歳の女児に無償で貸し出すことを決め、１２日に県庁で貸与式があった。子供用筋電義手を貸し出すために昨年６月開設したバンクの初活用。医療機関を通じて申し込んだ奈良県生駒市の竹田歩叶（ほのか）ちゃん（５）と兵庫県内の女児（１）への貸与が決まった。

　貸与式には、歩叶ちゃんが両親と出席して装着。指が動く様子を不思議そうに眺め、「うれしい。ビーズや鉄棒をやりたい」と笑顔を見せた。生まれた時から左手がなく、母の緑さん（４０）は「うんていや縄跳びをする姿を想像するとわくわくする」と話した。

　筋電義手は１台約１５０万円と高価。使いこなせるようになれば、国などの補助があり、３万７２００円以内の自己負担で購入できるが、訓練期間中の補助はない。子供用を扱う医療機関も少なく、同病院がバンクを作って普及を促している。【久野洋】