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辺野古でボーリング調査再開
3月12日 18時13分

辺野古でボーリング調査再開
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アメリカ軍普天間基地の移設先とされている沖縄県の名護市辺野古沿岸部で、沖縄防衛局は去年9月から中断していたボーリング調査を12日、再開しました。
現地では反対する住民や市民グループなどが調査の中止を求めて抗議の声を上げました。
アメリカ軍普天間基地の移設先とされている名護市の辺野古沿岸部では去年8月に埋め立て工事の前提となる海底のボーリング調査が始まりましたが、およそ1か月後の9月から中断していました。
沖縄防衛局はことし1月から準備作業を進め、12日午前10時半ごろ海上に設置した足場から掘削用のパイプを海底に差し込み、ボーリング調査を再開しました。
また、浅瀬にあった別の足場1つが沖合の調査地点に移動しました。
海底のボーリング調査は岩盤の強度や地質の状態などを調べるもので、今回は去年の調査より水深の深い地点を対象に3つの足場を使って掘削します。
調査に対し、埋め立て予定地に隣接するアメリカ軍基地、キャンプシュワブの前では反対する住民や市民グループのメンバーなどが調査の中止を求めて集会を開き、辺野古沖の海上でも船を出して抗議しました。
また、移設計画に反対する沖縄県の翁長知事は前の知事による埋め立ての承認に法律的な問題がなかったかを検証する第三者委員会を設置し、沖縄防衛局に対して検証が終わるまで移設に向けた作業を中断するよう求めていて、県側の反発が強まることも予想されます。

市民グループが抗議集会

沖縄県名護市辺野古の埋め立て予定地に隣接するアメリカ軍基地、キャンプシュワブのゲート前では反対する住民や市民グループが抗議集会を開き、移設計画の中止を訴えました。
キャンプシュワブのゲート前では、12日朝早くから反対する住民や市民グループのメンバーが抗議集会を開き、昼前にはおよそ100人が集まりました。
参加者たちは、ゲートの前を行進しながら「調査をやめろ」などと声を上げ、移設計画の中止を訴えました。
また、参加者の一部が抗議の意思を示すためにゲートの前に座り込むと、警察官が数人がかりで抱え上げて移動させ、現場は一時、騒然となりました。
集会に参加した80歳の女性は「沖縄の美しい海を埋め立てることは反対です。県民の意思に反して工事を行おうとする国のやり方には怒りを覚えます」と話していました。
また、60代の女性は「沖縄にいま新しい基地をつくらせてしまっては、子や孫、さらに次の世代までずっと基地が残ってしまう。国は県民の声を受け止めて工事をやめてほしい」と話していました。
さらに、調査が再開された海上では、市民グループのメンバーなどが数隻のボートで、立ち入り禁止の区域に近づき激しく抗議しました。
これに対し、海上保安庁のゴムボート10隻以上が取り囲み、海上保安官が船に乗り込むなどして制止していました。

官房長官「粛々と進めたい」

菅官房長官は、午前の記者会見で、「アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設は、アメリカ軍の抑止力の維持や、飛行場の危険除去を考えたとき、唯一の解決策だ。1日も早い普天間基地の返還を実現することが重要だという認識の下、環境保全に万全を期しながら、粛々と進めていきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が「沖縄県の翁長知事は前の知事による埋め立ての承認に法律的な問題がなかったか検証する間、作業を中断するよう求めているが」と質問したのに対し、「わが国は法治国家なので、法に基づいて手続きを行っており、埋め立て許可は全く問題がないので粛々と進めていくことに全く変わりはない」と述べました。

翁長知事「許せない状況」

ボーリング調査の再開を受けて、沖縄県の翁長知事は12日午前、東京都内で記者団に対し「県民に対して説明のないなかで物事を進めようとしており、大変許せない状況だ」と述べ、沖縄防衛局の対応を厳しく批判しました。
そのうえで、「『あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地はつくらせない』という公約の実現に向けて、全力で取り組む」と述べました。

稲嶺市長「国は聞く耳を持たない」

沖縄県名護市の稲嶺市長は、12日午後、記者団に対し「沖縄県を代表する翁長知事が調査の中止を申し入れているのに、国がまったく聞く耳を持たないのはいったい何なのか」とボーリング調査を再開した国の対応を批判しました。
そのうえで、「翁長知事は第三者委員会の検証や沖縄県独自の調査を基に、県民の代表としての判断をしっかりと出してほしい」と述べました。          

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