ビヨンドトゥモロー2015年度 奨学金プログラム
~東北被災地から、共感力ある人材を~
ビヨンドトゥモローでは、高等学校を卒業し、新たに大学・短大・各種専修学校に進学する学生たちに奨学金の支給を行っています。全ての資金を民間からの寄付で調達し、全額返済不要の給付型奨学金を設立した背景には、困難な体験を乗り越え、社会に役立つ人間になるべく学びの場を希求する学生たちの存在は社会の財産であり、社会がその学びに投資すべきという理念がありました。
震災時に東北に居住し、高等学校卒業後の進学を志す学生であれば誰でも応募できる奨学金プログラムは、財政支援だけでなく、参加期間中に様々なリーダーシップ育成プログラムに参加する機会を提供し、全人教育の機会を前提としていることが特徴となっています。新規募集の選考倍率は10倍を超え、書類選考に加えて各界で活躍するエクスパートにより構成された選考委員会により人物重視の面接試験が行われ、奨学生の選抜が毎年行われています。合格者の学力、進路、バックグラウンドは多岐に渡り、それぞれの道で自分が人の役に立つ存在となる方法を模索しています。
選考委員(50音順)
- 大河原昭夫
- 公益財団法人日本国際交流センター 理事長(代表理事)
- 加治慶光
- アクセンチュア株式会社 チーフ・マーケティング・イノベ―ター
- 草原克豪
- 拓殖大学名誉教授
- 坪内南
- 一般財団法人教育支援グローバル基金 事務局長
- 永見世央
- ラクスル株式会社CFO
- 橋本大二郎
- 武蔵野大学特任教授、慶応義塾大学特別招聘教授、前高知県知事
2015年度奨学金プログラム参加者一覧(50音順)
阿部成子
神田外語大学外国語学部(宮城県佐沼高等学校卒業)
津波で父と祖母を亡くし、自宅も流失。絶望の中に暮らしていた時、ケニアの子供たちが、訪れたこともなくどこにあるかもわからない日本のために涙を流しながら唄う姿に希望を見出し、世界へ踏み出す勇気を得た。絶望の後には良いことしか起きないはずと信じて海外短期留学に挑戦し、不安でも行動すれば何かを得られることを体感する機会となった。大学では、国際人としての教養を身に着け、世界平和に貢献できる人材になり、亡くなった父と祖母にも見てもらえるような大きなことを成し遂げたい。
安倍有紀(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
日本大学法学部(日本大学東北高等学校卒業)
震災により、家族全員で避難した先で父を亡くす。ビヨンドトゥモローの活動に参加したばかりの頃は、自分に自信がなく、周囲が自分より意識が高くしっかりしているように思え、泣いたり反省したりするばかりだったが、2014年東北未来リーダーズサミットで初めて自らの被災体験を話し、「自分にもできる」と自信がついた。震災の恐ろしさ、家族を失った苦しみを、まだ心の中で悩んでいる人に知ってもらうことで、自分の経験を人々や社会に活かしていきたいと考えている。
遠藤 見倫(ビヨンドトゥモロー/松本大特別奨学生)
石巻専修大学 経営学部(宮城県石巻北高等学校卒業)
震災で父と家を亡くし絶望の淵におかれる思いをしながらも、震災のことを多くの人に知ってもらいたいと、写真部の部長として活動した経験を活かして、被災地における津波の爪痕を写真に残しメディアを通して発信したという経験を持つ。大学では、被災者の自立支援を専門に学んでいる。2013年よりビヨンドトゥモローのインターンとして各種プログラムの運営を補佐。将来は、これまでの経験を活かし、人を支え、人の役にたてる仕事につきたいと考えている。
遠藤真之(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東京大学教養学部(福島県立会津学鳳高等学校卒業)
ビヨンドトゥモローに参加し、同年代の仲間たちが、家族、友人、家、住み慣れた町など、様々なものを失いながらも力強く生きる姿に頭を殴られたような衝撃を受けた。震災で何も失わなかった自分に何の貢献ができるのだろうと自分の存在意義を必死に考え、被災していない自分だからこそできるサポート役を務めていきたいと考えるようになった。安全なエネルギーシステムの開発を行うという将来の夢に向かって、グローバルな環境で自己の成長を目指し、ビヨンドトゥモローの活動に参加している。
太田古都(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
津田塾大学学芸学部進学予定(岩手県立不来方高等学校卒業)
震災を通して、当たり前のことが当たり前にできることの素晴らしさに気づくことができた。震災体験を通して芽生えた、支援される側のニーズに寄り添った支援活動をしたいという想いは、高校生活を通して更に強くなった。自分自身の辛い体験から目を背けることなく自分と向き合い、多くの人々のために働きたいと考え、将来は女性の人権活動に携わり、世界規模での男女参画のために尽力したいと考えている。
上澤 知洋(ビヨンドトゥモロー/住友化学特別奨学生)
東北大学 農学部(岩手県立盛岡第一高等学校卒業)
「農業」をキーワードに日本国内のみならず、世界における貧困問題を解決できるような支援のあり方を模索していきたいと、農学部へ進学を決意。地域を大切にする農村開発を目指し、東北のために自分にしかできないことをやりたいと考えている。大学の休暇期間中には海外短期留学にも積極的に参加し、語学力だけでなく、幅広い視野を身に着けている。
菊池 翔太(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北学院大学 法学部(岩手県立大船渡高等学校卒業)
震災直後、大船渡の人々が立ち止まることなく復興のために動き出そうとしている姿を見て、大船渡の強さを実感する。被災という経験を忘れずに、積極的に様々な活動へ参加したいと、ビヨンドトゥモローの活動では、米国を訪問したり、グローバル・リーダーシップ・アカデミーで高校生をサポートする役割を経験。将来は、「人のためになる仕事がしたい」と地方公務員として、地域に根ざした仕事をできるようになりたいと考えている。
菊地 将大(ビヨンドトゥモロー/Project HOPE特別奨学生)
筑波大学 社会・国際学群(岩手県立高田高等学校卒業)
陸前高田市で被災し、両親を亡くす。高校時代は生徒会長として活躍、震災後には、第14代高校生平和大使としてスイスの国連欧州本部を訪問した。将来の夢は、地方自治に携わり、被災地の復興を先導する立場になること。2014年1月に迎えた陸前高田市での成人式では実行委員長を務めた。被災者である自分たちが、被災者であるという立場を特別視することなく、しかし被災者ならではの視点を持ち続けられるような活動を心がけている。
北田亜央衣(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
帝京大学医療技術学部(岩手県立釜石高等学校卒業)
津波で祖父を亡くし、自宅は全壊したが、東日本大震災を経験した自分だからこそできる看護を国内外で提供したいという夢が芽生えた。将来、看護師という立場で東北復興に携わると共に、今後、国内外で災害が発生した際には、災害看護の先頭に立ち、被災者に共感し最善のケアをできる看護師になりたいと考えている。そして、看護師を目指す中で学んだ「命の質」を守ることの大切さを、ビヨンドトゥモローの仲間とも共有していきたい。
小岩真純
福島大学現代教養コース進学予定(岩手県立杜陵高等学校卒業)
震災後、経済的に厳しい家庭の状況に不安を感じる中、母の祖国であるフィリピンを訪問。車の間を細い脚で商売をする子供たちの姿を目の当たりにし、衝撃を受けると共に、悩んでいるばかりでは何も進まないと自分自身を奮い立たせることができた。帰国後、通信制高校に転学し、週1回の通学日以外は毎日アルバイトして大学進学費用を貯めた。将来は青年海外協力隊など国際協力活動に参加し、フィリピンで見たような子供たちが労働だけでなく教育という選択肢を得られるように活動したい。
古賀穂
早稲田大学スポーツ科学部進学予定(福島県立富岡高等学校卒業)
小学生の時から続けるバドミントンに取り組むために、九州に住む家族を離れ、単身で寮生活を送っていた福島県富岡町で被災。原発事故の影響で移転を余儀なくされながらも、猪苗代で学業とバドミントンを再開。震災の翌年、全日本中学校大会で快挙を成し遂げた時、多くの人が喜んでくれ、スポーツが人々を元気づけることを知った。将来はオリンピックで優勝し、被災地から元気と勇気を発信したい。そしてスポーツ界を代表し、スポーツの発展や普及に貢献できる存在になりたいと考えている。
西城 国琳(ビヨンドトゥモロー奨学生)
拓殖大学 国際学部(宮城県気仙沼高等学校卒業)
津波で南三陸町の家を失う。震災を通じて、「教育」「情報」の大切さを知り、アフリカの貧困地域で教育を普及させ、多くの子どもたちが夢を実現できる社会作りをしたいと考えている。ビヨンドトゥモローの活動では、タイ、フィリピン、インドネシアなど、アジア各国を訪問。東北被災地出身の代表として、アジアにおける防災の枠組み作りにも積極的に参画している。映画「うたごころ」にも主演し、映画を通して東日本大震災について伝え続けている。
佐久間楓(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北芸術工科大学芸術学部 (石巻市立女子高等学校卒業)
津波で最愛の母を亡くす。震災後、自らの被災体験は話してはいけないものだと思っていたが、ビヨンドトゥモローの活動で自らの被災体験をスピーチするという経験を通し、自分にも何かできるかもしれないという想いが心に宿った。現在、被災地出身の仲間と共に、東日本大震災の体験を語り継ぐという活動を行っている。将来は、映画やアニメ、広告など身近なアートを通して、震災の感情を後世に伝えていきたい。
佐々木瞳(ビヨンドトゥモロー奨学生)
カリフォルニア大学サンディエゴ校(宮城県気仙沼高等学校卒業)
気仙沼で被災し、家を失う。同じ人間でありながら、生まれた場所によって人生が大きく変わってしまうという地球上の不公平に衝撃を受けた中学時代の経験から、途上国の支援など、世界のために働くことが夢。震災の翌年に渡米し、コミュニティカレッジを経て、2014年からカリフォルニア大学サンディエゴ校に編入。国際関係論を学び、人身売買や貧困、飢餓といった地球規模課題の解決に貢献したいと考えている。
佐藤迅(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
東京法律専門学校仙台校法律ビジネス学科(宮城県農業高等学校卒業)
津波で母を亡くし、自宅も流失。その悲しさ、悔しさから、震災後、自暴自棄になった時期もあったが、ビヨンドトゥモローの活動に参加し、初めて被災体験を話したのをきっかけに、「自分にも何かできるんじゃないか」と思えるようになった。先輩たちが復興や故郷の事を話しているのを聞き、地域行政に関わりたいと考えるようになり、就職ではなく進学を決意。将来は、地域行政に関わると共に、地域の子供たちが夢に向かって努力できる環境を作る仕事をしたいと考えている。
佐藤慎(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
岩手医科大学医学部 (岩手県立大船渡高等学校卒業)
故郷陸前高田市で被災。たった1日で、家、故郷の街並み、昨日までいつも通りに話していた親友を失うという経験をした。絶対に失いたくないものを失ったが、震災は、自分に多くの出会いを与えてくれたと感じている。将来は、震災で崩壊した故郷の医療を支えるべく、地域医療に携わる医師になることを決意。ビヨンドトゥモローの活動を通して出会う、様々な領域で活躍するリーダーや仲間からの学びを、将来、行政や企業、住民など幅広いアクターを巻き込んだ地域医療を考える上での財産としたい。
佐藤そのみ
日本大学芸術学部進学予定(宮城県石巻高等学校卒業)
宮城県石巻市大川地区で被災、小学生だった妹を亡くす。震災後、事実を中々受け入れることができず、自分自身の中に閉じこもりがちだった日々、心の支えになったのは、全国から集まってくれた多くのボランティアの存在と、子供の頃から好きだった創作・表現活動だった。震災から3年以上が経ち、妹たちの死を無駄にしてはいけないと、大川小学校を震災遺構として遺すための活動をしている。将来は、大川で映画を撮り、被災地の人間にしか表現できない作品を創ることが夢。
澤田万尋(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
早稲田大学基幹理工学部進学予定(宮城県仙台第二高等学校卒業)
震災直後に訪れた石巻の壊滅的な状況に衝撃を受ける。一日一日が尊いもので、自分は生かされていると感じ、ならば自分には何ができるのかと考えたことが将来を考える上での原点となった。高校在学中にビヨンドトゥモローの海外研修で欧州を訪問し、世界中から知力と技術を集結させ、開発に挑む航空業界に大きな魅力を感じた。将来は、機体開発に携わり、災害時に孤立した遠隔地域に支援を届けられるような無人機の開発など、航空業界においてイノベーションを起こしたいと考えている。
千葉 美乃里(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
千葉大学看護学部進学予定(岩手県立大船渡高校卒業)
震災により自宅が全壊し、避難所や親類宅で生活する日々が続いた。震災時、災害時派遣医療チームが避難所や病院で治療にあたる光景を見て、将来、看護師になり、救急医療や災害医療に携わることを決意。震災後、海外に行く機会を得て、途上国の医療の不足や感染症の流行などの問題に関心を持った。設備が整っていない地域でも、医療は平等に提供されるべきであり、自分がその役割を担いたいと、国際的にも活動できる看護師を目指している。
福田栞(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
岩手大学工学部進学予定(宮城県多賀城高等学校卒業)
東日本大震災の教訓となればと、震災時、車の上で救助を待った体験を話してきたが、救助された後、共に避難した祖母を置いてきてしまい、祖母を亡くしたことについて話せず、後悔する日々が2年以上続いた。ビヨンドトゥモローの活動に参加し体験共有の時間に初めてその被災体験を語ると、もっと辛い体験をした仲間たちが自分の話を受け止めてくれた。震災は自分に命や家族の大切さを教えてくれたと考えるようになり、将来は国土交通省で、災害に強いまちづくりに携わることを目指している。
福田順美 (三菱重工業特別奨学生)
宮城大学看護学部(岩手県立高田高等学校卒業)
陸前高田で被災し、家を失くす。震災後、進学を諦めかけたこともあったが、もっと日本を、世界を知りたいと進学を決意。卒業後は、看護師として災害医療に携わり、DMATの活動にも参加したいと考えている。将来は、生まれ故郷である陸前高田の街に戻り、地域の人々と共に高田の街を守っていきたい。挫折や悔しい経験を糧に、辛い気持ちを持っている人に寄り添うことのできる看護師を目指している。
藤井理子(ビヨンドトゥモロー/佐藤輝英特別奨学生)
早稲田大学政治経済学部(岩手県盛岡第一高等学校卒業)
震災により祖父を亡くし、思い出の土地や人とのつながりが奪われる経験をする。震災後、マレーシアに長期留学した経験から、震災から学んだことだけでなく、東南アジアで学んだことを、ビヨンドトゥモローの仲間と共有し、活動に貢献していきたいと考えている。将来、岩手県で県議会議員となり、弱い立場にある県民の声を反映させた政治を行うという夢にむかって、大学では地域活性を中心に、政治学を学んでいる。
藤田 真平(ビヨンドトゥモロー奨学生)
神奈川大学 法学部(神奈川県立岸根高等学校卒業)
宮城県気仙沼で被災し、家を失ったため、単身で神奈川県に避難。家族と離れて神奈川県で高校に通った。幼少時から続けてきた水泳に打ち込み、2014年は全日本選手権に出場し、神奈川大学水泳部主将を務める。東北を担うリーダーになれるように成長していきたいと考え、将来は、復興のために地元・気仙沼に帰り、若者の流出を食い止めることに寄与できるような会社を同じ志を持つ仲間と共に立ち上げることが夢。
白河榮(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北大学文学部 (福島県立会津学鳳高等学校卒業)
震災を経て、福島を愛する者として、自分に何ができるかを考えるようになった。将来の夢は、アフリカやアジアの、社会経済的に困難な状況に置かれた子供たちのために活動できる教師になること。韓国と日本の両国にルーツを持つ者として、リーダーシップ・想像力・表現力を磨き、社会に還元できる人になりたいと考えている。ビヨンドトゥモローの活動を通して、仲間と議論する内容だけでなく、人の「心」をまとめることを意識し、成長していきたいと考えている。
山崎成歩(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
聖心女子大学文学部進学予定(岩手県立盛岡第四高等学校卒業)
津波で祖父母を亡くす。その経験から、亡くなった人たちの人生の分まで悔いなく生き、生きているからこそできることをしなくてはならないと考え、様々なボランティア活動に取り組むようになり、岩手県の名所を外国人観光客に英語で案内する活動や、高校生を対象としたワールドカフェの開催に参加している。将来は、国際的な金融機関で働き、先進国だけでなく発展途上国に関連する仕事をしたいと思っている。
阿部成子
神田外語大学外国語学部(宮城県佐沼高等学校卒業)
津波で父と祖母を亡くし、自宅も流失。絶望の中に暮らしていた時、ケニアの子供たちが、訪れたこともなくどこにあるかもわからない日本のために涙を流しながら唄う姿に希望を見出し、世界へ踏み出す勇気を得た。絶望の後には良いことしか起きないはずと信じて海外短期留学に挑戦し、不安でも行動すれば何かを得られることを体感する機会となった。大学では、国際人としての教養を身に着け、世界平和に貢献できる人材になり、亡くなった父と祖母にも見てもらえるような大きなことを成し遂げたい。
安倍有紀(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
日本大学法学部(日本大学東北高等学校卒業)
震災により、家族全員で避難した先で父を亡くす。ビヨンドトゥモローの活動に参加したばかりの頃は、自分に自信がなく、周囲が自分より意識が高くしっかりしているように思え、泣いたり反省したりするばかりだったが、2014年東北未来リーダーズサミットで初めて自らの被災体験を話し、「自分にもできる」と自信がついた。震災の恐ろしさ、家族を失った苦しみを、まだ心の中で悩んでいる人に知ってもらうことで、自分の経験を人々や社会に活かしていきたいと考えている。
遠藤 見倫(ビヨンドトゥモロー/松本大特別奨学生)
石巻専修大学 経営学部(宮城県石巻北高等学校卒業)
震災で父と家を亡くし絶望の淵におかれる思いをしながらも、震災のことを多くの人に知ってもらいたいと、写真部の部長として活動した経験を活かして、被災地における津波の爪痕を写真に残しメディアを通して発信したという経験を持つ。大学では、被災者の自立支援を専門に学んでいる。2013年よりビヨンドトゥモローのインターンとして各種プログラムの運営を補佐。将来は、これまでの経験を活かし、人を支え、人の役にたてる仕事につきたいと考えている。
遠藤真之(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東京大学教養学部(福島県立会津学鳳高等学校卒業)
ビヨンドトゥモローに参加し、同年代の仲間たちが、家族、友人、家、住み慣れた町など、様々なものを失いながらも力強く生きる姿に頭を殴られたような衝撃を受けた。震災で何も失わなかった自分に何の貢献ができるのだろうと自分の存在意義を必死に考え、被災していない自分だからこそできるサポート役を務めていきたいと考えるようになった。安全なエネルギーシステムの開発を行うという将来の夢に向かって、グローバルな環境で自己の成長を目指し、ビヨンドトゥモローの活動に参加している。
太田古都(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
津田塾大学学芸学部進学予定(岩手県立不来方高等学校卒業)
震災を通して、当たり前のことが当たり前にできることの素晴らしさに気づくことができた。震災体験を通して芽生えた、支援される側のニーズに寄り添った支援活動をしたいという想いは、高校生活を通して更に強くなった。自分自身の辛い体験から目を背けることなく自分と向き合い、多くの人々のために働きたいと考え、将来は女性の人権活動に携わり、世界規模での男女参画のために尽力したいと考えている。
上澤 知洋(ビヨンドトゥモロー/住友化学特別奨学生)
東北大学 農学部(岩手県立盛岡第一高等学校卒業)
「農業」をキーワードに日本国内のみならず、世界における貧困問題を解決できるような支援のあり方を模索していきたいと、農学部へ進学を決意。地域を大切にする農村開発を目指し、東北のために自分にしかできないことをやりたいと考えている。大学の休暇期間中には海外短期留学にも積極的に参加し、語学力だけでなく、幅広い視野を身に着けている。
菊池 翔太(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北学院大学 法学部(岩手県立大船渡高等学校卒業)
震災直後、大船渡の人々が立ち止まることなく復興のために動き出そうとしている姿を見て、大船渡の強さを実感する。被災という経験を忘れずに、積極的に様々な活動へ参加したいと、ビヨンドトゥモローの活動では、米国を訪問したり、グローバル・リーダーシップ・アカデミーで高校生をサポートする役割を経験。将来は、「人のためになる仕事がしたい」と地方公務員として、地域に根ざした仕事をできるようになりたいと考えている。
菊地 将大(ビヨンドトゥモロー/Project HOPE特別奨学生)
筑波大学 社会・国際学群(岩手県立高田高等学校卒業)
陸前高田市で被災し、両親を亡くす。高校時代は生徒会長として活躍、震災後には、第14代高校生平和大使としてスイスの国連欧州本部を訪問した。将来の夢は、地方自治に携わり、被災地の復興を先導する立場になること。2014年1月に迎えた陸前高田市での成人式では実行委員長を務めた。被災者である自分たちが、被災者であるという立場を特別視することなく、しかし被災者ならではの視点を持ち続けられるような活動を心がけている。
北田亜央衣(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
帝京大学医療技術学部(岩手県立釜石高等学校卒業)
津波で祖父を亡くし、自宅は全壊したが、東日本大震災を経験した自分だからこそできる看護を国内外で提供したいという夢が芽生えた。将来、看護師という立場で東北復興に携わると共に、今後、国内外で災害が発生した際には、災害看護の先頭に立ち、被災者に共感し最善のケアをできる看護師になりたいと考えている。そして、看護師を目指す中で学んだ「命の質」を守ることの大切さを、ビヨンドトゥモローの仲間とも共有していきたい。
小岩真純
福島大学現代教養コース進学予定(岩手県立杜陵高等学校卒業)
震災後、経済的に厳しい家庭の状況に不安を感じる中、母の祖国であるフィリピンを訪問。車の間を細い脚で商売をする子供たちの姿を目の当たりにし、衝撃を受けると共に、悩んでいるばかりでは何も進まないと自分自身を奮い立たせることができた。帰国後、通信制高校に転学し、週1回の通学日以外は毎日アルバイトして大学進学費用を貯めた。将来は青年海外協力隊など国際協力活動に参加し、フィリピンで見たような子供たちが労働だけでなく教育という選択肢を得られるように活動したい。
古賀穂
早稲田大学スポーツ科学部進学予定(福島県立富岡高等学校卒業)
小学生の時から続けるバドミントンに取り組むために、九州に住む家族を離れ、単身で寮生活を送っていた福島県富岡町で被災。原発事故の影響で移転を余儀なくされながらも、猪苗代で学業とバドミントンを再開。震災の翌年、全日本中学校大会で快挙を成し遂げた時、多くの人が喜んでくれ、スポーツが人々を元気づけることを知った。将来はオリンピックで優勝し、被災地から元気と勇気を発信したい。そしてスポーツ界を代表し、スポーツの発展や普及に貢献できる存在になりたいと考えている。
西城 国琳(ビヨンドトゥモロー奨学生)
拓殖大学 国際学部(宮城県気仙沼高等学校卒業)
津波で南三陸町の家を失う。震災を通じて、「教育」「情報」の大切さを知り、アフリカの貧困地域で教育を普及させ、多くの子どもたちが夢を実現できる社会作りをしたいと考えている。ビヨンドトゥモローの活動では、タイ、フィリピン、インドネシアなど、アジア各国を訪問。東北被災地出身の代表として、アジアにおける防災の枠組み作りにも積極的に参画している。映画「うたごころ」にも主演し、映画を通して東日本大震災について伝え続けている。
佐久間楓(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北芸術工科大学芸術学部 (石巻市立女子高等学校卒業)
津波で最愛の母を亡くす。震災後、自らの被災体験は話してはいけないものだと思っていたが、ビヨンドトゥモローの活動で自らの被災体験をスピーチするという経験を通し、自分にも何かできるかもしれないという想いが心に宿った。現在、被災地出身の仲間と共に、東日本大震災の体験を語り継ぐという活動を行っている。将来は、映画やアニメ、広告など身近なアートを通して、震災の感情を後世に伝えていきたい。
佐々木瞳(ビヨンドトゥモロー奨学生)
カリフォルニア大学サンディエゴ校(宮城県気仙沼高等学校卒業)
気仙沼で被災し、家を失う。同じ人間でありながら、生まれた場所によって人生が大きく変わってしまうという地球上の不公平に衝撃を受けた中学時代の経験から、途上国の支援など、世界のために働くことが夢。震災の翌年に渡米し、コミュニティカレッジを経て、2014年からカリフォルニア大学サンディエゴ校に編入。国際関係論を学び、人身売買や貧困、飢餓といった地球規模課題の解決に貢献したいと考えている。
佐藤迅(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
東京法律専門学校仙台校法律ビジネス学科(宮城県農業高等学校卒業)
津波で母を亡くし、自宅も流失。その悲しさ、悔しさから、震災後、自暴自棄になった時期もあったが、ビヨンドトゥモローの活動に参加し、初めて被災体験を話したのをきっかけに、「自分にも何かできるんじゃないか」と思えるようになった。先輩たちが復興や故郷の事を話しているのを聞き、地域行政に関わりたいと考えるようになり、就職ではなく進学を決意。将来は、地域行政に関わると共に、地域の子供たちが夢に向かって努力できる環境を作る仕事をしたいと考えている。
佐藤慎(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
岩手医科大学医学部 (岩手県立大船渡高等学校卒業)
故郷陸前高田市で被災。たった1日で、家、故郷の街並み、昨日までいつも通りに話していた親友を失うという経験をした。絶対に失いたくないものを失ったが、震災は、自分に多くの出会いを与えてくれたと感じている。将来は、震災で崩壊した故郷の医療を支えるべく、地域医療に携わる医師になることを決意。ビヨンドトゥモローの活動を通して出会う、様々な領域で活躍するリーダーや仲間からの学びを、将来、行政や企業、住民など幅広いアクターを巻き込んだ地域医療を考える上での財産としたい。
佐藤そのみ
日本大学芸術学部進学予定(宮城県石巻高等学校卒業)
宮城県石巻市大川地区で被災、小学生だった妹を亡くす。震災後、事実を中々受け入れることができず、自分自身の中に閉じこもりがちだった日々、心の支えになったのは、全国から集まってくれた多くのボランティアの存在と、子供の頃から好きだった創作・表現活動だった。震災から3年以上が経ち、妹たちの死を無駄にしてはいけないと、大川小学校を震災遺構として遺すための活動をしている。将来は、大川で映画を撮り、被災地の人間にしか表現できない作品を創ることが夢。
澤田万尋(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
早稲田大学基幹理工学部進学予定(宮城県仙台第二高等学校卒業)
震災直後に訪れた石巻の壊滅的な状況に衝撃を受ける。一日一日が尊いもので、自分は生かされていると感じ、ならば自分には何ができるのかと考えたことが将来を考える上での原点となった。高校在学中にビヨンドトゥモローの海外研修で欧州を訪問し、世界中から知力と技術を集結させ、開発に挑む航空業界に大きな魅力を感じた。将来は、機体開発に携わり、災害時に孤立した遠隔地域に支援を届けられるような無人機の開発など、航空業界においてイノベーションを起こしたいと考えている。
千葉 美乃里(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
千葉大学看護学部進学予定(岩手県立大船渡高校卒業)
震災により自宅が全壊し、避難所や親類宅で生活する日々が続いた。震災時、災害時派遣医療チームが避難所や病院で治療にあたる光景を見て、将来、看護師になり、救急医療や災害医療に携わることを決意。震災後、海外に行く機会を得て、途上国の医療の不足や感染症の流行などの問題に関心を持った。設備が整っていない地域でも、医療は平等に提供されるべきであり、自分がその役割を担いたいと、国際的にも活動できる看護師を目指している。
福田栞(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
岩手大学工学部進学予定(宮城県多賀城高等学校卒業)
東日本大震災の教訓となればと、震災時、車の上で救助を待った体験を話してきたが、救助された後、共に避難した祖母を置いてきてしまい、祖母を亡くしたことについて話せず、後悔する日々が2年以上続いた。ビヨンドトゥモローの活動に参加し体験共有の時間に初めてその被災体験を語ると、もっと辛い体験をした仲間たちが自分の話を受け止めてくれた。震災は自分に命や家族の大切さを教えてくれたと考えるようになり、将来は国土交通省で、災害に強いまちづくりに携わることを目指している。
福田順美 (三菱重工業特別奨学生)
宮城大学看護学部(岩手県立高田高等学校卒業)
陸前高田で被災し、家を失くす。震災後、進学を諦めかけたこともあったが、もっと日本を、世界を知りたいと進学を決意。卒業後は、看護師として災害医療に携わり、DMATの活動にも参加したいと考えている。将来は、生まれ故郷である陸前高田の街に戻り、地域の人々と共に高田の街を守っていきたい。挫折や悔しい経験を糧に、辛い気持ちを持っている人に寄り添うことのできる看護師を目指している。
藤井理子(ビヨンドトゥモロー/佐藤輝英特別奨学生)
早稲田大学政治経済学部(岩手県盛岡第一高等学校卒業)
震災により祖父を亡くし、思い出の土地や人とのつながりが奪われる経験をする。震災後、マレーシアに長期留学した経験から、震災から学んだことだけでなく、東南アジアで学んだことを、ビヨンドトゥモローの仲間と共有し、活動に貢献していきたいと考えている。将来、岩手県で県議会議員となり、弱い立場にある県民の声を反映させた政治を行うという夢にむかって、大学では地域活性を中心に、政治学を学んでいる。
藤田 真平(ビヨンドトゥモロー奨学生)
神奈川大学 法学部(神奈川県立岸根高等学校卒業)
宮城県気仙沼で被災し、家を失ったため、単身で神奈川県に避難。家族と離れて神奈川県で高校に通った。幼少時から続けてきた水泳に打ち込み、2014年は全日本選手権に出場し、神奈川大学水泳部主将を務める。東北を担うリーダーになれるように成長していきたいと考え、将来は、復興のために地元・気仙沼に帰り、若者の流出を食い止めることに寄与できるような会社を同じ志を持つ仲間と共に立ち上げることが夢。
白河榮(ビヨンドトゥモロー/三菱重工業特別奨学生)
東北大学文学部 (福島県立会津学鳳高等学校卒業)
震災を経て、福島を愛する者として、自分に何ができるかを考えるようになった。将来の夢は、アフリカやアジアの、社会経済的に困難な状況に置かれた子供たちのために活動できる教師になること。韓国と日本の両国にルーツを持つ者として、リーダーシップ・想像力・表現力を磨き、社会に還元できる人になりたいと考えている。ビヨンドトゥモローの活動を通して、仲間と議論する内容だけでなく、人の「心」をまとめることを意識し、成長していきたいと考えている。
山崎成歩(ビヨンドトゥモロー/TOMODACHI特別奨学生)
聖心女子大学文学部進学予定(岩手県立盛岡第四高等学校卒業)
津波で祖父母を亡くす。その経験から、亡くなった人たちの人生の分まで悔いなく生き、生きているからこそできることをしなくてはならないと考え、様々なボランティア活動に取り組むようになり、岩手県の名所を外国人観光客に英語で案内する活動や、高校生を対象としたワールドカフェの開催に参加している。将来は、国際的な金融機関で働き、先進国だけでなく発展途上国に関連する仕事をしたいと思っている。