世界的な金融緩和の流れの中、デンマークで「マイナス金利の住宅ローン」が出たと話題になっているが、実は日本でも実質的に同じことが起きている。
現在最も低利なのは、イオン銀行の変動金利で0.57%。こうなると、現金を使わずに、あえて変動金利を使って全額ローンを組んだほうが得だということになる。
■金利負担以上のお金を給付
変動金利型を利用する際には十分な注意が必要だ
つまり、お金を借りて金利を支払うと、金利以上のお金をもらえるという「マイナス金利」と同じ効果が働いているわけだ。こうした局面では、現金を持っていても、あえて住宅ローンを組むのが正解だ。
■変動金利の利用には注意
またなにより相対的に高利な固定金利より、変動金利のほうが元金支払いのスピードが速い。ただし、変動金利で組んだ場合には、言うまでもなく十分な注意が必要。豊富な手元資金があれば、金利が上昇し始めたら返済してしまえばよいだけだが、十分な手持ち現金がない人が組んでしまったら取り返しのつかないことになりかねない。
3000万円を金利0.57%で借りた場合(返済期間30年)、毎月のローン支払額は9万681円で、その内訳は元金7万6251円、利息1万4430円。総返済額は3264万5174円で総利息は264万5174円となる。
このとき、例えば金利が2%上がったらどうなるだろうか? 3000万円を金利2.57%で借りると(返済期間30年)、毎月の返済額は11万9631円(元金5万5381円、利息6万4250円)で、総返済額は4306万7155円に膨らむ。毎月のローン返済額は2万8000円、利息総額は1000万円以上も増えてしまうのだ。