機動戦士ガンダムSEED CE73−STARGAZER−
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[2006/05/25]
 
■『DESTINY』での絵コンテの担当から監督へ。監督としての『STARGAZER』への取り組み方とは?

客観的にみると、私は監督にはあまり向かないタイプの人間なのだろうと思う。基本的には技術屋で職人タイプ。その部分だけにこだわり、その部分の完成度を高める為に勉強し、技術を磨 き、自分の技術と意思の 範囲で納得出来るものを提示して、それが出来ると満足出来るタイプ。でも「監督」という立場は全体を把握しなくてはいけない立場で、「自分のつくりたいものはこうなんだ」って出来ればそれはそれで気持ちいいのだけれど、現状のアニメ制作現場では上がってきたものをいかにコーディネートするかという要素が強く、納得いくまで細部をつきつめていけない立場になってしまう。細部へのこだわりを捨てる<大ざっぱさ>がある程度必要になってくる。巨匠ともなれば、十分な時間と人材を使ってそれが可能なのだが今現在それがやれる立場にある人はほんの一握りで、ほとんどの場合はその<大ざっぱさ>が必要とされる。その<大ざっぱさ>を体質的に持ち合わせていればそれほど、監督をやる仕事はしんどくはないのだろうと思うのだが、私はその<大ざっぱさ>は乏しいほうだと思うので、監督という仕事をするとけっこうストレスを感じてしまうほうだと言える。そうはいっても過去何本かは監督の仕事もさせてもらっている。サンデーの上映会用につくった『め組の大吾』とか『ヒカルの碁』 (TV)とか‥‥。それはそれでやりがいがある仕事なのではある。
アニメーターとしてはレイアウトの完成度を高めることが一番楽しいし、映像の作り手としてはコンテを描いている時が一番楽しい。ただ、コンテだけ描いて、そのあとの映像になるまでの処理を担当しないと自分がコンテを描いていた時のビジュアルになることはほとんどない。基本的に映像っていうのは最後に鉛筆を入れる人のものになってしまうので、 それはそれでいいと思っているのだが、でもたまに、「このコンテはこういう映像になるはずだったんだよ!」っていうのを自分でも見てみたくなる。今回はそういう機会が与えられたものだと理解している。当然そこには自分の思い通りにならないストレスとの対決が待っているのだが、少しの間だけそれに耐えてみようかなと思っている。


■西澤 晋プロフィール
「ガンダムSEED」、「ガンダムSEED DESTINY」と、シリーズを通して絵コンテを担当。主なTVアニメーション監督作品には「め組の大吾」、「ヒカルの碁」など。
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