学生の窓口編集部

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いまや当たり前に利用している「詰め替え式」のシャンプーやリンス。なくなるたびに大きなボトルを買わずに済むので持ち運び便利で経済的なうえ、ゴミも減って良いことづくし!のはずが、思わぬ落とし穴があった。容器をきちんと洗って乾かさずに、長期にわたって詰め替えたり、継ぎ足したりすると、容器内のシャンプーに細菌が繁殖/増殖してしまうのだ。水分が残っている容器には、シャンプーの養分や温度も相まって細菌が発生しやすい。身のまわりに生息する「常在菌」をはじめ、消毒薬や抗生物質に抵抗力をもつ「薬剤耐性(やくざいたいせい)菌」までうまれ、殺菌力のあるボディシャンプーでも安心は禁物。細菌の「培養器」状態になり、健康を害することもあるのだ。■細菌が繁殖する条件いまやシャンプーやリンスは、軽くて値段が安くゴミも減らせる「詰め替え式」が当たり前。種類も豊富に出回るようになったが、使い方を間違えると危険な存在でもある。新しく詰め替えたはずのシャンプーが、「細菌の宝庫」になりかねないからだ。原因はその補充方法にある。「詰め替え用」はその名の通り、カラになるまで使い切ってから「詰め替える」のが正解。その際、容器はきれいに洗い、完全に乾かすのが作法だが、乾ききる前に「詰め替え」たり、使いきる前に「継ぎ足し」してしまうと、容器内の水分やアミノ酸などが養分となり、細菌が繁殖しやすい環境をつくってしまう。薬用とうたわれたハンドソープには殺菌成分が含まれているが、ボディソープはおろかシャンプー/リンスにはまったく含まれていないものがほとんどなので、風呂場の温かさもあいまって「菌の養殖場」に化すことさえあるのだ。■あなどれない「日和見(ひよりみ)菌」繁殖しやすい細菌には「緑膿菌」と「黄色ブドウ球菌」がある。本来、身近なところに生息する常在(じょうざい)菌で、健康なひとが悪影響を受けることはまずない。ただし、病気などで抵抗力や免疫力の低下したひとや高齢者が感染すると病気に発展する。いつ、どんな条件で発病するかの条件が定まらないため日和見(ひよりみ)の名がつけられた、やっかいな菌なのだ。緑色の膿(うみ)が見られることから名がついた「緑膿菌」は、台所や浴室などにフツウに生息する細菌だが、日和見感染すると角膜炎や外耳炎、肺炎などの呼吸器疾患を発症することがある。また、顕微鏡で見るとぶどうの房のような形状の「黄色ブドウ球菌」は、ひとの皮膚や鼻のなかにも存在する細菌だが、増殖した際に毒素を生み出し、食中毒症状の腹痛/おう吐をはじめ、水ぶくれやかさぶたがあちこちに広がる「とびひ」やおできなどの皮膚疾患を引き起こす。いずれも重症化すると、細菌が血液中に侵入して全身に炎症を起こし、敗血(はいけつ)症や菌血(きんけつ)症などの重病につながるおそれもあるのだ。さらにコワいのが薬剤耐性(やくざいたいせい)菌で、殺菌/消毒剤でも生き延びた菌が、それに抵抗力を持つ種に変化する。感染してもクスリが効かないため、治療が困難になってしまう。シャンプーで病気になったらシャレにならないので、からだの弱いひとはとくに注意していただきたい。■まとめ・人間の生活は「自身」を含め、細菌だらけ・シャンプーやリンスを詰め替える前に、容器の洗浄+乾燥が「鉄則」・容器を清潔に保たないと、緑膿菌や黄色ブドウ球菌が繁殖する・使い切る前の「継ぎ足す」も、菌の増殖を招くのでNGきちんと洗って乾かすなんて面倒!と思うひとは、エコには反するが、毎回「容器」ごと新調するのもひとつの手だ。「詰め替え用パック」に直接差し込んで使うポンプや、パックごと収まる「ディスペンサー」なども出回っているのでご一考あれ。(熊田 由紀/ガリレオワークス)