お鍋の中からこんばんは!中井貴一です。
あらあらあらいきなり何だかおいしそうじゃないですか!本日お邪魔したのはとある施設のレストラン。
実はこちら…学生の春休みと重なるこの時期が教習所にとっては一年で一番忙しいってご存じでした?
(一同)いらっしゃいませ。
レストランがあるのは岩手県陸前高田市。
こちらが料理長の西毅朗さん。
メニューはカレーやから揚げなど定番が6種類。
更に西さんが特に力を入れているのがこちらの日替わりランチだそうです。
春休みね合宿で免許を取るなんて我々の頃もありましたね〜。
何かこういい出会いもあったりして…。
わっ!確かに大混雑!働くのは34人のスタッフ。
はい。
参りましょう。
中には社長の姿も。
ふだんはあまりないそうですが繁忙期には社長も教習に出るんだとか。
4年前のあの日も社長は生徒と一緒でした。
東日本大震災。
津波により甚大な被害を受けた陸前高田市。
教習所は高台にあったため津波の被害は逃れたものの町は壊滅。
当初は救援物資やボランティアの受け入れさえ困難でした。
そこには広い敷地と車とガソリンがあった。
スタッフは一丸となり避難所に物資を運び特殊免許のためにあった重機も貸し出し。
合宿免許用の宿舎はボランティアに提供しました。
教習所は復旧活動の拠点として機能しつつ営業を再開。
半年後にはレストランも再オープン。
この町の人たちを少しでも元気づけようと一般客も利用できるようにしました。
そして料理長として採用されたのがもともと料理人だった西さん。
隣町の大船渡に炊き出しボランティアに来た後求人募集を見てこの店へ。
この厨房を任されて3年。
教習生のためにあったメニューも一般客向けに見直しました。
「この町の人にもっと食べに来てほしい」。
それが今の西さんの思い。
さあランチ営業スタート。
なるべく早くそして冷めないうちに提供するため料理長西さんもフル稼働。
何てったって教習生120人分ですもんね!更にやって来たのは教官の皆さん。
教官だって腹は減る。
この日の一番人気は料理長渾身の日替わりランチガパオライス。
ごはんに載せた鶏肉は誰の口にも合うよう辛さを抑えて。
午前中の教習を終えた皆さんおなかペコペコ。
温かいごはんを食べられる事が本当にありがたいと言います。
1週間前に採用されたばかりの青木さん。
実は去年ここで免許を取った卒業生。
聞けば1年ぶりに入ったという期待の新人。
とはいえ今もなおスタッフ募集中。
人手不足の訳。
実は西さんたちレストラン営業以外にも建設会社など3か所に朝夕のケータリングを行っているんです。
町では復興のため工事関係者の宿舎が増える一方温かい食事が食べられる場所はまだまだ整っていないんだそう。
お〜お〜盛るね!盛るねこれ!お疲れさまです。
頂きます。
さあランチ営業も終わりようやくサラメシタイム。
賄いはいつもその日残ったものを。
ガパオライスには朝食で出したコロッケを載せて。
形が崩れて出せなかった温泉卵も。
西さん味を確認しながら黙々と…と思いきやあっという間にお代わり。
2杯目にしてこの量!実は西さんランチ営業の合間に合宿免許の教習生とボランティアの宿泊客などおよそ100人分の夕食も仕込んでいたんです。
そりゃおなかすくわ〜。
やっぱりごはんはパワーの源!明日もこの町の誰かのために…。
誰にでも昼は来る。
弁当箱の中のドラマを探して西へ東へ!お弁当ハンターこと阿部了さん。
やって来たのは福島県いわき市にある水族館…水族館の目玉はこれ!福島沖の海を巨大水槽に再現した展示「潮目の海」。
すごい数のイワシですよね。
自然光がさし込む水槽はまるで本物の海の中にいるよう。
魚たちも日の光にキラッキラ。
皆さんでトドって言ってもらっていいですか?せ〜の!
(一同)トド!今回は水族館で働く皆さんのお弁当をのぞき見です。
まずは魚たちの餌やりを見学。
(阿部)本当回ってますねこれね。
巨大水槽「潮目の海」を担当する飼育員の藤井さん。
餌は鹿児島産の新鮮なキビナゴ。
あ〜来た来た来た!やって来たのはカラスエイ。
(藤井)あ〜来た来た!あ〜!このカラスエイいつも藤井さんに餌をおねだりしにやって来るんだとか。
ちなみに顔みたいに見えますがここが口。
目は背中側についているこれ。
巨大水槽の次は熱帯魚の餌やり。
そうですね。
海中では藻や海藻を食べている熱帯魚。
硬い茎の部分は苦手なんだとか。
憧れだった水族館の仕事に就いて今年で17年。
潜りが得意な藤井さんでも骨が折れるというのがこの仕事。
魚たちが快適に暮らせるよう砂にたまったフンを毎日2時間かけて掃除。
アクリル板もピカッピカに。
何でも自然光が入るため水槽に藻が繁殖しやすいんだとか。
元気に泳ぐ魚たちの陰に地道な仕事あり。
魚のほかにもこちらの水族館にはこんなかわいらしい生き物たちが。
ゴマフアザラシのユキナとくらら。
更には…。
(鳴き声)こんな鳴き声の主も。
ウッハッハすげえ…!でかっ!
(鳴き声)体重538キロ…実は彼ら海獣類たちは4年前の震災を共に乗り越えてきた大事な仲間。
津波の被害で魚たちのライフライン酸素ポンプは停止。
館内に残された生き物全てはどうしても救えない。
苦渋の選択の末選ばれた海獣たち。
そんな時手を差し伸べてくれたのが全国の水族館や動物園。
輸送トラックで乗りつけ復旧までの世話を買って出てくれました。
みんなでつないだ大切な命。
獣医師の平さんは毎日彼らの体調を見極めそれぞれに専用の栄養剤を準備。
しかものみやすいよう好物のホッケに忍ばせて与えます。
震災から4年。
あの日を共に乗り越えてきた大事な仲間たちとこれからもずっと。
さあお待ちかねお弁当の時間です!お疲れさまです。
おなかすきましたね!藤井さんの弁当は山口の実家から送ってもらったワカメで磯の香りたっぷりのごはん。
(阿部)今それ聞こうと思ったんですけど。
一方平さんの弁当はというと…。
丼片手にご出勤?ささっとかき込める妻特製鶏の照り焼き丼。
「もも…餅…餅が」と現れたのは2人の後輩佐々木さん。
何でも正月に実家からもらった餅を2か月かけて食べているんだとか。
これはレバ…。
(平)ビッグカツじゃないの?駄菓子の。
違っ…!ありがとうございます!やった。
仕事もランチも助け合い。
優しい先輩たちからのお裾分け。
どうしても食事の世話をしたくなるのは飼育員だからって訳ではなさそうです。
春を待ちわびる福島で出会ったのはこんなお弁当たち。
人も生き物も腹が減っては何とやら。
ごちそうさまでした!では今日も皆さんから頂いた投稿をご紹介しましょう。
まずはこちら「お誕生日弁当」。
通信設備などを手がける会社の秘書室で働くenjoyyuukoさんから頂きました。
「いつもお世話になっている秘書室長に誕生日弁当をプレゼントしました。
室長からは『ハッピー・バース・デーでいいんだよな?これハゲ・ブス・デブではないよな?』と言われてしまいました」だって。
室長面白い!面白すぎる!でもそれって室長てれちゃって言ってるんですよね?何でもいつ連絡が入るか分からない秘書室の仕事。
長い時間席を外せないので昼休みも社内に。
だからプレゼントにはお弁当を。
なるほど!考えましたね〜yuukoさん!続いては「父の手作り弁当」。
あさみさん看護師の方から頂きました。
「我が家では毎朝5時からキッチンに立つ母…ではなく父の姿があります」。
うん?何でも3年前のある日お父さんが急に弁当は自分が作ると宣言。
理由は「早起きになっちゃったし新聞読んだらやる事ないし」との事。
ところがお父さんやりだしたら妥協なし!冷凍食品も作り置きも一切なし!すごい!毎朝2時間かけて彩り豊かな弁当を3人分。
えっ!?お母さんとあさみさんの分も?しかもあさみさん「私の職場でも好評でみんなには自分で作ってると言っています。
一方父はなぜか自分で作っている事は秘密に。
3月で定年退職なのでその前に言ったらいいのに」。
いやいやいやまずねあさみさん職場の皆さんにご自分で正直に話しましょう。
…ってもうこれテレビで言っちゃってますけどね。
そしてお父さんもこれ退職前に皆さんにお伝えしてもいいんじゃないんですか?すてきですよ〜!このお弁当。
うん!皆さんからの投稿もお待ちしています。
続いてはこんな社員食堂の風景から。
いやいい音してるね〜!皆さんモリモリパクパクいい食べっぷり!お〜!こちらの男性は大きなおにぎりをガブリ!自称日本一のおにぎり好き。
瀬田貴仁さん29歳。
彼の勤務先は仙台駅から車で30分。
宮城県多賀城市にあるこちら大手電気機器メーカー。
この工場で製造しているのがこれ。
何だか分かります?実はこれHDCAMという放送用のテープなんです。
ちなみにこの「サラメシ」もHDCAMテープを使って全国各地の皆さんのランチを撮影させてもらっているんです。
…で瀬田さんはというとこちらの総務部に所属。
さあ大きなおにぎりのお昼ごはんも食べた事ですし午後もバリッバリ仕事…。
うん?…ってあら?デスクをきれいに片づけて…?うん?「お疲れさまでした」ってちょっと瀬田さんまさか…あららやっぱり帰る?ちなみにまだ午後の2時。
ねえ…あっもしかして今日は早番…えっ早番とか遅番とかそういうのあるの?ねえ…ねえ瀬田さん?ねえ!毎日2時に退社?会社から車で10分。
向かったのは多賀城市内にあるグラウンド。
実は瀬田さん日本フットボールリーグJFLに所属するソニー仙台FCの選手なんです。
しかもキャプテン!平日は午後2時で総務の仕事を終え3時からは選手として練習に励む日々。
でもこれもれっきとした仕事。
ちなみに昨年度の成績は14チーム中5位だったんだとか。
4年前の3月11日もいつものようにグラウンドへ。
激しい揺れを感じ練習は中断。
当時防災本部を担当していた瀬田さんはすぐに会社へ戻る事に。
工場の製造ラインは全てストップ。
まず最初に社員総出で手がけたのは放送用テープ製造ラインの復旧作業でした。
水につかってしまった製造機器を一つ一つ分解し直していくという気の遠くなるような作業。
瀬田さんたち総務部も全国から応援に駆けつけた社員たちのサポートに当たりました。
震災から4か月後7月に製造ラインは復旧。
チームもリーグ戦復帰を果たしました。
震災以降社員食堂のランチの風景にも変化が。
部署の垣根を越え一丸となって作業した事で自然にほかの部署の人ともテーブルを囲むようになったといいます。
そして瀬田さんたちのチームもランチを通じて社員と交流を深めたいと会社にこんな提案をしました。
それがこの「俺の勝負飯!」。
試合前選手が験担ぎで食べるメニューを社員のみんなにも食べてもらおうという企画。
この日は去年の人気ナンバーワンメニューゴールキーパー川口選手の味噌カツが再登場。
去年は選手26人分の勝負飯を隔週で提供。
同じ釜の飯ならぬ同じ勝負飯を食べて一致団結。
社員に好評だったためメニューを一新しての第2弾をただいま会社に提案中。
まずは沖縄出身の比嘉選手がプレゼン。
続いて去年最下位の瀬田さん。
力うどんは僅か17食しか食べてもらえなかったそうですが?今年は本気で1位を狙いにきた瀬田さん。
どうやら彼らの熱い戦いはグラウンドだけではなく社員食堂でも繰り広げられているもよう。
さて瀬田さんもランチタイム。
午後の練習に向けガッツリと。
キャプテンですからねもちろんチームが提供しているみ味噌…味噌…うん?あれ?あの〜それって勝負飯が最下位だったからすねてる訳じゃ…ないんだそうです。
念のため。
いわく「体が欲しているものを選んだ」とか。
…で何より欠かせないのがこれ。
自分で握ってきたごはん1合分のゴマ塩おにぎり。
「やべっち」見た?見た見た見た!ケイ出てたね。
(笑い声)やっぱり気にしてたんだ。
さあおにぎり食べて今年こそリベンジ!東日本大震災から4年。
そこに仲間がいて今日もサッカーができる。
そんな当たり前の一日一日に感謝をしながら。
お相手は中井貴一でした。
2015/03/09(月) 22:55〜23:20
NHK総合1・神戸
サラメシ[字]
東日本大震災から4年。働く人々の昼食を東北各地から。岩手県陸前高田市の自動車教習所。福島県いわき市の水族館お弁当。宮城県多賀城市の電子機器メーカー工場の社員食堂
詳細情報
番組内容
東日本大震災から4年。復興にむけ働く人々のランチを東北各地で見つける。 ▽岩手県陸前高田市の自動車教習所に隣接するレストランは働く人々を支える大切な食の場になっている。 ▽福島県いわき市の水族館では震災で多くの生物が死滅したが、職員の努力でこつこつと展示を作り直してきた。水族館で働くみなさんのお弁当タイム。 ▽宮城県多賀城市の電子機器メーカー工場では震災後、社員食堂で様々な交流が生まれている。
出演者
【語り】中井貴一
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
バラエティ – 料理バラエティ
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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