シリーズ世界遺産100「シャンボール城〜フランス〜」 2015.03.10


(テーマ音楽)
(江守徹)無数の塔は何でしょうか。
この城は戦のためではなく王の思いが込められた芸術作品なのです。
フランス中部のロワール川流域に広がる森。
緑の大海原に浮かぶ孤島のように見えるのがシャンボール城です。
王冠を思わせるこの城は16世紀の初めフランス国王フランソワ1世が情熱を傾けて築きました。
優雅で繊細な城にはたくさんの塔が立ち並びつつに装飾が施されています。
この塔実は煙突なのです。
365本の塔はそのまま暖炉につながっています。
シャンボール城は戦争を目的としたものではなく賓客をもてなし王の権威を表す建物だったのです。
1515年二十歳で即位したフランソワ1世は後に「フランス文化の父」と呼ばれました。
王は即位直後にイタリアに兵を進めました。
ミラノを制圧した王はそこで1人の人物に出会います。
ルネサンスを代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチです。
王は当時64歳のダ・ヴィンチを熱心にフランスへ誘いました。
ここはフランソワ1世が当時住んでいたアンボワーズ城です。
城のすぐ近くに王はダ・ヴィンチのための館を用意しました。
王は毎晩のようにダ・ヴィンチの館を訪ね2人きりで語り合います。
そこで「新しい都をつくろう」という計画を練りました。
このスケッチはダ・ヴィンチが造ろうとした理想都市の姿です。
運河を巡らし整然とした空間が広くとられています。
建物は高層化し立体的に描かれています。
多くの人が行き来できるように建物の四方には階段が巡らされています。
しかしダ・ヴィンチは間もなく亡くなります。
悲しみを癒やすため王は狩りの場であったシャンボールの森に出かけました。
ダ・ヴィンチはしばしば「自然は何よりも美しく完璧な存在だ」と語っていました。
フランソワ1世は愛着のある森の中に城を造ろうと思い立ちます。
城の真ん中にはらせん階段を造りました。
当時このような設計はざん新なものでした。
しかもその裏にはもうつの階段があります。
らせんが二重になって互いに重なり合うことがない階段。
王はダ・ヴィンチが描いた理想都市の階段を実現させました。
らせん階段が造られた中央の塔。
その頂上には王家の象徴であるゆりの花の紋章が輝いています。
中央の塔に向かって右の棟には王の部屋があります。
そして左側には礼拝堂。
王と神が対を成しています。
当時この城に招かれたスペイン国王も「人間の知恵と技術が生み出した最高傑作」と褒めたたえました。
シャンボール城はダ・ヴィンチのイメージを現実のものとした王の建築芸術なのです。
2015/03/10(火) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「シャンボール城〜フランス〜」[字]

森に浮かぶ王の芸術 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
森に浮かぶ王の芸術 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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サンプリングレート : 48kHz

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