シリーズ世界遺産100「アユタヤと周辺の歴史地区〜タイ〜」 2015.03.11


(テーマ音楽)タイの古都アユタヤ。
14世紀の中ごろからおよそ400年にわたって栄えたアユタヤ王朝の都です。
チャオプラヤ川の河口から100km近くもさかのぼるアユタヤは海賊の手も届かない安全な都市として繁栄しました。
17世紀にオランダで出版されたアユタヤの地図です。
3つの川が合流する4km四方の中州。
そこは水上交通の要衝であり物資の集散地でした。
アユタヤ朝歴代33人の王は強力な支配者として君臨し自らを神格化しました。
この寺院の跡にはインドのストゥーパに由来する塔が建っています。
ストゥーパは本来は釈の骨を納める仏塔ですがこの3つの塔には3人の王の遺骨が入っているのです。
国王は寺院の建立は政治と同じことと見なしていました。
よって国王はたくさんの寺院を建立しなければなりませんでした。
歴代の王が造った寺院の数はおよそ400。
王の遺骨が納められた仏塔を人々は礼拝しました。
王は仏教を国の精神的な支柱とし自らも仏と同じ神聖なものとしたのです。
神格化された王の下アユタヤは繁栄しました。
立地条件のよい港には外国の船が出入りし都は国際貿易都市となりました。
アユタヤ独自の仏教美術も発展しました。
王の権力は仏像の表現にも及んだといわれています。
座っている仏像はすべて右手で大地を指しています。
悪魔を追い払う降魔印です。
様式は統一されて崩れた姿や動きはありません。
仏を表現するよりは王の意志が優先されたと考えられています。
立っている仏像の様式はほとんどが手を肩の高さに上げています。
自らを仏と同一化しようとした王にとって仏像はブッダであると同時に王の肖像でもあるかのようです。
アユタヤ時代には現在のように国王の肖像画というものはありませんでした。
そのかわりに仏像を造ったのです。
国王は自分の人徳がブッダと同等と考えていたのでしょう。
その最盛期には世界的な貿易都市として繁栄を誇ったアユタヤも1767年隣国ビルマの攻撃を受け徹底的に略奪され破壊されてしまいます。
自らをブッダになぞらえたアユタヤの国王たち。
仏教の説く「盛者必衰の理」はこの王朝の上にも訪れたのです。
歳月が作った不思議な造形。
仏は静かにほほ笑んでいます。
2015/03/11(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「アユタヤと周辺の歴史地区〜タイ〜」[字]

王の遺骨が眠る仏塔 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
王の遺骨が眠る仏塔 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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