4年前の3月11日から、時が止まったかのようです。
建物の1階部分が大きく壊れています。
こうした建物が、いまだあちこちに残されています。
死者・行方不明者は、少なくとも2万1668人。
およそ22万9000人が、今も避難生活を余儀なくされています。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故の発生から、きょうで4年です。
きょうはここ、福島県富岡町から、復興へ向けた歩みと課題をお伝えしていきます。
では、いったん東京のスタジオから、天気についてのニュースをお伝えします。
発達した低気圧の影響で、けさは全国的に風が強く、北日本や東海、北陸などでは、雪も降る荒れた天気となっています。
北日本と北陸では、あすにかけて猛吹雪になる所がある見込みで、気象庁は、暴風雪や高波などに警戒するよう呼びかけています。
こちらは現在の青森空港の様子です。
滑走路、白く雪が積もっています。
気象庁によりますと、北海道の北に発達した低気圧があって、日本付近は強い冬型の気圧配置になり、けさは全国的に風が強くなっています。
新潟県の佐渡市両津湊では、午前3時過ぎに、30.6メートルの最大瞬間風速を観測しました。
上空に真冬並みの寒気が流れ込んでいるため、北日本や東海、北陸などの山沿いでは、この24時間におよそ50センチから70センチの雪が降っています。
午前6時の積雪は、福島県会津若松市で34センチ、盛岡市で22センチなどとなっています。
あすにかけて、広い範囲で風が強く、日本海側を中心に、雪も降る荒れた天気が続き、北日本と北陸では、非常に強い風が吹いて、猛吹雪になる所がある見込みです。
あすの朝までに降る雪の量は、いずれも多い所で、北陸で80センチ、東北で60センチ、北海道と東海で50センチなどと予想されています。
気象庁は、暴風雪や大雪、高波に警戒するとともに、電線や樹木への着雪、雪崩などに十分注意するよう呼びかけています。
北海道の占冠村では、送電線トラブルの影響で、ほぼ全域が停電しました。
役場も停電。
職員は、自家発電機の明かりを頼りに、対応に当たりました。
きのうは、午後に発着するほとんどの便が欠航となった新千歳空港。
およそ1200人が、ロビーや会議室で一夜を過ごしました。
きょうは機体のやりくりがつかない十数便が欠航になるのを除いて、ほぼ通常どおりの運航を予定しているということです。
しかし、きのうの欠航の影響で、羽田に向かう便などは多くが満席となっていて、カウンターには空席待ちの長い列が出来ています。
一方、東名高速道路は、雪のため、愛知県の春日井インターチェンジと、小牧インターチェンジの間の上下線で、通行止めとなっています。
福島県警察本部によりますと、雪のため、福島県郡山市の国道49号線で、午前5時前から50台以上の車が動けなくなっているということです。
それでは改めて、福島県富岡町から、阿部キャスター、鈴木キャスターがお伝えします。
私たちが来ている福島県富岡町。
この町も津波の大きな被害を受けました。
また東京電力福島第一原発から近く、立ち入りが厳しく制限されている地域もあり、復興は進んでいないんです。
こちらは飲食店ですね。
入り口の扉がなくなっています。
そして店内には、割れたガラスなどが、今も散乱した状態です。
そして、道路の反対側、あちらの商店。
中の様子を見ますと、商品のケースやレジの機械などが、当時のまま残っているんです。
この商店街に、300メートル離れた海から津波が押し寄せました。
そして原発からおよそ10キロのこの地域にも、避難指示が出され、住民は全員避難しました。
震災と原発事故の発生から4年。
現在、仮設住宅などの避難先で生活している人は、およそ22万9000人に上り、このうち、福島県では今も11万9000人が、県の内外で避難生活を続けています。
東日本大震災は、これまで日本が経験したどの災害よりも、復興の時間がかかっています。
超長期化ともいえる状況が懸念され始めています。
この1年、福島県にとって、大きな出来事がありました。
こちらをご覧いただきましょう。
福島県の沿岸部、浜通りを走る大動脈が国道6号線です。
このうち、このピンクで示したエリア、帰還困難区域、ここは通行ができませんでした。
それが去年の9月、道路の除染を終えて、ようやく通行できるようになりました。
この国道6号線を走ってきました。
国道6号線沿いでは、至る所で除染作業が行われています。
私は、1年前にもここを訪れていますが、去年はなかった大量の除染廃棄物が積み上がっていました。
大変な量ですね。
うわー、行っても行ってもまだまだ積まれてますね。
いやぁ、1年でこれだけ増えるとは。
国道6号線をさらに北上すると。
今、看板が見えてきましたね。
この先、帰還困難区域と書いてあります。
この区間は、去年9月、およそ3年半ぶりに車での通行ができるようになりました。
しかし。
ああ、この国道6号線の両側見ますと、それぞれの家の前に、このようにバリケードが設置されているんですね。
入れないようになっています。
放射線量も高く、車から降りることはできません。
人の姿はありませんでした。
さらに走っていくと。
あれですかね。
白い煙突のような、廃棄筒が見えますね。
そして、白い建物も見えています。
あそこが福島第一原発ですね。
帰還困難区域を抜けると。
こちらはずいぶん車が集まっている所がありますね。
コンビニがあるんですね。
午前7時から午後3時までの時間限定で営業しています。
にぎわってますね。
除染や福島第一原発の作業に当たる人が次々と訪れていました。
福島県の大動脈、国道6号線。
困難な状況の中、復興を進めようとする人たちの姿がかいま見えました。
国道6号線から見た復興に向けた動きをお伝えしましたが、では上空からはどう見えるんでしょうか。
福島第一原子力発電所から北におよそ6キロ。
浪江町の請戸地区です。
住宅のほとんどは津波で流されました。
原発事故の影響で、避難区域に指定され、いまだに住むことはできません。
東日本大震災のがれき処理が終わっていないのは、福島県だけです。
大量のがれきを処理する仮設の焼却場が建設されています。
稼働はことし7月からの予定です。
原発事故の影響で、復興が立ち遅れている福島の今の姿です。
今、上空からお伝えした浪江町を含め、NHKは震災4年を前に、避難区域にある福島第一原発周辺の4つの町の住民に、およそ1150人にアンケート調査を行いました。
その結果、こちら。
ふるさとに戻らない、ふるさとの町に戻らないという決断をした人が、全体の42%、半数近くに上っています。
人口の流出が進む中、ふるさとの町の存続を危ぶむ声が上がり始めています。
全住民が避難を余儀なくされているここ富岡町で取材しました。
郡山市にある富岡町の仮役場です。
最近、住民が移転先を町に伝えず、町の広報誌が返送されるケースがかさなっています。
震災当時、およそ1万6000人いた住民のうち、およそ2200人が、この4年間で、ほかの自治体に住民票を移しました。
住民が避難を余儀なくされている自治体には、国や県から特別な交付金が上乗せされています。
この先、避難指示が解除されると、人口流出で、町の税金が半減しているうえに交付金も減額され、住民サービスが維持できなくなると、町は危惧しています。
町にとどまっている人の中にも、住民サービスが滞ることへの不安を感じ始めている人がいます。
郡山市に避難している三瓶セツ子さんです。
震災当日の避難中に転倒し、脊髄を損傷。
長引く避難生活で、肝臓の病気や、うつ病も患いました。
週5日病院に通い、かかる医療費は月10万。
富岡町の避難区域に住民票がある三瓶さんは、年金暮らしのため、自治体からこの医療費は全額免除されます。
富岡町が三瓶さんのように、医療費を免除しているのは5500人。
年間およそ4億7000万円は、国の交付金で賄われています。
人口が減る中、財政的に自立し、自治体の機能を維持させるには、外から人を呼び込む工夫が不可欠だと、町では考えています。
アイデアの一つが、多くの人に原発事故の記憶を伝える復興祈念公園の構想です。
周辺に企業や店舗などを誘致し、新たな収入を得て、財政の安定につなげたいとしています。
しかし、実現の見通しはまだ立っていません。
避難の長期化で先が見通せない中で、町の運営が将来、立ち行かなくなるのではないかという懸念が生まれているんですね。
そうなんですね。
一方で、ふるさとへの帰還を諦めた被災地の住民の多くは、新たな暮らしを始めようとしています。
しかし、避難した先での生活の再建も、決して容易ではありません。
原発周辺から避難した住民を最も多く受け入れているいわき市です。
仮設住宅などを出た住民たちが、次々と住宅を買い求めています。
避難してきた住民たちが、東京電力から支払われた賠償金などを元手に購入した住宅は、年々増加の一途をたどっています。
今、問題になっているのが、受け入れ側の地元の人たちとの溝です。
避難で市内に移った住民たちの会合で話題に上りました。
なぜ、溝が出来てしまったのか。
いわき市では、震災から2年ほどの間に、避難してきた住民に対する心ない落書きが市役所の外壁に残されたり、仮設住宅の車が傷つけられる事件が起きたりしました。
背景にあるのは、受け入れる側も、地震や津波で被災している中、原発事故で避難する住民にだけ、賠償金が支払われていることへの割り切れなさなどです。
このため、両者の間に距離が生まれてしまったのです。
1年ほど前に、いわき市に住宅を買い求めた60代の夫婦です。
賠償金のことを尋ねられるなど、ストレスがたまって閉じこもりがちになり、地域に溶け込めないでいます。
住宅を購入するまで5回も転居し、ふるさとの仲間たちとのつながりは失われました。
実は以前、双葉町などからいわき市に避難した住民たちが、孤立せず、まとまって暮らすことはできないか、場所を探したことがありました。
候補地に挙がったのは、いわき市内のゴルフ場です。
最大5000戸の住宅に加え、学校や医療機関などを建設する案も出されました。
しかし、計画は進みませんでした。
国がふるさとへの帰還を前提に施策を進めていること。
避難先の自治体の中に、閉鎖的なコミュニティーができることなどへの懸念。
こうした理由で、県や地元から具体的な協力を得られなかったのです。
震災から4年、いわき市の住民も避難してきた人たちとの溝を埋めようと、取り組みを始めています。
木村幸子さんです。
以前、避難区域を訪れたことで、避難している人たちへの考え方が大きく変わりました。
今回、いわき市に住む知り合い2人を誘いました。
富岡町の猪狩レイ子さんの案内で、家の中を見せてもらいました。
雨漏りを修理できなかったため、この4年の間に天井は腐り落ち、動物まで住み着いていました。
もし、自分の家がこうなったら。
初めて目にした避難区域の実態でした。
震災と原発事故から4年。
ふるさとを離れ、避難した人たちは、移住先で地域の人たちと共に、暮らしの再建を懸命に目指そうとしています。
ここからは福島放送局の廣岡記者と共にお伝えして行きます。
廣岡さん、ふるさとにとどまっても、新しい生活の場を求めても、いずれにしても厳しい現実に直面しているということなんですね。
私たちの取材では、震災の発生から1年目や2年目では、ふるさとに戻りたいという希望を持っていた人の中でも、ふるさとへの帰還の道筋が見通せないことで、さらに時間がたって、戻ることを断念せざるをえないという人が多くいました。
国はふるさとへの帰還を大きな柱として、除染など、戻るための取り組みを最優先に進めていますが、戻ることを諦める住民との間に、かい離が広がっているように思います。
避難生活も4年を迎えました。
今、最も必要な支援は何なんでしょうか。
さまざまな選択をした住民一人一人に沿った柔軟な支援が必要だと思います。
移住を決めた方の中には、住宅を購入するための賠償は支払われるんですが、移住した先で孤立を防ぐための支援については、支援がなされていないのが現状なんです。
新たなコミュニティー作りをどのように作っていくか、日に日に薄れつつあるふるさととのつながりをどのように維持していくか、改めて考えなければいけない時期に来ていると感じています。
福島放送局の廣岡記者でした。
東日本大震災の発生からきょうで4年。
各地で犠牲者を悼む祈りが続いています。
あのときの寒さと同じような寒さでね、鮮明と思い出してしまってね、涙が出てくるというような状況でございます。
大津波警報が発表されました。
近くの高台に…。
津波への備えを忘れないようにと避難訓練が行われたのは、岩手県宮古市です。
防災行政無線で避難が呼びかけられると、住民たちが次々に避難所に向かいました。
宮古市では震災の際、水門を閉めに行くなどした消防団員16人が犠牲になりました。
これを教訓に、津波の到達予想時刻の10分前には、すべての活動をやめて、避難するルールを設けました。
水門閉鎖のときは、手順を間違えないようにやっているんです。
いつもの訓練のとおりにいったと思います。
厳しい寒さの中、被災地では、祈りが続いています。
ここからは元総務大臣で、岩手県知事も務めた増田寛也さんとお話を進めていきます。
増田さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
震災発生から4年がたった今、この富岡町も含めて、被災者の状況、どのようにご覧になっていますか?
やはり復興が非常に長期化していると、全体で23万人ぐらいの方がまだ避難生活してますしね、特にこの富岡では、まだ誰一人戻ってないわけですから、大変、4年という間でも、まだまだ復興はこれからだなという気がします。
そして自治体の中でも差が出ているようですね。
実は高台移転事業がもう終わって、家を自分で建て始めている方もいらっしゃる。
そういう地区もありますし、それから、このような全く、スタートラインにも立っていないよう所もありましてね、私は自治体力がそれぞれによって、だいぶ、宮城、岩手でも違ってきているように思いますね。
町づくりですから、どうしても合意形成をしなければいけないんですが、そのあたりの力の差っていうんでしょうかね、そのあたりがだいぶ見えてきたように思います。
増田さんにはまた後ほど、伺ってまいります。
被災地の自治体の間では、復興に向けた競争ともいえる事態が起きてきています。
岩手県沿岸の大船渡市と釜石市、大槌町、この隣り合う3つの町で、今、水産会社の誘致を激しく競い合っています。
乾杯。
大船渡市の大手水産会社が開いたパーティー。
新しいさんま漁船の完成を記念したものです。
従業員300人の会社を率いる、鎌田和昭会長です。
大船渡市の市長も駆けつけました。
県内有数の水揚げを誇る大船渡市。
その20%以上を、この会社1社で占め、大船渡の水産業の中核を担っています。
この会社が今、新たに最大規模の工場を作る計画を立てています。
その新工場の誘致を狙って、訪ねてきた人がいました。
大船渡市の隣、釜石市の漁協の組合長です。
鉄のまちとして、製鉄所が産業の中心だった釜石市。
しかし、人口減少が止まらず、新たな雇用を生み出すため、水産業に目をつけました。
情報を察知した大船渡市の幹部が、慌てて駆けつけます。
補助金を活用した支援策を提案しました。
大船渡市のライバルは、釜石市だけではありません。
釜石市の北にある大槌町。
大槌町は、岩手、宮城、福島の3県で最も早く、水産業などの産業集積地を整備。
水産会社の誘致を加速させています。
これまでに6社の誘致に成功。
被災した周辺の自治体からも、3社を呼び込みました。
このうち2社は、釜石市からです。
鎌田会長の会社の工場がどこに建つかは、まだ決まっていません。
大船渡市では、地域経済に欠かせない存在だとして、これからも交渉を続けていく考えです。
震災から4年。
地域を支える産業をどう発展させていくのか。
復興競争は激しさを増しています。
増田さん、この被災地の自治体が競い合うことで、ともに復興が進んでいけばいいなとは思うんですが、今、どういうふうにご覧になりましたか?
企業から見れば、少しでも有利なほうに出ていきたいと、これは当然だと思うんです。
いい自治体間の競争につながればいいと思うんですが、ただ、まだみんな全体復興期間中ですからね、できれば自治体間で協力するとか、あるいは役割分担して、むしろ中で取り合うんじゃなくて、外に出ていくと、あるいは外国からいろんなこと呼び込むとかですね、そういったようなことで協力し合えればいいんじゃないかなと思いますね。
そして震災の発生からきょうで4年ですが、これから先の1年は、被災地の復興にとって特別な意味を持ちます。
といいますのも、国が復興事業の費用のほぼ全額を負担する、集中復興期間を5年間としています。
増田さん、今後、この集中復興期間としては最後の1年を迎えることになるわけですが、国、それから被災地の自治体には、どんな取り組みが求められますか?
もうこの最後の1年間で、何ができるのか、何を必ずやらなければいけないかということを、自治体はきちんと考えて、それでそれを完全にやり遂げる。
それから国は、この5年間で最後じゃないはずですし、特に福島はまだスタートラインにも立ってませんのでね、ですから、ほかの、宮城、岩手は、これから自立に向かっていくべき時期ですけど、福島はまだまだ国がきちんと支えるということ、そして全体とすれば、5年のあとですね、じゃあ、国は一体何をするか、そういうことを国が示していくべきではないかと思います。
被災地では、復興から取り残される人たちも出てきています。
病気になったり、経済的に苦しい状況に陥ったりする人も少なくありません。
被災地では今、仮設住宅を出て、自宅を再建したり、自治体が整備した災害公営住宅に入居したりする人が増えています。
しかし、災害公営住宅の整備は当初の計画より遅れ、プレハブの仮設暮らしを余儀なくされている人は、岩手、宮城、福島で8万5000人に上ります。
長引く仮設での生活が、健康にも影響を及ぼしています。
被災地最大の仮設団地で、3年半以上暮らす渡邉さん夫婦。
漁師だった夫の拓さんは、うつ状態に陥っています。
かつて患った脳梗塞の症状が再び現れたことに加え、慣れ親しんだ地域を離れた生活で、ストレスがたまったためです。
NHKが大学と共同で仮設住宅などに暮らす被災者にアンケートを行ったところ、避難生活が長期化する中で、3人に1人が震災前の持病が悪化したり、新たな病気にかかったりしていることが分かりました。
そのうち、高血圧や精神疾患など、運動不足やストレスなどを原因とする疾患が上位を占めています。
渡邉さん夫婦は今、2人合わせて月に13万円ほどの年金が頼りです。
妻のマサコさんは、拓さんの世話のために、仕事を辞めざるをえませんでした。
アンケートでは、経済状態について、とても困っていると、少し困っているを合わせて、68.5%の人が経済的に困っていると答えています。
自力で住宅を再建できない人のために建設される災害公営住宅は、2万9900戸余りの計画に対し、ことし1月末現在、完成したのは5582戸と19%にとどまっています。
増田さん、被災地は今見たように、今もなお厳しい状況に置かれているわけですが、この現状を私たちはどのように受け止めるべきなんでしょうか。
こういう災害っていうのは、これから全国どこでも起こりうりますよね。
しかも、その人口減少っていうのもまたこれから、あちこちで起こる、2、30年先にはどこでも見舞われますしね、今、非常に復興遅れているということがあるわけで、厳しい厳しい状況、まだ続いています。
心の復興というのはこれからまさに始まっていくんだと思うんですけれども、ただ、それをやはり、自分たち、全国で見ているわれわれにとっても、必ず自分たちに起こりうることだと、こういうふうに思うことが必要ではないかと思いますね。
あとまた、復興が早く進んでいる所、きのうの女川なんかは、私はまさにその代表例だと思うんですが、若い人や女性の声をすごく取り入れてますよね。
ですから、将来のある若い人たちの声を取り入れるっていうことも、今回、すごく大事だっていうことが分かったんじゃないかと思いますね。
はい、分かりました。
ここまできょうは、元総務大臣の増田寛也さんにお話を伺いました。
増田さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
さて、ここまで、さまざまな現状と課題を見てきましたが、福島県では、未来に向けた取り組みも始まっています。
復興を担う人材を育てようと、来月、新しい高校が開校します。
広いですね。
この春開校する、県立ふたば未来学園高校。
入学式は来月8日。
152人の生徒が新たなスタートを切ります。
入学が内定している生徒たちが、入学式の準備をしていました。
この学校が目指すのは、復興を支える人材を育てること。
さまざまな分野で活躍する著名人がこうしを務め、特別授業を行うことになっています。
このふたば未来を選ぼうと思ったのは、どうしてなんですか。
町のほとんどが避難区域になっている楢葉町出身の遠藤りょうかさん。
原発事故のあと、避難先を転々とするうちに、生まれ育ったふるさとへの思いが強まったといいます。
自分が生まれ育った所だから、福島をずっと見続けていきたいと語ってくれたこと、本当に皆さんのことばが、頼もしく感じたんですね。
将来、子どもたちが選んだ道が、あとから振り返ったときに、これでよかったんだと思えるように、私たち大人、それから社会が責任を持ってしっかり守っていかなくてはいけないんだと、強く思いましたね。
今回、3つの県を回ってきましたが、ようやく生活を立て直し始めた人もいれば、一方で、生活の再建、自宅の再建を諦める人もいるんですね。
そうした大きな分岐点に差しかかっていると感じます。
超長期化といわれる中、多くの人が少しでもよりよい道を進んでいってほしい、そう願いながら、これからも被災地を見つめ続けていきたいと思います。
政府は、東日本大震災の集中復興期間が来年3月に終わることから、平成28年度から5年間の復興支援の新たな枠組みを、ことし夏までに策定する方針です。
この中では、復興事業の財源の確保と併せて、地元自治体に対してどの程度、負担を求めるかが焦点となる見通しです。
安倍総理大臣は、東日本大震災から4年となるきょう、総理大臣官邸のホームページにメッセージを掲載しました。
安倍総理大臣はきのう、来年3月に集中復興期間が終わることを踏まえて、平成28年度から5年間の復興支援の新たな枠組みを、ことし夏までに策定するよう、関係閣僚に指示しました。
政府は、これまでの復興事業の効果を検証したうえで、地元自治体の意見も聞きながら、復興支援の新たな枠組みを策定する方針ですが、財政再建に取り組む中で、復興事業の財源を、いかに確保するかが課題となります。
また竹下復興大臣が、地元自治体に一定の財政負担を求めることを検討する考えを示したのに対し、自治体側からは、これまでと同様に、事業費のほぼ全額を国が負担するよう求める意見などが出ており、今後、自治体に対して、どの程度負担を求めるかが焦点となる見通しです。
では改めてけさお伝えしているニュースです。
暴風雪や高波などに警戒が必要です。
北海道の占冠村では、送電線でトラブルがあり、昨夜からきょう明け方にかけて、ほぼ全域が停電しました。
北日本や東海、北陸などの山沿いでは、この24時間におよそ50センチから70センチの雪が降り、太平洋側の平地でも雪が積もっています。
北日本や北陸では、猛吹雪になる所がある見込みで、気象庁は暴風雪などに警戒するとともに、雪崩などにも十分注意するよう呼びかけています。
続いて詳しい気象情報です。
北日本では荒れた天気に注意が必要ですね。
渡辺さん。
きょうも警戒が必要なんです。
こちら、渋谷は日ざしたっぷりなんですが、空気が、そして風がとっても冷たく、冬に逆戻りしています。
きょうも北海道から北陸にかけては、暴風や猛吹雪、大雪に警戒をしてください。
東北の太平洋側でもふぶく所がありそうです。
暖かくして、どうぞ寒くないようにお過ごしください。
では、きょうの天気図です。
低気圧が北海道付近でさらに発達して動きが遅くなります。
等圧線が非常に混み合っていますよね。
今後の風の見通しを動かして見ていきましょう。
全国的に風が冷たいんですが、特に北陸から北海道、あす朝まで風が非常に強い状態、続く見込みです。
瞬間的には風速35メートルの暴風が予想されています。
これに雪が加わって、猛吹雪になる所がありそうです。
あす朝までに降る雪の量は、多い所、新潟県で80センチ、北陸の山沿いや北日本でも50センチ前後となっていて、大雪にも警戒です。
2015/03/11(水) 07:00〜07:45
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
▼東日本大震災4年・住まい・仕事・くらし 被災地の4年見つめます。阿部・鈴木両キャスターが、全住民が避難する福島・富岡町から生中継。復興の現状と課題を特集します
詳細情報
番組内容
▼東日本大震災4年 住まい・仕事・くらし 被災地の4年見つめます。阿部・鈴木両キャスターが、全住民が避難する福島・富岡町から生中継。復興の課題を特集します▼NHKの調査では、福島第一原発周辺の4町から避難している人の、5割弱が「元の町に戻らない」と回答。自治体の存続にかかわる事態に▼優良企業を獲得する自治体間の誘致合戦▼被災者アンケートから見える生活格差の拡大▼ゲストは元総務相・増田寛也さん
出演者
【キャスター】近田雄一,和久田麻由子,【スポーツキャスター】西堀裕美,【気象キャスター】渡辺蘭
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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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