はぐれ刑事純情派16 2015.03.11


(大山絹代)どうですか?直りそうですか?どうかしら…?時間かかるのかしら?
(チャイム)
(絹代)はーい!すいません!集金ですが!
(絹代)ちょっとお待ちください!ちょっと待ってねー!「お取り忘れにご注意ください」
(安浦エリ・ユカ)温泉〜
(安浦刑事)そうだよ温泉だよ。
小ちゃいころさお母さんと4人でしょっちゅう行ってたんだよ。
温泉行きた〜い!ねぇ今度の夏休みみんなで行こうよ。
お金どうする?お金は大丈夫さ!お父さんボーナス出るだろ?…そうかボーナス出ても家のローンとほかに使うもんも決まってるしやっぱりボーナスの残りじゃ3人温泉旅行って無理かな?あっ!でも足りない分は500円玉貯金があるじゃない!いいこと言うねぇ!500円玉貯金!さぁ500円玉のお出ましだ!あたし遠慮しとくっどうして〜?えっ?どうしてだ?…お店も休めないしさ!ボーナスの残りでも2人なら行けるでしょ?そうはいかんよ!そうよ。
お姉ちゃんが働いて私たちだけなんてねぇ!優しいねぇ2人とも!ユカ…じゃあ温泉やめようか!お姉ちゃん置いといて温泉っていうのもなぁ!よし!500円玉貯金合わせていっぺんでもいいから一流の寿司屋行ってみよう!いいね〜!ウニとトロ以外は食うなよ!いくら貯まったか見てみるね!うそっちょっと…!あらっ…?なんか減ってるみたい。
そんなわけないだろう!えっ…?ホントだ。
たしかこのへんまであったよな?仕入れのお金足りなくて…。
おいおいおいおい…!お父さん!これね逆さまにしてこうやって1枚ずつ…大変だったの〜!苦労した〜!ハッハッハッハッ…!しょうがないなぁ!儲かったら利子つけて返してもらおう。
(川辺課長)おいみんな!夏休み今のうちに考えとけよ!
(里見刑事)林!最初に取らせてもろたらどうや?
(林刑事)いや俺はいいです!自分は帰る気ないですから。
(高木刑事)どうしてだ?おふくろさん寂しがるだろう。
それが困るんですよ!そろそろ子離れしてもらわないと。
(田崎刑事)…とかなんとか言っちゃってぇ!
(五十嵐刑事)ホントは甘えたいくせに!五十嵐さんわかってないなぁ!おはようございます!
(一同)おはようございます!安さん遅いねぇ!遅刻だよ!あんた今年夏休みなし!何のことですか?あなた8月毎日出てきなさい。
(電話)はい刑事課。
…空き巣ですね?場所は?しまっといたキャッシュカードがここからなくなってて!銀行に確認したら5日前に30万引き出されてたんです!ほかになくなったものはないんですね?
(大山達也)はぁ…。
どうしよう…!娘が結婚するんでなにかと大変なのに…!今日は娘さんは?あ…独身最後の海外旅行へ行ってます。
安浦さん。
外部から無理やり侵入した形跡はありません。
2階も異常なしです。
あの人だわっ!5日前近所のモリタ電気にエアコンの修理頼んだんです!でもキャッシュカードはそのままにしちゃったんです。
その後私2階の娘の部屋に掃除に行って…そうよ!その間にあの人が取ったんだわ!
(大山)絹代…!めったなこと言うもんじゃないよ!でも…!電気屋さんがキャッシュカードの暗証番号は知らないでしょう?奥さん。
キャッシュカードの暗証番号って何番ですか?「0715」です…。
安浦さん!ちょっと見てください!7月15日…奥さんの誕生日ですよ。
そうですよっ!刑事さん絶対あの人ですよっ
(携帯電話)…ちょっと失礼。
(携帯電話)
(絹代)私…変だと思ったんです!チラチラこっち見てたから。
はい。
携帯安浦。
…おう里見。
捕まったら30万戻ってきますよね?落ち着いてくださいね…。
現金は本町7丁目のコンビニのATMから引き出されています。
署へ来ていただいて監視カメラのビデオを見ていただけますか?犯人が映ってるんですね?
(安浦)ええ。
あなたっ!時間なんだよ…。
いいわよ会社行って!どうせ犯人の顔見てないんだから。
すいません。
私はそろそろ…。
(大山)失礼します。
(絹代)頼りにならないわ…。
じゃすぐ支度してきますから!
(里見)大山さんのキャッシュカードが使われた時刻です。
このヘルメットの男です。
(林)これじゃあちょっとわからないですねえ。
高木と今井さんがATMの監視カメラのテープを借りに行ってます。
(絹代)いいえっ!間違いありません!この作業服着てました!安さん。
とりあえずモリタ電気へ行ってみてくれ。
しかし顔がはっきり映ってるわけじゃありませんからね。
奥さんが「間違いない」と言ってるんだ。
じゃあ私と林くんとで行ってきます。
(森田久仁恵)5日前?ご主人3丁目の大山さんの所へエアコンの修理に行きましたね?ええ…。
何時ごろ帰られたかわかりませんか?あのいったい…?
(五十嵐)大山さんのお宅からキャッシュカードがなくなってるという通報があったんです。
まさか…お父ちゃんのこと疑って?一応お話を伺いたいと思いまして。
冗談じゃないわよ!お父ちゃんはねバカがつくぐらいまじめなの!人さまのもの盗むなんてそんなバカなことするわけないでしょ!…お父ちゃんに電話すんのよ。
そんなこと聞いたらびっくりして目ぇまわしちゃうわよ!おい高木…先送れ!これも結局顔までわかりませんね。
そうよマスクっ!
(絹代)その森田って男ね鼻の下にひげ生やしてたんですよ!それ隠すためにマスクしてるんだわ!いやいや…そういうことはあるかもわかりませんが。
この画面を見てですね今の男が森田さんに似てるかどうか…?だって外から誰か入った形跡ないんでしょ?あの修理屋しかいないじゃないの!おっしゃるとおりです!
(電話)はい刑事課。
…ああ五十嵐さん。
行方不明…?どういうこと?仕事先に行ってないんです。
携帯も切ってます。
…はいわかりました。
順一っ!お父さんどこ行ったか知らない
(森田順一)親父どうかしたの?警察に疑われてんのよ!お客さんのキャッシュカード盗んだって!
(携帯電話の電源を入れる)
(携帯電話)
(林)戻りました!
(川辺)おう。
森田将一は?
(林)ダメです。
奥さんと手分けしてあちこち電話したんですが…。
こっちの動きを察して逃亡したか…?課長。
犯人と決めつけるのはちょっと早いんじゃないですか?だってこんな時間まで行方がわからないんだぞ。
仮に犯人だとしても盗んだ金額が30万じゃないですか。
家族を捨てて逃げますかね?
(川辺)金額じゃないよ!
(今井刑事)家庭がうまくいってなかったんですかね?いや…そういうふうには見えなかったですよ。
でも森田さんって養子なんですよね。
あの店の従業員だったのを奥さんの亡くなったお父さんが見込んでお婿さんにしたそうなんです。
そうっ…!安さんそれだよ。
奥さんにすべてを握られ小遣いもままならなくてつい魔が差した!失礼します。
田崎さんお客さまなんですけど。
あっどうも。
あの…もしかしてあなた森田将一さん?はい。
私を…捜してるそうで。
知りませんよ!そんなキャッシュカードのことなんて。
だったらあなた今までどこにいたんですか?いや…ちょっと私用で。
いやはっきり言ってもらわなきゃ困るよ。
今日のことはあとでゆっくり伺うことにしてですね5日前のことなんですが…。
そうそうそれですよ。
7月2日午後7時ごろあなたどこにいたんですか?2日…ですか?あなたが大山さんの家にエアコンの修理に行った日です。
修理が終わって大山さんの家を出たのが6時ちょっと過ぎ。
で…自宅に戻ったのが8時。
大山さんの家からあなたの家まで2時間もかからないでしょ?ですからその間何をしてたか話してください。
よく覚えてないですよ。
たった5日前のことですよ?森田さん。
そこんとこはっきりとおっしゃっていただかないと。
奥さんだって誤解しちゃいますよ?はい…。
そりゃあそうでしょう。
亭主が警察に連れて行かれたまま帰ってこない…。
ひょっとしたらと思うでしょう。
…私のこと愛想つかすでしょうか?ですからそうならないためにもはっきり言っていただかないと。
すいません…一晩ゆっくり考えさせてもらえませんか?お父ちゃん帰してくれないんですか?なにもおっしゃっていただけないものですから…。
なにもって…じゃあ…?大丈夫ですよ。
明日になればきっと帰ってこれますから。
(小声で)…気休めは言わないこと!
(横溝署長)森田を泊めた?任意の段階だろう?はっ…それが自分から泊まりたいと言い出しまして。
…どういうことなんだ?はい。
これはあくまでも私の考えなんですが森田は養子でございまして。
今の状況で帰宅して奥さんに責められるのを恐れているんではないかと。
で…今朝の様子はどうなんだ?あの…今取調べの最中なんですが「思い出せない」の一点張りなんですよ。
しかし物的証拠がない以上これ以上の拘束は無理だぞ。
森田の指紋照合の結果が出るまで待ってもらえませんでしょうか?私としては限りなくクロに近いと思ってるんですが。
…わかった。
結果を急げ。
人権は守らんとな。
これ…あんたじゃないんですか?この作業衣…同じものですよね?
(今井)何とか言ったらどうなんだ?おいっ…!安さんどうした?森田さんの息子さんが訪ねてきて出て行きましたけど。
お父さんのアリバイ?…はい。
親父…?ただいま。
あぁおかえり。
まいったよ!エアコンの取りつけ場所コンクリートでさ。
親父先に風呂に入ってていいよ。
俺シャッター閉めとくから。
なぁ…順一。
んっ?お前…俺がいなくなってもこの店…やっていけるか?なんだよいきなり?万が一だよ!心臓でポックリ逝くってことあるだろ。
ハハハッ…!親父は大丈夫だよ!酒もタバコもやんないんだから。
…まあな。
じゃ…あと頼んだぞ!
(順一)そのときは“疲れてるんだろう”ぐらいにしか思わなかったんですが…。
(携帯電話)
(女性の声)私…。
2日の夜の7時ごろなら出られるわ。
あの公園で待ってて。
…もしもし?そばに誰かいるの?…ごめん切るわね。
(電話が切れる)
(順一)キャッシュカードが使われた2日の7時には親父はその女性と会ってたんですよ。
親父には…女がいたんです。
お父さんにですか?いいんです。
親父を責める気はありませんから。
じいちゃん…死ぬとき親父に言ったそうです。
「店と娘を頼む」って…。
親父それずーっと守ってきたんですよ。
酒も飲まずに店のためだけに30年間…。
相手の女性に確かめてみてください。
それと…このことはおふくろに黙っててもらえませんか?「店を守るために好きでもない人と結婚させられた」って親父とケンカするといつも言ってるんですけど本当は親父にベタ惚れなんですよ。
うん…。
おう晴ちゃん。
森田さんまだいるよな?さっき帰ってもらいましたけど。
えっ?だってキャッシュカードあった引出しから森田さんの指紋出ないんです。
…でも課長はまだクロだと思ってるみたいですけど。
(川辺)いくときはもっときつくいかなきゃダメなんだおい今井っ!これは何だっ水じゃないじゃないか!
(川辺)麦茶だっ!お前薬には水だろう!おい里見!バカにしてんのか?なに笑ってんだっコインロッカーに指輪…?
(須藤妙子)ごめんなさい待った?お前それよりお姑さん大丈夫か?でもどうしたの?こんな時間に。
これお前に持っててほしいんだ。
どうして…?
(森田)頼むよ!じゃあ…このままずっと奥さんに黙ってる気?考えてるよ…。
今考えてるからお前は心配しなくていいんだよ。
とにかくこれはお前が持っててくれ。
ダメッ…!ちゃんと奥さんに話して。
ねっ…?お願い…。
(川辺)えっ?森田が女と?家に帰ってないのか?…うん。
それに相手は若くてきれいな奥さんなんです。
近所の人にそれとなく訊いてみたらですね名前は須藤妙子さん29歳。
ご主人は名古屋に単身赴任。
5歳の娘さんとお姑さんがいるそうです。
(川辺)その女に指輪を渡そうとして断られた?よし…その女に事情を訊いてみろ!
(五十嵐)そんなことできませんよ!相手は家庭の奥さんですよ!子供とお姑さんもいるんです。
とにかく今から署に戻りますっ!五十嵐っ…生意気な!お父ちゃん!お父ちゃんっ大丈夫なんだよねぇ?もう警察行かなくていいんだよね?
(順一)親父っ…!おう…迷惑かけて悪かったな。
なに言ってんだよ!あんたを疑うなんて警察がおかしいんだ。
さぁ中に入って!お腹すいたろ?間違いない。
森田はその須藤妙子という女に指輪をやるために大山さんのキャッシュカードを盗んだんだ。
(田崎)いや課長…。
それはねちょっと性急すぎると思います。
そうですよ!
(林)課長…!向こうは亭主が単身赴任だよ。
森田は女房の言いなりじゃない。
…ということはお互い不満がたまっていたということですか?そうそうそうそう!そうなんだよ!その気持ちがわかるのはさ俺とお前ぐらいだよ!遠慮しながら女房と付きあってく。
これがどんなに辛いことか…!けど課長…。
そうなるとおかしなことになりませんかね?息子さんの話によるとキャッシュカードが使われた時刻に森田は須藤妙子と会っていた。
…ということはですよ森田にはアリバイが成立しませんか?
(田崎)そうですよ!だから女から電話がかかってきたことなんかマユツバだよ!
(高木)父親を助けたい一心で嘘を言ったんじゃないですかね。
(川辺)そうそう!それだ!それに決まってる!
(田崎)あれぇ?安浦さんまだ帰ってなかったんですか?晴ちゃんさぁ…。
えっ?息子さんの話に嘘はないと思うんだ。
森田さんはねあの夜須藤妙子に会ったんだよ…。
でもだったら森田さんなんでそう言わないんですか?そりゃ奥さんに知られたくない気持ちわかりますけど…窃盗の容疑がかかってるんですよ?だよなぁ…そこが俺にもわからないんだよなぁ。
今日は帰りましょうよ。
…ねっ?
(田崎)奥さんだって誤解しちゃいますよ?
(森田)私のこと愛想つかすでしょうか?これ…私のために買ったんじゃないわよね?私指輪なんか欲しがったことないもの!私いつもあんたに言ってるわよね?「お父ちゃんがいてくれればいい」って!
(久仁恵)お願い…正直に言って。
これ…誰にあげるつもりだったの?親父正直に言っていいよ!俺…前から知ってたんだよ。
親父の携帯聞いちまって。
あんた…そうなの久仁恵…!すまんっ…!あんた…!弁解はしない。
出て行けっていうなら出て行く。
ただの浮気じゃないってこと?
(森田)そういう意味じゃない!じゃどういう意味なんだよ!まさか…その女に指輪を買うため大山さんのキャッシュカードを?いやそれは違う!じゃどうやってこれ買ったんだよ!…ローンだよ!
(久仁恵)やっぱり女にっああーっ母さん落ち着いてっ!
(田崎)ちょっと落ち着きましょう!
(林)落ち着いてください!
(久仁恵)ああーっ森田さんこの指輪…新しいもんじゃないですよね?このケースはともかくとしてこのデザインが…爪のあたりかなり古いものなんですよ。
まぁまぁ晴ちゃん…。
うちの母がね昔…。
指輪のことはあとでさ…。
森田さん…。
私あなたに一つお訊きしたいことがあるんです。
あのあなたが公園で会ってた女性のことなんですが。
息子さんからもちょっと話を聞いたんだがあなたあの女性とどういうお付きあいをなさってるか聞かせていただけませんかな?警察に…連れてってもらえませんか?ここじゃちょっと…お話できませんので。
(順一)親父っ!すまん。
母さんのこと頼んだぞ!刑事さん…。
大丈夫。
お父さんは何もしてない。
たださお父さんはお母さんや君の前じゃちょっと話できないことがあるんだよ。
親父のこと信じて待ってていいんですか?この指輪鑑識にまわしてくれ。
わかりました。
林。
もう一度あの監視カメラのビデオ細かいところまでチェックしてくれるか?頼むぞ。
はい。
今んとこ手がかりになるのはあのテープしかないんだ。
わかりました。
おばあちゃん上手!
(チャイム)あたし出る!はい須藤です!お母さんに用があるんだけどお母さんいるかな?ママ?ママはね今お買い物です!おばあちゃんとお留守番なの!そうですか。
じゃあまた来ます。
お待たせしました。
じゃ始めましょうか。
その前に約束していただけませんか?これから話すことは絶対…家内には言わないって。
あのすみません。
須藤妙子さんでいらっしゃいますか?はい…。
警察の方が何の用でしょうか?森田将一さんご存知ですよね?はい…私の兄ですけど。
お兄さん…?兄がどうかしたんですか?
(川辺)妹…?はい。
家内には親兄弟はいないって言ってあったんでつい…言いそびれて。
あの指輪のことで兄が疑われてるんですか?あの指輪を買われたお金の出所でですね…。
あの指輪は兄の母親の物なんです。
お母さん私と兄…母親が違うんです。
兄の母は兄が15歳のとき出て行ってしまって…。
お兄さんを置いてですか?兄のほうから残るって言ったそうです。
ずいぶん悩んだと思います。
兄が高2のとき父が再婚して…それが私の母です。
兄は新しい母親にはなじめなくて…。
高校を卒業すると同時に家を出て行きました。
その3年後に私が生まれたんです。
じゃああなたが生まれたときはもうお兄さんいなかったわけだ。
はい…。
でも…父が亡くなる前私に言ったんです。
兄とお母さんを捜して会わせてやってくれって。
私それから必死で探しました。
で…見つかったわけですよね?千葉の老人ホームにいらっしゃいました。
兄のことも…一生懸命捜して半月前にやっと兄の居所がわかったんです…。
(電話)はいはいちょっと待って!
(電話)もしもしモリタ電気でございます。
(妙子)もしもし…お兄ちゃん?お兄ちゃんよね?もしもし?どちらにおかけですか?お兄ちゃん…私ね…お兄ちゃんの妹なの。
(妙子)私一生懸命説明しました。
私がどんな思いで2人を捜したか…。
しばらくして兄電話をくれました。
「おふくろに会ってきたよ」って。
それから…私にも会いたいって。
それが7月2日だったわけだ…。
妙子か…?ありがとう…。

(森田)ありがとう…。
お母さんのこと…幸せにしてあげて。
この指輪専門家に見てもらったんですけどねこのデザイン昭和30年代のものらしいですよ。
妹なんて嘘なんだよな?この指輪だってどっかの客の家からくすねたんだ!課長!ちょっといいですか?なに?森田さん…正直に言ってくださいよ。
この指輪どうやって手に入れたんですか?もういい。
すぐにわかる。
今うちの刑事がねあんたの女に会いに行ってる。
何を言ってんですかあいつにはお姑さんがいるんですよっ!警察が行ったりなんかしたら!ええっ課長…。
(川辺)安さんどうだった?この指輪はですね森田さんのお母さんの物です。
森田さん。
あなた一昨日千葉の老人ホームへお母さんに会いに行きましたね?だから居所がわからなかった。
どういうことですか?あなたの口から話してください。
容疑が晴れないとお母さんの面倒も見られなくなります。
話してくれますね?あぁ〜っ!クソッわかんねえよもうっ!もう!弱音を吐かない!今コーヒー淹れますから頑張りましょう。
家を飛び出してから…私もおふくろを捜しにいったんです。
でも森田のオヤジさんに拾われて店を任されるようになったら…おふくろのこと忘れちまって…!でもあなたは妹さんから電話がかかって飛んでった。
行きました…!
(森田)飛んでいきました!あちらの方です。
少し子供がえりなさってるんです。
そうですか…。
…おふくろ。
…将一。
俺だよ…。
(森田)どうして…私のことがわかったのか…?そのときだけでした…。
あとはなんにも…。
あきらめて帰ろうとしたんです。
そしたら…職員の人がこの指輪を私に渡してくれたんです。
おふくろはずーっと独りで暮らしてきました。
最後は民生委員の方にお世話になったそうです。
その人に…言ってたそうです。
「自分が死んだあと息子が訪ねてくるようなことがあったらこの真珠の指輪を…あの子に渡してやってほしい」って。
「息子もいい年だからお嫁さんがいるだろう」「その人にはめてほしい」って…。
この指輪親父からの唯一のプレゼントなんです。
そんなもの…後生大事に…。
そう思ったらたまらなくて…。
どんな思いをしてもおふくろと暮らしてやりたいって…そう思ったんです…!どうしてそのことを奥さんに打ち明けなかったんですか?あいつに言ったら「引き取ろう」と言うに決まってますから。
引き取ってあげたらええやないですか…。
あいつにはそんな苦労かけたくないんです。
そんな思いさせたくない。
あいつはそーっとしておいてやりたいんです。
それでわざと愛想づかしされるように…?おふくろを独りぼっちにさせたのは私なんです…。
あのときついてってやれば…!どうもご迷惑をおかけしました。
家に帰ったら奥さんにぜーんぶ話してくださいよ。
いやもう…家内の顔は見れないですよ。
森田さん。
あ…お父ちゃん!あたしから逃げようたってそうはいかないんだからね!妹さんに全部聞いた!あたしうれしかったんだから!だって父ちゃん生んでくれた人にひと言いいたかったんだもん。
「こんないい人よくぞ生んでくれました」って。
…なにボケッとしてんの!早くお母さんを迎えに行こう!久仁恵…!家族なら当たり前だろ!ありがとう…!じれったいねぇ!早く行こう!
(森田)すいませんでした…。
安浦さん…ありがとうございました。
安浦さん!来てください!安浦さん!この腕時計見てください!
(林)この腕時計見てください!
(高木)大山さんにお話を伺いたいんですがね。
今呼んできます。
大山さん!なんか警察の方がみえてますけど。
警察…?
(作業員)山手中央署の方ですけど。
(大山)なんだろう…?
(林)大山さん!
(大山)あ…こりゃどうも。
(林)あなたはいつも背広姿で出勤しますね?
(五十嵐)だから奥さんはあなたのそういう姿を知らなかった。
(高木)大山さん…あなたに間違いありませんね?
(絹代)あなたっ!どういうことなのよ!どうしてあなたがっ田舎のお母さんが入院して30万円送金したそうです。
なんでそんなことあたしに黙って……すまんっ!弟に「何とかしてくれ」って頼まれて…。
冗談じゃないわよぉ!あなたの実家のことは弟に任せたんでしょ?いやしかし…。
入院費くらいは…。
「くらい」って30万よ!あたしがどれだけ節約してると思ってるの!おふくろに…何かしてやりたかった!
(絹代)なんなのよぉ!“おふくろおふくろ”って!マザコンじゃあるまいしっ!いい加減にしてくださいよ!母親のこと心配するのがマザコンなんですか?じゃあ私なんか立派なマザコンだ!いまだに死んだおふくろのことずっと思ってるんだから!自分もですよ!あの言うたら悪いですけどね男っちゅうのはみんなね母親に弱いんですわ!母親のこと思うとこのあたりがねキューンとするんです!それがいけないですかご主人だって家族のために今まで頑張ってきたじゃありませんか。
少なくとも…父親の役目は果たしたはずです。
ほんの少しの親孝行ぐらい笑って許してあげたらどうです?すみません。
もう勘弁してやってもらえませんか?悪いのは私なんですから!
(絹代)あなたぁ…!なんや…アホくさ!あの…私は罪になるんでしょうか?残念ながら無実です。
自分の金を引き出しただけなんですから。
ただしねご主人。
これからああいうことをなさるときは奥さんに言ってからにしてくださいね。
そうそう。
どうかお引き取りください。
(絹代)あぁ〜よかったわ!あなた行きましょ!
(川辺)何ごともかみさんの許可を得とけばいいんだよ。
それが夫婦円満の秘訣!まったくわかってない!…いやに実感こもってますね。
(田崎)そりゃそうよ。
おふくろ。
これ俺の嫁!
(久仁恵)なによ「これ」って。
指輪見せてあげてください。
やぁだ…なんか照れる。
(順一)照れる年かよ!…だよね。
久仁恵です…。
ふつつか者ですがよろしくお願いします。
孫の順一です。
よろしくねおばあちゃん。
孫だよ!妙子…ありがとう。
やっぱり実家に帰ろうかなぁ…。
そうだ。
やせ我慢は禁物だ。
休み取れ!俺も休むぞ。
金をかけない夏休み!ハハハッ…!「あぁ夢はぐれ恋はぐれ」「飲めば飲むほど淋しいくせに」「あんたどこにいるのあんた逢いたいよ」
(拍手)いいな〜ママさん。
安浦さんにあんなふうに思われて。
あたしも誰かにあんなふうに言われたいわぁ!
(片桐由美)私のことじゃないのよ…。
この歌の「あんた」ってお母さんのこと…。
そうなんですか?残念だけど…私はお母さんには勝てないの。
「それとも涙がかれるまで枕ぬらしてかぞえ唄」あれっ…?お母ちゃんどこだ?ちょっと!なに寝ぼけてんのよ!これぐらいの酒にのまれるな!「泣けば泣くほど悲しいくせに」「あんた抱かれたいよあんた逢いたいよ」「窓にしぐれの〜この雨は〜」ちょっとお父さん何時だと思ってるの?シィーッ!なんだよぉ…お母さんのことを考えてお母さんのことを思って歌ってんだから!
(エリ)近所に聞こえるよ!わかってる。
寝ろ寝ろ!静かにしてよ!「抱かれた〜いよ〜」おはようございます今週のあるき目ですはまぁ転職とかね2015/03/11(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
はぐれ刑事純情派16[再][字]

「秘密の指輪を持つ女!」

詳細情報
◇出演者
藤田まこと、眞野あずさ、梅宮辰夫 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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