こんにちは。
この時間は東北地方で毎週放送している「被災地からの声」を全国に向けてお伝えします。
NHK仙台放送局では震災の直後から被災された方々の「今一番言いたい事」を放送し続けてきました。
今回は先月末に岩手県宮古市で伺った声をお伝えします。
ご覧下さい。
皆さんこんにちは。
「被災地からの声」です。
毎週この時間は被災地にお住まいの方々の声をお伝えしています。
震災から4年。
亡くなった方への追悼ですとかこれまでのご苦労など被災された方の中ではさまざまな思いが交錯していると思いますがそうしたさまざまな思いの一つにはこれまでに受けた支援への感謝という思いもあります。
事実これまで番組の取材でもスケッチブックに直接感謝の思いを書く方もいれば書かなくても撮影中にカメラの前で感謝の気持ちを述べる方はたくさんいました。
震災から4年。
今回の取材では特に皆さんがお持ちの感謝の思いを中心にお話を伺う事ができました。
今日は岩手県宮古市の声です。
宮古市は岩手県沿岸にありまして震災による家屋の倒壊数は岩手県内で最も多く被害総額は2,400億円を超えています。
人口は現在およそ5万7,000ですが既に震災前と比べて2,000人減少しています。
まずは宮古市の中心部で聞いた声です。
(取材者)これから10年先はどんなふうに見ていますか?
(取材者)無いとこに花が来たからですね。
そうです。
(取材者)あまりいいにおいじゃない…。
(取材者)今何種類ぐらいあるんですか?
(藤田)100種類以上あるかと思いますけど。
もともとはおじいさんが和菓子を。
そして私の父親が洋菓子を広めたので。
注文をより受けられるように。
(取材者)反響はどうですか?
(藤田)多くはないですけどあります。
(取材者)具体的にどんな事があったら?これとこれがそのレシピをアレンジしてうちの方が作ってる和菓子になります。
(取材者)同級生が?
(藤田)そうですね。
触ってみて下さい。
やわらかいですから。
ほんとだ。
これがちょっと長もちするんですこのまま。
こちらはお菓子の専門学校の時の同級生から送って頂いた中古の…。
(取材者)「ありがとう」ではなく「大感謝」。
「大感謝」!この2011年3月11大津波はここまで来ました。
(取材者)被害額はどのぐらいなんですか?相当なもんですよね。
あの被災した人に花を届けてくれた方がいました。
また店の再建のため企業秘密まで教えてくれた同業者もいました。
更には震災直後自分の店を頼ってきたお客さんもいました。
「感謝」というたった一つの言葉ですがいろんな背景があるんだなというのが分かります。
一方お話の中では人口流出やにぎわいの喪失といった課題が地域の共通認識でした。
郊外の大型店であれば広い駐車場を備えて隣の町まで含むような広い商業圏で商売できるんですが個人商店というのは徒歩ですとか自転車で移動できる距離の狭い商業圏で商売するのが基本です。
被災地域の人口流出というのは大きな痛みを伴う打撃です。
若い人が店をやってほしいという花屋さん。
またネット販売に挑戦しているお菓子屋さん。
仮設を一軒一軒回って御用聞きしたいと言っていた電気屋さん。
全部人口流出に悩んでの事です。
あの効率を大事にする方であれば商売が厳しいなら早く店を畳んで他の仕事に就けばいいではないかという事も当然考えると思います。
しかしこの個人商店には少ない数でも信頼で結ばれた地域のお客さんがまだ残っています。
それを思えば簡単に商売を諦めずになんとか頑張りたいという人間味が個人商店にはあります。
お菓子屋さんの藤田さんは「地方創生」という言葉を使いましたがこうした地域の人間味を守ってこそ言葉に現実感が出てくるのかもしれません。
引き続き宮古市の声です。
(取材者)お二人とももともと赤前の近くでお知り合いで?はい。
(取材者)次行くとこも?同じ。
(取材者)前住んでいたとこも仮設もそしてこれから住むとこもずっと一緒なんですね。
そうですね。
そうですね。
お世話になって。
お世話になってお互いにね。
(取材者)楽しみより不安?そうですね。
(取材者)今からローン組む?そうです。
(取材者)土台を作るのにコンクリート。
そうそう…。
だから何か…急に上がってるみたいですがね。
(取材者)じゃあ楽しみはあんまりないけど…。
う〜ん。
まあ…。
そうですね。
あんまり。
あんまりね。
でもねやっぱりどうなんだろうね。
仮設でもひな祭りやりたいんだけどおひな様が無いからどっからか見つけてくれないかなって言ったらば横浜の…。
(取材者)ちっちゃいお子様も結構いるし…。
(佐々木)結構仮設から離れた子供たちもおりますからね。
(取材者)みんなお孫さんみたいなもんですもんね。
(佐々木)そうですよね。
結局ですね…
(取材者)最後の一人が出ていく時どんなふうにしたいですか?
(取材者)何が楽しみですか?
(取材者)閉じ籠もりがちな人が出てきてくれる?そうですね。
結局ですね…こっち来てたまに買おうかなと思っても無いんですよ。
今思えばほんとに悪い事したよ。
職変えをすればよかったですよ。
いないんですもんうちに。
(取材者)それは連絡取れないから分かってたって事ですか?
(取材者)横浜から戻ってきて4年間どんな4年間でした?いや〜4年間って…
(取材者)やっぱ夜が今でもですか?「車を出してくれてとても感謝しています」。
(取材者)自分の車を出してくれた?
(取材者)帰ってこれたのは社長さんや…。
(取材者)もし社長に会えたら何か言いたい事ありますか?今の柳澤さんの感謝はよく知った故郷の地形と行方不明の情報から信じたくはないけれども奥様の死を覚悟しながら出稼ぎ先の横浜から故郷を案じている時のお話でした。
「夜が切ない」とか「俺一人でどう生きたらいいんだろうか」とかこうした言葉4年たってもこの気持ちは被災地では何の不思議もない実に自然な気持ちなんだという事を是非分かって頂ければというふうに思います。
また自治会長の佐々木さんは仮設を出たあとの見通しが立っていない方のお話もしていました。
特に災害公営住宅に入る際に連帯保証人を見つけてくる条件がネックだという指摘でした。
これについて補足いたします。
災害公営住宅に入るには連帯保証人が必要で宮古市の場合ですと市内に住んで市税の滞納もなくかつ60歳未満で自分と同程度以上の収入があって公営住宅には住んでいないと。
これらを全て満たす連帯保証人が必要です。
ただ市に聞きますと個別に条件面を緩和するなど対応は考えているそうなので役所から来た紙を見ただけで入居を諦めたりする事のないようとにかく事前に相談してほしいという事でした。
さて番組では皆さんからの声も募集しております。
NHK仙台のホームページそして携帯電話からもご覧の手順でお寄せ頂けますのでよろしくお願いいたします。
では「被災地からの声」今日はこの辺で失礼いたします。
2015/03/11(水) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
被災地からの声「岩手県宮古市」[字]
被災地で出会った方々に、「いま一番言いたいこと」をうかがい、その思いを全員放送しています。今回は、岩手県宮古市でお聞きした声をお届けします。
詳細情報
番組内容
被災地で出会った方々に、「いま一番言いたいこと」をうかがい、その思いをスケッチブックに書いてもらった上で、思いの丈を語っていただきます。撮影した方の声は、全員放送しています。今回は、岩手県宮古市でお聞きした声をお届けします。
出演者
【出演】津田喜章
ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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