(男性)どうしました?大丈夫ですか?
(警官)どうしました?大丈夫ですか?
(警官)救急車を呼んでください。
(男性)はい!
(永沢未紗)「私は何もやっていません…!」「でもこのような形でファンの皆さんにご迷惑をおかけした事は本当に申し訳なかったと思っています」
(佐久間裕司)ああもう大変な事になってるよ。
俺結構ファンだったんだぜ。
(二宮功一)俺もですよ。
(遠山修介)彼女最近よくCMとかで見ますよ。
そりゃそうだろお前。
(仙堂卓巳)こんな記事が出たからには降ろされちゃうんじゃないの?
(佐久間)え?いやそれだけじゃないな。
ウン千万…いやもしかしたら億単位の違約金を払わされるかも。
(佐久間)え?未紗ちゃんが?
(電話)
(水沢響子)はい刑事課。
はいはい…。
はいわかりました。
すぐ行きます。
糸村君。
(糸村聡)はい。
それから仙堂。
月島総合病院行ってきて。
え?どうかしたんですか?月島3丁目で男性が救急搬送されたらしいんだけど頭部に外傷があったんだって。
でその男性は?亡くなったらしい。
いってきます。
仙堂ほら。
(仙堂)はい。
いってきます。
ID…。
筆箱…。
名刺…。
所持品の少ない人だなあ…。
ん?このボールペン…。
やたら使い込まれてる…ような。
糸村さん。
はい。
行きますよ。
了解。
亡くなったのは相田徹さん35歳。
職業はフリーライター。
死因は頭部損傷による外傷性脳挫傷でした。
脳挫傷?ああ。
頭を強く打ちそれが原因で亡くなったって事だ。
なお頭部を殴打されたのか転んだりして打ったのかは不明との事です脳挫傷って事は頭を打ってから数時間後に死亡って事も珍しくないよね。
じゃあ時間もわからないですよね。
うーん…残念ながら。
(佐久間)厄介だなあ。
遺族のほうは?
(仙堂)遺族はいません。
両親もすでに亡くなってました。
遺品をどうするかについては九州にいる親戚と今連絡を取ってます。
遺品っていえばさあ相田さんの仕事道具が何もなかったっていうのが気になるよね。
そうなんです。
普通フリーライターならノートパソコンとかメモ帳…あとボイスレコーダーなんてものを持ってそうなんですがそういったものは何もありませんでした。
盗まれたって事も十分考えられるからまずは事件の線で洗ってみよう。
遠山と二宮は昨日の相田さんの足取りの捜索とあと携帯の解析をお願い。
(二宮・遠山)はい。
それから佐久間と仙堂は相田さんの周辺を洗ってみて。
(佐久間・仙堂)わかりました。
それから糸村君は…。
何やってんの!?遺留品勝手に使っちゃダメでしょ!このボールペンそんなに書きやすいってわけじゃないんですねえ。
そんな事いいから!ほら行くわよ!あっいてっ!痛い痛い!ちょっと課長…!
(佐久間)相田さんは普段どんな記事を?
(吉岡学)最近では市役所の職員が個人情報を紛失した件やプロスポーツの黒い交遊に関する記事…なんてのを書いてました。
わりと社会派なんですね。
ええ。
スクープも多いしいい記者でした。
残念です。
(佐久間)ん?
(仙堂)どうしました?このスクープこれも相田さん?
(吉岡)えっ?これこれこれ…。
(佐久間)これこれこの。
(吉岡)違います。
相田はこういう芸能ネタはやりません。
これは…ああいつが書いたもんです。
(吉岡)相田の事なら彼に聞いてみたらどうです?よくかわいがってましたから。
寺崎。
ちょっといいか?
(寺崎慎也)はい。
なんでしょう?実は昨日相田が死んだそうだ。
相田が死んだ!?それで今刑事さんがな…。
あの…相田さんの周りで何かトラブルはありませんでしたか?ないと思いますよ。
誠実な奴だし仕事もバカがつくぐらい丁寧でしたから。
そうですか…。
ああとあの…こういうのってのは本当なんですかね?ええ。
もちろんです。
渾身のスクープです。
そうなんだ…。
どうもありがとうございました。
ちょっと。
ありがとうございました。
いいじゃねえかいっぱいあんだからよ。
(ドアの開く音)マンション入り口の防犯ビデオ借りてきた。
そっちどう?なんか見つかった?相田さんボールペンの替え芯こんなに用意してます。
…って事はボールペンはあれ1本だけ?ねえ糸村君そういうのよりさなんかこうノートパソコンとかボイスレコーダーとかそういう仕事に使えそうなもの探そうよ。
どうぞ。
ん?何これ?USBメモリーです。
そこに入ってました。
でもそれを差すべきパソコンは…。
…どこにもありませんね。
画像データですね。
(二宮)はい。
ん?これって法務大臣の河島達男じゃないの?
(仙堂)ええ。
(二宮)誰だ?こいつ。
以上ですか…。
これ今回の件となんか関係あるんですかね?もしかしたら相田さんこの2人の事について調べてたんじゃないかな。
(仙堂)法務大臣の何を調べてたんでしょう?
(佐久間)それはわからんがとにかくこの2人に都合が悪い事があったとしたら…。
公表される前になんとかしたいと思うはずだよね。
ええ。
…っていう事は相田さんの仕事道具は彼らに奪われた可能性もあるって事?ええ。
じゃあちょうどその時相田さんは頭を…。
防犯カメラによると相田さんが自宅マンションを出たのって確か2時45分だから…。
そのあとの足取りは?はいえーと…。
携帯電話のGPSの記録を取り寄せたんですが…。
午後3時半頃から30分ほど渋谷区宇田川町に滞在しています。
ここにはカフェがありますからもしかしたら誰かと会っていたのかもしれません。
そのあと目黒区青葉台に移動するんですが…ここ!永沢未紗が所属する芸能事務所がある場所なんですよ。
これ例の記者会見の時間だな。
(遠山)ええ。
(遠山)ここには午後4時45分頃から30分ほど滞在しそのあと倒れた現場の月島に移動しています。
じゃあみんなで手分けしてあたろう。
(一同)はい。
何してんの!私たちも行くわよ!…了解。
(寺崎)水沢警部ですよね?あなたは?寺崎っていいます。
(寺崎)あの…相田の件って殺しなんですか?相田さんのお知り合いですか?…あいつは俺の弟みたいなもんです。
ああそうですか…。
…でどうなんです?まだ詳しい事は何もわかっていません。
本当に?…ええ。
じゃあもし何かわかったら真っ先に俺に教えてください。
これだけは絶対に俺が記事にしたいんで。
あの〜相田さんのお知り合いなんですよね?あの私糸村といいます。
このボールペンに見覚えありませんか?あいつが昔から使ってたもんです。
昔?どれぐらい昔なんでしょう?もう10年ぐらい前かな。
とにかく大事にしてましたよ。
…2〜3か月前だったかな。
編集部でそれがなくなった事があったんですよ。
(寺崎)そしたらあいつ慌てちゃって…。
(相田徹)ペン知らない?
(女性)知りません。
ああ…よかった…!でも相田さんはどうしてそこまでこのボールペンを…?
(寺崎)「これが自分の原点なんだ」って言ってました。
原点?気になるんならあいつの古い友人に中村って男がいるんで聞いてみたらどうですか?中村何さんでしょう?確か中村賢二っていったかな。
売れない芸人です。
芸人さん…。
(遠山)青葉台5丁目16ってここだよな?
(二宮)はい。
ああすごい騒ぎですね。
(遠山)うわーこりゃ話聞けるかな?ああ出てきました!おっ!
(スタッフ)下がってください!皆さん道あけてください!
(警備員)道あけてください!
(スタッフ)どいてください。
…うぜえんだよ。
(二宮)ああイメージと全然違いますね…。
がっかりですよ。
そういうもんなんだろうな。
芸能界ってところはよ。
(柏木りお)さあという事で今日のランキング1位は3丁目の「スイーツ高橋」さんでした!おめでとうございまーす!
(中村賢二)甘すぎるなこれ。
お送りしてきました大盛りスイーツランキングショートケーキ編中村さんいかがでしたか?まあ俺に言わせりゃ子供のおやつですね。
(りお)子供から大人まで楽しめるみんなに美味しいケーキをご紹介しました。
という事で『井戸端カフェ』今日はここまでです。
また明日!バイバーイ!
(スタッフ)はいオッケーです。
お疲れさまでした!
(遠藤)中村さんお疲れさまでした。
すいません中村賢二さん?私月島中央署の水沢と申します。
少しお時間よろしいですか?…はい?あの…相田さんがお亡くなりになった事は?聞きました。
中村さん相田さんとは古いお付き合いだったみたいですね。
昔コンビで漫才やってたんですよ。
10年前。
10年前ですか。
ちょっといいですか。
でしたらこのボールペンなんですけど…。
糸村君そういう事はあとにしてもらってもいい?
(ため息)中村さん相田さんから何かお聞きになってないですか?何かって何を?例えば誰かともめていたとか?さあ…。
あるいは今追っているネタについてとか。
そういう事は何も。
そうですか…。
もういいですか?あのこのボールペンなんですけれども見覚えありませんか?なんすか?それ。
相田さんの原点だそうです。
10年ほど前から使っているものだそうなんですが心当たりありませんか?ないっすね。
中村さん明日の鮫洲特集の打ち合わせしたいんですけれどよろしいですか?もういいですか?ありがとうございました。
(遠藤)中村さんあれでも昔は天才芸人って言われていたんです。
けど気難しいというかプライドが高いというか…。
人に合わせる事が出来なくてほされるようになって今じゃうちの番組が唯一の仕事です。
でも実は今うちの番組ですら危うい状況なんですけど。
何かあったんですか?視聴者からのクレームメールがすごいんです。
(遠藤)「あいつを降ろせ」って。
それってちなみにいつぐらいからですか?最近急に増えました。
あのそれ以外に中村さんの周りで何か…。
何かありませんでした?ああそういえば一昨日うちのスタジオの裏で…。
うるせえな!説教くせえ事言ってんじゃねえよ!てめえのだらしなさは自分が一番よくわかってるよ!そんな事言ってないだろう!その目が言ってんだよ。
いい年こいて売れない芸人続けてバカじゃねえかって。
中村!中村!そのもめてた相手ってこの人だったんですね?ええ。
(二宮)この辺なんですけどね。
(遠山)ああ。
ああそこです!宇田川町46。
ここか。
はい。
昨日の午後3時30分頃この方がこちらに来ませんでしたか?
(峯岸亮介)ああいらっしゃいました。
そちらの席に。
(峯岸)誰かと待ち合わせしてたみたいですけど結局誰も…。
その時何か変わった様子ありませんでした?いえ…特には。
(佐久間)こちらの写真の男河島大臣の息子です。
(東孝彦)河島大臣ってあの法務大臣のか?はい。
まさか今回の件に関係してるっていうんじゃないだろうな?河島公彦25歳。
大手の広告代理店に勤務するサラリーマンなんですがまあこれがとんでもないバカ息子で毎日女遊びに明け暮れてるみたいです。
いや遊びはいいんだよ別に。
えっ?若いんだからどんどん遊べばいいんだけどさ。
私だってほら25歳の頃はひととおりはね…。
ひととおり…?でもさあ女遊びぐらいで記事になんないでしょ。
まあ確かに。
だからまあなんか別の事を探ってるって事みたいなんですけど。
とりあえず今は仙堂と遠山を張らせてますんで。
おいおいそれで本当に何か出てきちゃったらどうすんだよ?大臣絡みの事案なんてうちの署じゃこれ手に負えないぞ!あ〜ダメだダメダメ。
想像しただけでめまいがしてきた。
ちょっと失礼するよ。
失礼するよ。
大丈夫ですか?なんだかな…。
(ため息)あそっちはどうだったんですか?ああなんかね相田さんって昔芸人を目指してたんだってさ。
芸人?意外なとこですね。
うん…。
でそん時の相方だった中村賢二っていう人ともめてたっていう情報はあったんだけど…。
アリバイがあった?そうなのよ。
あれ?じゃあ糸村さんどうしてんですか?イ…カ?
(ため息)今日はちょっとお伺いしたい事がありまして。
一昨日の昼ならスタッフとマージャンしてたって言いましたよね?あいえその事ではなくて…。
このボールペンなんですけどこれここにイラストが描いてあるんですよ。
これなんのイラストかわかります?イ…。
イ…。
…イカ。
そうイカなんです。
これ見覚えありませんか?ないですね。
本当に?その時計珍しいですね。
ん?ちょっといいですか。
ちょちょっとあんた!痛い痛い。
よいしょ。
無理やりだな!へえ〜。
これどこでお求めになりました?忘れましたね。
ありがとうございました。
出てきました。
(河島公彦)じゃあね。
お疲れ。
(女性たち)バイバーイ。
こんなまどろっこしい事しないで直接本人に話を聞いた方が早いんだけどな。
ダメですって。
バックに河島大臣がいるんですから。
うかつに手は出せませんよ。
(店内の音楽)
(店内の音楽)
(カメラのシャッター音)
(女性客)ちょっと何?
(女性客)何撮った?オヤジ!
(仙堂)ちょちょっと…。
(女性客)ねえねえ1人?一緒に飲まない?
(遠山)1人じゃない…。
(女性客)カメラ撮ってんの?
(女性客)撮ろう撮ろう!
(遠山)俺のじゃないから…。
(女性客)いくよせーのイエーイ。
(遠山)酒くせえな。
(仙堂)あいつモテモテかよ!1人だけモテやがって。
捜査をなんだと思ってんだこの野郎。
逆にすごいなあいつは。
(店員)VIPルーム用意出来ましたよ〜。
(公彦)サンキュ〜!
(カメラのシャッター音)ちょっとごめんなさいよ。
(女性)すごーいありがとう!いただきまーす!
(遠山)昨日河島公彦を張ってみたんですが特にこれといったものはありませんでした。
とりあえずこれが写真です。
(佐久間)ん?ちょっと…ちょっと待ってこれ。
どうしたの?
(佐久間)いや…え?これちょっといいですか?この写真に写ってるこのオブジェとこの記事のオブジェ。
これ同じものじゃないですか?本当だ!…って事は河島公彦と永沢未紗は同じクラブに出入りしてたって事?まさか河島公彦もこのクラブで大麻を使用してたんじゃ?それじゃあ相田が調べていたのは…。
河島公彦の大麻使用疑惑。
(佐久間)現役の大臣しかも法務大臣の息子が大麻を使用していたとなるとこれ大騒ぎになるぞ!だから河島親子は相田さんを襲ってその証拠を…。
推測にすぎない。
あれ?こいつ…。
あっこれそうだよ!どうしたの?こいつ渋谷の宇田川町のカフェの店員です。
いらっしゃいました。
そちらの席に。
(遠山)クラブでの様子だと河島の仲間のようでした。
じゃあこの男が河島に頼まれて相田さんを襲ったって事か?いやあ…。
カフェの店内で相田さんを殴打したあとにカバンから仕事道具盗むなんて出来るか?他の目もあんのに。
とにかくもう一度いってきます。
二宮。
(佐久間)課長俺こっちの方あたってきます。
お願い。
イカイカ…。
イカ…。
イカ…?ビデオ付きテレビ懐かしいな。
あっ生きてる。
「イカキン」?
(司会者)「さてネクストチャレンジャーは高校サッカー部のチームメートがコンビを結成…」『イカすお笑いキングダム』。
(司会者)「けんじto相田だ。
レッツゴー!」「どうもけんじです」「相田です」「僕たち…」
(2人)「けんじto相田でーす!」中村さんと相田さんだ。
「お前知ってるか?日本はねなかなかワールドカップ出場できなかったんだよ」
(相田)「知ってますよ8年前のアジア最終決定戦テレビで見てたのよ」「勝利目前のロスタイムで同点に追いつかれて」「そうそうそうドレミファの悲劇ね」「ん?」「ドレミファの悲劇っつってソが出なくてねとっても大事にしてたのにってそれクラリネットじゃねえか!パパからもらったクラリネットじゃねえかよ!」「なんで俺が怒られてんだよ」「先進めて」いやそこドーハって言わないと。
ツッコミになってない。
(寺崎)取材は続けていきますんで。
あのすいません。
じゃあ寺ちゃん。
締め切り明後日だから。
頼んだよ。
ごめんなさいね。
あのこの永沢未紗の大麻疑惑についてもう一度伺いたいんですが。
なんでしょう?
(佐久間)あのこれって本当なんですよね?前にも話したじゃないですか本当だって。
しつこい人だな。
じゃあその同じクラブに出入りしてる人間の中で他にも大麻を使用してる者がいるとかは?さあどうでしょう?ただ近々続報を打つつもりなんでそれを楽しみにしててくださいよ。
それじゃ。
続報?
(バイクのエンジン音の着信音)結構人通りがありますね。
確かにこんな人目がある場所で襲うのは無理だよな。
(二宮)はい。
いや…GPSの場合場所は特定出来ますけど例えばビルの中だと上下のどの階にいるかまではわからない事がありますよね。
じゃあ相田が別の階にいた可能性も?十分ありえると思う。
二宮。
(二宮)はい。
(中村)「俺でも持ってないのに」
(相田)「いや知らねえよ!」微妙だな…。
「カバディじゃなくてダバディね」「そうなの?」「
(不合格の効果音)」
(司会者)「いやいやいやいや残念でした」「では堀田先生いかがでしたか?」「そっちの中村君だっけ?彼はまあまあなんだけど相方がまるでダメだな」「100万回生まれ変わってもおもしろくならないよ」
(女性)「悔しくも不合格のコンビには…」あっ!これ…。
「番組特製イカ様ボールペンを差し上げます」「残念でした」
(司会者)「残念でした〜」残念賞だったんだ。
ここです305。
(遠山)おう。
仙堂さんこれ血じゃないですか?
(仙堂)至急鑑識の手配!はい!中村さん。
(ため息)相田さんが大事にしていたボールペンの事わかりましたよ。
10年ほど前のお笑い勝ち抜き番組の残念賞だった。
もちろん気づいてましたよね?よく調べたね。
(女性)「悔しくも不合格のコンビには番組特製イカ様ボールペンを差し上げます」「残念でした」
(司会者)「残念でした〜。
ありがとうございました」
(舌打ち)いらねえよ残念賞なんか!は〜あ!お前に笑いの何がわかるんだよ。
たった1回けなされたぐらいで諦めたような奴が偉そうな事言うんじゃねえよ!他にもいろいろと調べさせてもらいました。
その時計100万円ぐらいするもんなんですね。
シリアルナンバーからクレジットカードの記録にたどり着きました。
購入者は女優の永沢未紗さんでした。
たどり着いた?
(中村)あいつが新人の頃一緒に番組やっててそれで付き合ってたんですよ。
まあ1年で別れましたけど。
そしたらあいつ別れ際にあんたの芸をおもしろいと思った事は一度もないって言いやがって。
それが許せなかった?これでも俺にはそれしかないから。
相田さんはお二人のお付き合いの事ご存じだったんですか?え?もしかして…永沢さんの大麻の事も…。
空き部屋から採取した血痕が相田さんのものと一致しました。
あそう。
それから比較的新しい指紋がいくつか出ましたのでのちほど照合します。
わかった。
じゃあまず呼んで話聞いてみましょう。
峯岸さん。
3階の空き部屋にあった指紋とあなたの指紋が一致しました。
河島公彦の大麻使用の証拠を奪って処分するためにあなたが相田さんをあの場所に呼び出して襲った。
違います。
俺はあの人から荷物を受け取るように河島さんに頼まれただけです。
荷物を受け取る?あの人がうちの店に荷物を持ってくるからなるべく人目につかないところで受け取ってくれって。
だから…。
失礼します。
(峯岸の声)3階の空き部屋で待っていてくれと書いたメモを見せたんです。
そこへたまたま電話がかかってきて…。
(電話)はいもしもし。
あっはい。
(峯岸の声)けどそれが面倒な電話で。
やっと切って3階に行ったらもうあの人が倒れてて…。
(峯岸)おいどうした?おい!おい…!なんも入ってねえじゃねえかよ!
(峯岸の声)そういえば部屋にいる時バイクの音がしたんです。
きっとそいつが犯人なんです!何?これ。
やましい事がないならさ尿検査してもらっていいかな?本気で言ってんの?もちろん。
仲間の峯岸を使って相田さんを呼び出したあと殴って証拠を奪ったのはお前なんじゃねえのか?ねえ弁護士呼んでよ。
なんだと?弁護士がダメならうちの親父呼んでもらっても構わないんだけど。
そうなったら困るのさおたくらの方なんじゃないの?大臣がここに来たら…まずいまずいまずいまずい。
どうする?えっ?どうすんだ?2人とも容疑を否認か。
今2人とも帰しました。
(佐久間)ああご苦労さん。
お疲れさまです。
しかしなああの2人以外に誰がいるっつうんだよ。
課長どうかしたんですか?うーん峯岸がちょっと気になる事言ってたんだよね。
と言うと?空き部屋にいる時にねバイクの音が聞こえたんだって。
バイク?
(仙堂)犯人はバイクで逃走か。
うーん…こっちも1つ気になる事があります。
まあ河島が言ってた事なんですが相田さんの方から連絡があったって言うんですよ。
なんか渡したいものがあるって。
それって相田さんが自分から大麻の証拠を渡そうとしたって事?うーん…そうなんですよねえ。
ただ今戻りました。
(佐久間)糸村さん何してたんですか!このボールペンの事がようやくわかったんですよ。
ボールペン?それから…あっ。
この記事の事も。
え?この記事ネタ元は中村さんだったんです。
中村さん?ええ。
どうして?中村さん以前彼女とお付き合いをしていたそうなんです。
でまあいろいろとあってそのネタの事を相田さんに話した。
このクラブ調べてみろ。
お前それでいいのか?それよりさこのネタいくら払ってくれる?ん?相田さんに?相田さんにです。
えっじゃあなんでその記事を寺崎さんが?渾身のスクープです。
まさか…。
(犬の鳴き声の着信音)
(犬の鳴き声の着信音)捜査会議中だぞ。
音ぐらい消しとけよ!あ…!近々続報を打つつもりなんでそれを楽しみにしててくださいよ。
それじゃ。
続報?
(バイクのエンジン音の着信音)携帯…バイク!寺崎さん。
あなたこのネタどこで仕入れたんですか?当然企業秘密ですよ。
じゃあ私の口から言いましょうか?相田さんからじゃないんですか?知ってるんなら最初からそう言ってくださいよ。
そうですよ。
実はこのネタ2人で追いかけてたんですよ。
ところがある事が原因で2人の間にトラブルが生じてしまった。
河島公彦の…大麻疑惑です。
相田さんは永沢未紗の大麻使用について調べているうち河島公彦も大麻を使用している事を知った。
そしてそれをスクープとして発表するつもりだったが相田さんは突然それを降りると言い出した。
そしてあの日…。
あの日たまたまあそこの前を通りかかったんですよ。
(寺崎の声)直感的に何かあると感じた。
だから…。
お前こんなところで何やってんだ?寺崎さん!なあ例の河島公彦の件考え直さないか?せっかくのスクープなんだ。
記事にしないでどうする?すいません…。
これだけはどうしても出せないんです。
お前まさかそれ取材記録じゃないだろうな?向こうに渡す気なのか?何考えてんだ!お前それでも記者か!すいません!今回だけは許してください。
お願いします!ふざけるなそんな事させるか!よこせ!すいませんお願いします!あ…。
これは俺がもらっていくからな。
きっといい記事になるぞ。
(足音)
(峯岸)おいどうした?おい!おい…!
(峯岸)荷物どこだよ?
(バイクのエンジン音の着信音)あいつは記者の魂を捨てたんですよ。
だからあんな事に…。
相田さんはそうまでして何を守ろうとしたのかあなたに話さなかったんですか?ええ。
お疲れさまです。
それ相田さんの?ええ今寺崎の家から押収してきたところです。
何かお探しですか?うん相田さんがあの日懸命に捜していたものをね。
ん?相田さんが捜していたもの…。
意識を取り戻した相田さんがなぜ記者会見場や寺崎の家のある月島方面に向かったのか。
きっと寺崎から何か取り戻したかったからだと思うんだ。
大麻に関する証拠なんじゃないんですか?多分そうじゃない。
これだ。
あっおはようございます。
あいつあのネタがもとで死んだんですってね。
そういう事になりますね。
俺の事恨んでるんでしょうね。
まあ今まで散々俺の事をバカにしてきた罰が当たったのかもしれないですけど。
中村さん。
僕に3分だけ時間をもらえませんか?え?こちらのケーブルテレビにあなたに対する苦情のメールが連日大量に届いていた事ご存じですか?え?今回の大麻騒動のネタ元があなただと知った河島公彦の取り巻きがあなたに圧力をかけてきていたんです。
その事にいち早く気づいた相田さんは河島公彦に関する記事を発表する事をやめ自分が持っている全ての証拠を差し出す事であなたへの圧力をやめてもらえるよう河島公彦と取引をしていたんです。
相田が?相田さんあなたに芸人として頑張ってもらいたかったんですね。
だからあなたの事を叱責もした。
相田さんにだってこれまでの記者生活の中でいろいろな失敗や苦労があったはずです。
でもそれを乗り越えてこられたのはこのボールペンがあったからだと思うんです。
これは相田さんがたった1本持っていたボールペンです。
それをインクがなくなると芯を替えて10年間使い続けてきたんです。
これは僕の勝手な憶測です。
ですが相田さんにとってはこの残念賞が原点だったんではないでしょうか。
そしてその思いはあなたも同じだったのではありませんか?相田さんあなたの事バカになんかしてませんよ。
それどころかずっとあなたの事気にかけてたんです。
これは相田さんが残したノートです。
中を見てみてください。
これは…。
あなたが出演した全ての番組その感想が書き記されています。
あそこがよかったここは今ひとつだった。
もっとこうすればいいのに…。
(中村の声)ズオヤチケンプクマンという事でね。
(りお)違います満幅軒です。
「中村さんいかがでしたか?」「そうですねどれも美味しかったですけどね汚ねえ店ほどうまいですからね」
(りお)「そんな事ないです全部ねきれいなお店ばかりでした」
(中村)「全部汚かったですけどね」「僕の餃子も食べて〜!」
(りお)「満幅軒さんなんですけれど…」中村!なんなんだよ今日の客をなめきったような態度は!最低だぞ!
(中村)うるせえな!説教くせえ事言ってんじゃねえよ!てめえのだらしなさは自分が一番わかってるよ!そんな事言ってないだろう!中村もっと今の仕事大事にしろよ。
そしたら誰か認めてくれてさ…。
うるせえな!もうほっとけ俺の事なんか!いいか中村。
お前俺なんかと違って笑いの才能あるんだからもっとちゃんとやればさ…。
相田さんにとってあなたはずっとかけがえのない友人だったんです。
もしかしたら憧れていたのかもしれません。
だからこそ自分のスクープを犠牲にしてもあなたの事を守りたかったんじゃないでしょうか?いつの日かあなたが脚光を浴びる日を信じて相田さんはこのボールペンを使っていたんだと僕は思います。
(中村)「1月23日今日はわりと声が出ていた」「いつもこうならいいのに」「1月27日オヤジギャグの連発だった」「これでは素人と同じだひねりがない」「中村番組の進行をあらかじめ予想しておけばギャグも入れられるだろ」「その場しのぎのオヤジギャグを入れてもおもしろくない」「中村は計算された笑いを考えられるはずだ」「お前は天才だ。
流されるな」バカ野郎。
中村悪い。
全部俺のせいだ。
(舌打ち)いらねえよ残念賞なんか!
(中村)は〜あ!相田ごめんな。
戻りました。
(アナウンサー)「警視庁組織犯罪対策5課は広告代理店勤務河島公彦容疑者25歳を大麻取締法違反で…」まあ俺が組対5課にひと言言やあこんな感じになるんだよ。
よっ!
(拍手)いやいや…たまたまですよ署長。
ありがとうございます。
これで相田さんの気持ちも報われるってもんね。
あっそうだ皆さん!とっておきのスクープがあるんですよ。
遠山クラブで女…。
2015/03/10(火) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
遺留捜査2[再][字]
「衝撃スクープが盗まれた!!天才が捨てたボールペン!?」
詳細情報
◇番組内容
「遺留品」に込められた最後のメッセージに耳を傾け、被害者の本当の想いと事件の真相に迫る刑事・糸村聡(上川隆也)——
あの風変わり刑事・糸村が帰ってきた!
◇出演者
上川隆也、斉藤由貴、八嶋智人、田中哲司、岡田義徳、正名僕蔵、眞島秀和 / 三宅裕司 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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