渋谷区の「同性パートナーシップ制度」で、実は大切なこと

先日、東京都渋谷区が、全国で初めて同性のカップルに「結婚相当証明書」を発行する方針を発表しました。フランスで同性婚をした牧村朝子さんは、日本でこんな日が来たんだと、感慨深くてたまらない反面、実はこの制度がさまざまな問題をはらんでいることを指摘します。例えば証明書が発行された場合の、周りへの「カミングアウト」。今回は、パートナーが親にカミングアウトできないことに悩んでいる女性からの相談をご紹介します。

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渋谷区を皮切りとして、同性パートナーシップ制度にまつわる議論が高まっています。

……なんていう一文で何かを書き始められる日が本当に来るなんて。私もう、それだけで感慨深くてたまらないわ。本当に、本当に、本当にこんな日が来たんだ。嬉しいとも悲しいともつかない涙が、目を閉じるとただただあふれ出てきます。

まぶたの裏に浮かぶのよ。

老いた彼と引き離され、葬儀に出ることすら拒絶された男性たち。

女は男に養われる他なかった時代、手をとりあって心中した女学生たち。

本当の気持ちを押し殺して結婚した異性パートナーへの罪悪感に苦しむ人たち。

それから、「日本に帰りたいけど私に婚姻ビザは下りないね」と言った、私のフランス人の妻のことが。

でもね、ポエムってる場合じゃないのよね!

現実問題、考えなくちゃいけないことがまだまだたくさんあるわけです。

たとえば、カミングアウトの問題。

今後日本で、仮に何らかの同性パートナーシップ制度ができたとします。ですがそれを利用するということは、同時に「私のパートナーは同性です」と宣言することに他なりません。

そこで親兄弟や同僚から「同性愛者だったんだ……」という目で見られることを恐れ、制度を利用したくてもできない人が、今の日本の社会状況ではまだまだ少なくないでしょう。

私にもそういう経験があります。cakesで連載中のノンフィクション「ルネおじいちゃんと世界大戦」冒頭でもふれていますが、私の妻の祖父は90歳を超える高齢で、心臓を患っています。そんな祖父に「同性と結婚します」と言ったらショックで命に関わるかもしれないが、かといって祖父に黙って結婚することもできない。ということで、フランスでの同性婚法制化を前に、妻と私はずいぶん悩みました。

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_bookmarker 外ではオープンだけど、カミングアウト、家族にだけはまだできない/[今だけ無料]渋谷区の「同性パートナーシップ制度」で、実は大切なこと|女と結婚した女だけど質問ある?|牧村朝子 @makimuuuuuu |cakes(ケイクス) https://t.co/jMtl4GoLVb 約5時間前 replyretweetfavorite

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