(五十嵐刑事)えっ?私が山手中央署のコーラス部に?
(川辺課長)そう。
いいもんだぞ!それとね名誉ある部長をやってるのは誰だと思う?…私ですよ!
(刑事たちの笑い声)なんだおかしいのか?田崎くんだってされっきとした部員なんだよ。
(林刑事)そうなんですか
(田崎刑事)そうよ!うちの署と城南署と目黒東署とで合同合唱団つくってんの。
都大会まで出ました!
(今井刑事)で結果は?最下位!わかってるだろ!そういうことじゃないの!五十嵐くん胸を張って声を高らかにお腹から張り上げてこれ以上の健康法はないんだよ。
それと実は内情を申せばね女性が足りない。
若い女性は特に足りない。
だからひとつ私からよろしくお願いいたします!う〜ん…私テニスサークルに入ろうと思ってたんですけど。
(里見刑事)え〜?ホンマは酒飲み同好会ちゃうか?
(五十嵐)…バレました?林くんは何に入ってるの?まだどこも入ってないです。
(五十嵐)高木さんは?
(高木刑事)俺と今井さんは柔道。
(五十嵐)里見さんは?里見は帰宅部!すぐ家に帰っちゃうから。
安さん。
頼むからさ一度部へ入ってくれないかな?
(安浦刑事)いやいや!私は結構ですよ。
じゃお先に〜!
(刑事たち)お疲れさまです!…五十嵐くん。
コーラス部断ったほうがいいよ。
(安浦エリ)「見学したい方はコーラス部部長川辺まで!」川辺のおじさんてコーラス部の部長なの?そうだよ。
(安浦ユカ)へ〜知らなかった!お父さん川辺さんの歌聴いたことあるの?聴いた聴いたもう嫌ってほど聴いた。
お父さんは何部だっけ?競馬!山手中央署競馬同好会。
部員は?お父さん1人!新入りの五十嵐でも入りゃ2人になるんだけどなぁ…。
入るわけないじゃない!競馬場へ行ってみろよ。
若い娘でいっぱいだぞ!
(電話)…電話。
(電話)電話っ!知ってるよ!
(電話)はい安浦!…おう里見か。
なにっ?
(パトカーのサイレン)おうご苦労さん。
夕方から雨でしたから外部から侵入した男の足跡だけが濡れて残ったんじゃないでしょうか?
(田崎)安浦さん。
おう!こちら店長の和田さんです。
安浦です。
金庫の中ごっそりやられてます。
被害金額は?2300万です。
(里見)明日仕入れの代金を支払う予定だそうです。
犯行は9時過ぎなんだな?
(田崎)そうですよね和田さん?そのときの様子をもう一度話していただけませんか?
(和田哲也)はい…。
そんな大金普段は金庫にはないんですが。
それで私売上げの確認のためにこの事務室に残ってました。
(和田)あっ…誰だっ何するんだっやめろっ
(男)金を出せ!どこだっええっやめてくれ!金かっ
(男)開けろっよせっ開けろっ!
(安浦)帽子にマスクじゃ顔ははっきりわからないわけですな。
(和田)はい…。
(田崎)襲われたときあなた1人だったんですか?あの…警備員が1人いたんですが…。
彼もやられて…。
イテッ…ううっ…!ハッ…!あイテッ…!
(松田裕二)店長…!松田くん…金庫をやられた!
(安浦)その警備員の方今どこにいらっしゃいます?彼…ひどい出血でした。
私「すぐ病院に行け」って言ったんですがさっき連絡があって「病院へは行かずに自宅で休んでる」って…。
警備員の方は松田…下は何とおっしゃるんですか?松田…裕二くんです。
元警官で警備会社から派遣されてました。
元警官ですか?
(和田)はい…。
安浦さん。
「松田裕二」ってね…私が城南署にいたとき同姓同名でいたんですよ。
えっ…?私をコーラス部へ誘ってくれたのも彼。
…彼なのかな?とにかく行ってみよう。
(チャイム)
(松田友美)ママー?あら〜?松田くんのお嬢ちゃん?友美ー!誰だー?松田くーん!あたし!田崎!…あぁ〜!田崎さん!久しぶり。
大変だったわね。
大丈夫?
(松田)友美…寝てなさい。
あ…すみません。
松田くん…あなた本当に病院に行かなくていいの?いや…大丈夫です。
(田崎)そぉ?じゃ早速事件のこと訊くけど犯人は通用口から入ってきたの?はい。
確認したら通用口のドアが外から開けられてたんです。
それでいきなり後ろから殴られたの?はい…。
ウッ…油断があったんですね…。
「強盗なんか入るはずない」ってタカをくくってたんですね。
松田くん…。
そんなふうに自分を責めちゃダメ。
ねっ?晴ちゃん…どこの交番かな?
(田崎)あっ…懐かしいねぇ!
(松田)あこれ…!恥ずかしいな。
こんなもんしまえって言ってんですけどね。
松田さん。
もう一つ訊きたいんだけどもあなた犯人の顔は見てないんですね?…はい。
じゃあまったく犯人の見当はついてないわけですね?はい…。
まったく心当たりありません。
(松田久美)あ〜らお客さん?ママー!あらっ!なにあなたまだ起きてるの?ダメじゃない早く寝なきゃ。
こんばんは。
ご無沙汰してます。
あら…田崎さん?ええ。
3年ぶりですね。
こちら同僚の…。
安浦です。
山手中央署の方が…何のご用なんですか?話したじゃないか。
今日店で…。
ああ…オーナーと飲んでるとき携帯にかかってきた話ね。
ケガしたんだって?
(松田)ああ…。
(久美)ドジなんだから!さっ!寝よ寝よ!眠いよね〜!じゃ田崎くん。
我々も失礼しようか。
どうもすみません…。
いやいや。
じゃあお大事にね。
はい…。
いやぁ…人って変われるもんなんですねぇ!なにが?いや。
あの奥さんね以前あんなんじゃなかったんですよ。
すっごく愛嬌があって明るくていい感じの人だったの!びっくりしたなぁ…!どうしたんですか?…うん。
ふざけるな!バカヤロウッ
(殴り倒す音)
(田崎)松田くんっ今の男にやられたんですか?ああいや…なんでもないです。
ちょっとぶつかっただけです。
えっ…?松田?松田裕二か?そうです…。
松田が警備員やってたのか?そうなんです!課長知ってるんですか?
(川辺)知ってるもなにもさあいつと俺とは兄弟みたいなもんだった!え?そうですか。
いかつい顔して不器用な奴だけど城南署とのコーラス部で知りあったんだ。
田崎くんと俺とあいつとはこれがウマが合って酒ばっかり飲んでたんだ。
なっ?そうです。
そうか…あいつが被害者か。
で現場から足跡以外指紋も何も出なかったのか?
(高木)はい。
(川辺)足跡はどうだった?それがですね市販のどこにでもあるスニーカーでサイズは27。
ですから入手先を特定するのは難しいんですわ。
これは内部事情に詳しい奴の犯行とみて間違いないな。
うん…。
内部の犯行…ってことですか?そりゃあそうだろう!通用口のドアは外から開けられていた。
それと金庫には支払い前の金が残っていた。
それを知っているのは内部の人間しかいないじゃない。
内部ってことはですよ店長の和田さんと店員が3名…。
(里見)それとやな店がオープンして5年。
その間に辞めた人間もおるわなぁ?だから現在の店員と退職者洗ってくれ!あ…それから店長の和田もな!店長もですか?
(川辺)念のためだ調べてくれ!内部の者の犯行だとすると松田さんも捜査対象から外すわけにはいかんですな。
松田は被害者だよ。
今度のヤマとは関係ないんだ。
晴ちゃん。
松田さんだけどなんで警察を辞めたんだ?ああ…。
それは…。
えっ…?いやっ…運が悪かったんだ。
松田も相手の男も。
相手の男も?
(田崎)あの…覚えてます?城南署管内で3年前にATMから本人が知らない間にお金が引き出されるって事件が連続してあったんです。
(安浦)ああ覚えてるよ。
(田崎)銀行のATMから引き出そうとしてる人の暗証番号を後ろから覗いて覚えてあとでその人の口座から引き落とすって手口の事件。
松田くん…その警戒に当たってたんです。
(女性)やめてくださいっオイッ
(川辺)男たちは逃げた。
松田は1人で後を追って走ったんだ。
(松田)待てーっウワッ松田は“男たち3人が一緒に逃げてる”と思い込んでた。
待てーっ
(男)放せっ!
(川辺)それが…不幸の始まりだったんだ。
…人違いだったんです。
結局犯人たちは3人ともしばらくして捕まったんだよ。
松田が警棒で殴った男は近くの工事現場で臨時に雇われてた男だった。
その人のケガはどの程度です?それが足のくるぶしが砕ける大ケガだったんです。
3か月入院してなんとか歩けるようになって出てきたときは工事は終わってて仕事はなくなってたんです…。
で…松田さんはそれからは?うん…警察辞めた。
みんな止めたんだが…奴はきかなかった。
(川辺)俺も必死になって止めたんだ。
だが…。
(松田)川辺さん…。
俺だって辞めたくはないんです。
警官が好きなんです…。
でも…そうするしかない。
そうしなきゃいけないんです!退職金はそっくり相手の男に渡したって聞いた。
松田って…そういう奴なんだよ。
田崎さん。
ちょっと気になる話を聞いたんですよ。
店長の和田さんのことで。
なに?ほかのお店との競争よりも同じチェーン店内での競争のほうが激しいらしいんです。
で売上げが落ちてたりすると店長が交代させられたりするらしいんですよ。
であの店の店員さんが言うには「本当に今月2000万円の売上げがあったのかな」って言うんですよ…。
…ってことは売上金ごまかすため狂言強盗したってこと?いやいや…あくまでも噂です。
(携帯電話)でも内部からそういう噂が出るってことは…田崎です!あ…高木さん。
えっ…?松田さんが?
(高木)松田さん。
本当に何ともないんでしょうね?はい大丈夫です。
診てもらっただけでも安心できたし家で寝てれば…。
(川辺)松田!川辺さん…!大丈夫か?はい…。
課長…。
いや病院だと聞いてな。
矢も盾もたまらなくなってさ。
本当に大丈夫か?はい…大丈夫です。
ああそう…。
いやしばらくだな!かわいい奥さんどうしてる?はい…おかげさまで元気です。
ああそう。
こいつバカみたいに惚れちゃってさ。
口べたのくせに猛烈アタックしてついに射止めたんだよ。
子供さんいくつになった?…3歳です。
ほぉ〜!歌うたってる?…はっ?ほら…コーラスの歌!田崎くんと3人でトリオでよくやったじゃないか。
「3バカ大将」なんて言われてさ!俺…娘を保育園に迎えに行く時間なんで。
これで失礼します…。
(高木)担当の先生から入院をさせるように言われたんですが本人「どうしても帰る」って。
(川辺)ふーん…。
(田崎)課長…!
(川辺)おう…。
松田くんは?
(高木)たった今帰りました。
大丈夫なのぉあっ課長!なに?例の100円ショップ被害の2300万。
本当に金庫にあったかどうか怪しいらしいですよ。
(川辺)なにっあの店長調べたほうがいいんじゃないですか?そうか…。
店長の和田を参考人として引っ張ろう。
自作自演の狂言強盗?…私がですか?はい。
なんで…なんでそう思うんですか?おたくの店本店からの締めつけが相当厳しいらしいですなぁ。
それはまぁ…。
店の売上げが落ちると店長を解任されるんと違いますか?和田さん。
2300万ほんまに金庫にあったんですか?ちょっと…ちょっと待ってください!そりゃ確かに売上げがノルマに達しないときもあります。
その…本当のこと言って帳簿を操作して前の月と合算するようなこともあります。
でも…でも私は狂言強盗なんかやってないっ!
(里見)帳簿を見せてもらえますか?
(和田)それは…困るんです。
今月は…いろいろとつじつま合わせをしたんで。
でも…でもこれは狂言なんかじゃないんです…シロ?安さんはあの和田店長がシロだって言うのか?ええ…。
どうもそうじゃないかなって気がするんですよ。
根拠はいったい何なんだ?いや根拠はありませんがね。
必死に否定している彼を見てたらですね彼の言ってることは本当じゃないかと思うんですよ。
でも…和田さんがシロだとしたら…?安浦さん。
この5年間であの店を退職した店員は3名いるんですがみんなアリバイがちゃんとあるんです。
現在の店員も調べたんですが…。
(川辺)怪しいところないのか?
(高木)となるとやっぱり…。
(川辺)そう!そうだろ?1人関係者が残ってますよ。
…松田?あの松田?おい安さん…あんたまさか松田を…?課長…。
あなたいつも言ってるじゃないですか。
「少しでも可能性があるならば追求してみろ」と。
あのね安さん…松田は違うんだよ!確かにろくな冗談ひとつ言えない一徹もんだよ。
今のかみさんもらうときだって汗だくでしどろもどろ…。
もう一生懸命なんだよ!その一徹さにかみさんが惚れて一緒になったの!いやだから安さん…松田を疑うなんてそりゃ…!ええ…別に疑ってるわけじゃないんですよ。
じゃなんなんだ?一応…調べてみてくれ。
(刑事たち)はい!ああそう!安さん和田を落とせないんだろ?よしわかった!俺が和田を落としてみせるぞ!お父さんお巡りさんだったんだよね?先生おはようございます!
(保母)おはようございます!わかってるんだよ和田…。
あんたの一人芝居だってな!違いますよ!本当のこと言え。
言ってます!私は本当のことを言ってます!和田ーっ頼む…今からでも遅くない。
(男)くどいなぁあんたも。
…頼む!金を返せ…!返せっ…!なにすんのよっ!
(林)…ああちょっと待って!ちょっと待って!しょうがないじゃないですかこういう場合は…!キスしようとしたじゃない!
(林)勢いですよ…勢い!なによ勢いって!
(松田)いらっしゃいませ。
ご苦労さん。
どうだ?
(五十嵐)ええ…。
(五十嵐)娘さんを保育園に預けて公園で男と会ってました。
男…?今林くんが調べてます。
松田は警察を辞めたあとしばらく職に就けなかったそうだ。
こんな時代だから不祥事があって警察を辞めたんじゃないかって疑われて何度も面接で落ちたそうだ。
(高木)そしてやっと警備員になった…。
その間昼間はああしてコンビニでアルバイトしてるそうだ。
(五十嵐)そうですか…。
がんばりますね。
(里見)課長。
店長の和田帰したんですか?うん…。
安さんが言うとおりかもしれん。
和田が必死になって否定してるのを見てなんだか奴が本当のことを言ってる気がしてきたんだ。
(林)課長!松田さん公園で男と会ってました。
その会話が変なんですよ。
「金を返せ」って聞こえました。
「金」…?はい。
それで松田さんが会ってた男を写真に撮って調べたところ名前は「野川幸夫」52歳。
無職でぶらぶらしてる男でした。
あれっ…?これ松田が3年前に犯人と間違えてケガさせた男じゃないか?課長すみません。
(田崎)課長…まさか…どうなってんだよ?なんでっ?松田くんまだこの男と?ちょっと待てよ…?
(ドアが開く)
(松田)ちょっと待ってくれよ!
(久美)なにすんのよっ!
(松田)とにかくちょっと待ってくれ!
(久美)駅前のスナックに行くだけよ!オーナーと大事な話があるって言ってるでしょ!
(松田)まさか…オーナーと?
(久美)あなたに関係ないでしょ!あんたとはもう別れるつもりなんだから!離してっ!オイッ!
(松田)なんですか?今日は。
おだやかじゃないわねぇ別れるだなんて…。
…口だけなんですよ。
あいついっつもああ言うけど本気じゃないんです。
で…今日はなんでしょうか?事件のことであなたに訊きたいことがありましてね。
…なんでしょうか?実はねうちの刑事が昼間あなたがある男の人と会ってるのを見たっていうの。
男…?野川幸夫。
3年前にあなたが誤ってケガをさせた人よ。
あの後あの人職を失ったんだったわよね?
(田崎)あなたまだあの人と会ってるの?松田くんっ!会ってませんよ!今日はまったく偶然に出会ったんです!そりゃ妙ねぇ…。
うちの刑事たちあなたが野川さんに「金を返してくれ」って言ってるの聞いたって言ってるんだけど。
…聞き違いですよ。
なんの話ですかね?松田さん。
あなた事件の夜野川さんに会ってますよね?会ってなんかいませんよっ
(笑い声)じゃああたし帰りまーす!もう一軒いいじゃないか!それより…本当に独立させてもらえるんですよね?んっ?あぁあぁ!だから…なっ?フフッ…お金なら用意します。
1千万!1千万であの店あたしのものになるんですよね?ああ。
だから…松田くん!じゃああたしはこれで!失礼しまーす!ちょっと訊きたいことがあるんだけど。
野川?ああ…あの人ね。
知ってるの?来るんですよ…ときどきお金の無心に。
よせばいいのにうちの人責任があるからって小銭を渡してるんです。
うちの人どうしようもないですよ!
(田崎)そうだったの…。
野川って人…ずるいんです。
あの事件があって仕事がなくなって…自棄になってお酒におぼれてあげくのはてに奥さんに暴力をふるっていたそうなんです。
奥さんその暴力に耐えられなくなって部屋を飛び出してバイク事故に遭って…。
(久美)…亡くなったんです。
それも全部うちの人のせいだって言って逆恨みしてつきまとって…。
松田は松田で「自分が野川夫婦を追い込んだんだ」って。
そんなバカな…!そう思いません?いやまあ…確かにそうですね。
はぁ…もう私付いていけない。
田崎さん…。
私…別れようと思ってるんです。
ちょっと待ちなさいよ!友美ちゃんのことも考えなさい。
親のエゴでそういうこと言っちゃダメ!そんなに簡単に別れられるんならなんで一緒になったのよ?交番勤務だったあのころの松田は背筋をピンと張って凛々しかった…頼もしかった…。
でも…3年前のあの事件で松田は変わりました。
一人の人を不幸にしたことで男としての自信をなくしたのかもしれないけど…就職できずに面接に落ちるたびますます自信を失って…。
警官だったころの誇りなんてなくしていきました…。
今じゃあ私に嫌われるんじゃないかって私の顔色を見ながら毎日びくびくしてます。
松田くんそんなに…?私と一緒になったころの松田はそんな人じゃなかった。
な〜んか裏切られた気持ちで…。
本気で別れるつもり?ええ!そのためにも自立しなきゃと思ってブティックのオーナー…ほらさっきの男の人あの人オーナーなんですけど彼に相談したんです。
そしたらいい出物があるって。
ただし手付金の1千万さえ用意すれば。
(田崎)1千万
(久美)そうしたらうちの人「別れないでくれ!」「金は俺がなんとかするから!」って。
フフッ…なるわけないのに。
松田さん奥さんに「1千万用意する」と言ったんですね?はい!だから何なんだよ?安さんは何を言いたいんだ?はぁ…。
「はぁ」じゃないんだよ。
(里見)課長っ!あの例の野川という男どうも最近大金を手にしたらしいんですよ!なに…?
(高木)家賃を相当滞納していたんですが一括して払ってます。
飲み屋のツケも飲み仲間の借金もきれいに払ってるんですよ。
それもあの事件のあった次の日なんです。
次の日か
(里見)その飲み屋にある男と来て話し込んでその男が帰った後酔って飲み屋のおやじにポロッとしゃべったそうです。
「今のが金づるで近々大金が手に入る」言うて。
一緒に飲んでたのは誰なんだ?松田さんですわ!念のため店のおやじさんに写真を見せて確認とりました。
松田さんに間違いないそうです。
安さん…どういうことなんだ?安さんっ!課長…行きますか。
(松田)ありがとうございました。
(松田)いらっしゃいませ…!なんですか?松田…俺たちは今度の事件でいろいろ調べてみた。
この安浦刑事は…お前が中から野川を手引きしたんじゃないかとそう言ってるんだがな。
ハッ…僕がそんなことをするわけないじゃないですか。
松田さん…例えばこう考えればつじつまが合うんじゃないかな?あんたは野川さんのことで責任を感じてた。
会うたんびにいくらか金をせびられていた。
だけど野川さんはそんな金じゃだんだんもの足りなくなった。
それで…店の金庫を狙ったって?なんで俺が手引きなんかする必要あるんですか?あんたまとまった金が必要だったんだ。
どういうことですか?奥さんですよ。
待ってください…!俺が野川と金を山分けしたっていうんですか?俺はそんな金…ありませんよ!だが手引きはしたんでしょ?やってません!松田っ…!俺を見ろっ!…松田っ俺は…お前信じたいんだ。
だがな…。
…松田っなんで野川を…手引きなんかしたんだ?僕は…。
…本当なの?
(久美)ねぇ…本当にあなたが?なんでよっお前のためだようそ…嘘よっ本当だよ…。
お前を…失いたくなかった。
(松田)でも…俺はお前の心が離れていくのを感じてた。
1千万…用意したかった!甲斐性のあるとこをお前にだけはどうしても見せたかった!野川に誘われて…飲み屋で飲んだ。
野川は俺が警備する店の金庫を狙っていた。
俺は…その言葉に乗ったんだ。
だが松田さんあんたは金は手にしてないでしょう?はい…。
(川辺)どういうことだ?あんたは最後の最後にあるものを取り戻したんだ。
警察官だったころの誇りをね…。
だから野川に「金を返せ」とせまったんだ。
違うかね…?俺は…やっぱりできなかったんです!そんなことをしてしまうと…久美を愛する資格まで失ってしまう…。
そう思ったんです。
(松田)だから…あのとき…。
帰ってくれ…!俺にはできないんだ!どうしてもできないんだ!頼むっ…!帰ってくれ!
(野川)わかったよ…。
あんたがそう言うならやめよう。
ウワッ…!川辺さん!俺とんでもないことしてしまったよぉ!許されないことしてしまった…!
(泣き声)
(松田夫妻の泣き声)おいちょっと…ちょっと待ってくれ。
おい松田っ!「おいら岬の灯台守は〜」おいおい…松田!この歌覚えてるか?田崎くんと3人でよく歌ったじゃないか!
(ピアノの伴奏)『喜びも悲しみも幾年月』「俺ら岬の灯台守は」「妻と二人で沖行く船の」「無事を祈って灯をかざす灯をかざす」
(川辺の歌)「星を数えて波の音きいて」
(田崎と川辺の歌)「共に過ごした幾年月の」
(3人の歌)「よろこび悲しみ目に浮かぶ目に浮かぶ」
(里見)野川幸夫やな?…強盗傷害容疑や。
なに言ってるんだ?
(林)とぼけるな!松田裕二がすべて自白したぞ。
事件現場になスニーカーの足跡が残ってた。
お前が今はいているスニーカーと照合すればすべてはっきりする。
(里見)わかってんな?逮捕や。
ご苦労さま。
奥さん。
ご主人あなたにちょっと話があるようなんです。
(松田)久美…俺は弱かった。
お前が別れたいと思うのもわかる…。
…そうしよう。
友美を…頼む。
お父さんっ!友美…!しょうがないわねぇ…待っててあげる。
友美の父親だもん。
(久美)くされ縁みたいなもんだもん…。
お父さんっ!五十嵐はわかっとらんなぁ!コーラス部へ入って腹から声を出す!我々の仕事にこれが大事だってことがわかっとらん!聞いてんのか君たちは!
(川辺のカラオケ)
(片桐由美)ねえ…五十嵐さん何かあったの?いや山手中央署にね今度コーラス部を作るから「五十嵐も入れ」って言ったらさ五十嵐が断ったんだよ。
それで課長が機嫌が悪いんだ。
そう…。
ねえ…。
んっ?安浦さんはコーラス部入らないの?いや俺はコーラス部ってガラじゃないからね。
そうねえ…安浦さんはソロ・シンガーってガラかもね。
ソロ・シンガー…かっこいいねぇ!私専属のソロ・シンガー…。
私一人のために歌ってほしいかな。
うれしいねぇ…!じゃみんなが帰ったら一曲。
おはようございます西川きよしのおしゃべりあるき目です2015/03/10(火) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
はぐれ刑事純情派16[再][字]
「誤認逮捕が悲劇を生んだ!2300万円の殺意!?」
詳細情報
◇出演者
藤田まこと、眞野あずさ、梅宮辰夫 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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