乗務員が米国で前副社長を提訴 背景に関心=ナッツ事件
【ソウル聯合ニュース】大韓航空の趙顕娥(チョ・ヒョンア)前副社長が女性乗務員のナッツの出し方に激怒し離陸直前の航空機を引き返させた事件で、ナッツをサービスしたキム・ドヒさんが11日までに米国で趙前副社長と会社を相手取り損害賠償訴訟を起こし、その背景と意図に関心が集まっている。
空港の大韓航空カウンター(資料写真)=(聯合ニュース)
キムさんが韓国ではなく米国で提訴したのは、米国の裁判所の方が精神的な被害などに多額の賠償を命じる傾向があるためとみられる。ある弁護士によると、韓国では数百万ウォン(数十万円)しか受け取れないケースでも、米国でなら数十万ドル(数千万円)を受け取ることも可能だという。
AP通信などによると、キムさんの弁護側は、キムさんは精神的なダメージを受け、乗務員としてのキャリアや社会的評判にも傷がつくなど、多大な損害を受けたと主張している。また、韓国にはない懲罰的損害賠償金の支払いも要求している。
弁護側は、趙前副社長と大韓航空が損害賠償をめぐる協議に応じなかったとしているが、提訴された以上、会社側はキムさんとの和解を模索することになりそうだ。
趙前副社長は昨年12月5日、米ニューヨークのケネディ国際空港から仁川に向かう大韓航空機内で、キムさんがナッツを袋から出さずにサービスしたことにマニュアルと違うと腹を立て、キムさんらを罵倒し、離陸しようとしていた航空機を搭乗ゲートに引き返させてサービス責任者を降ろした。航空保安法違反などに問われ、先月12日に一審で懲役1年の実刑判決を受けた。
趙前副社長は判決公判に先立ち、キムさんとサービス責任者に宛てそれぞれ1億ウォンの謝罪金を裁判所に供託したが、二人は受け取っていない。
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