麺類は大好きな吾輩ですが、どうもこの並んでまでというのはなかなか得意ではありません。
いままでの人生に、何度もはなかったことです。
ですが今回こうしておとなしく並んでいられるのは、店の戸が開いた瞬間に漂ってきたスープの匂いに惹き付けられたからです。
そうでもなければ、いくら前評判が高くても待ちきれる性分ではないからです。
夜の八時過ぎに行ったにも関わらず、30分以上並んでやっと目の前に現れたのがこれですね。
鴨のスープに鴨肉です。
使っているのはもしかしたら合鴨かもしれませんが、これは上品な中にも野性的な食欲を掻き立てられるものがあって当然です。
麺も蕎麦粉ベースですから合わないわけがありません。
この繊細なスープは、小麦粉の匂いが溶け込んだ瞬間に台無しですからね。
ほんのちょっと鼻にまとわりついただけで
「これは食べてみたい」
と思ったスープが目の前に……
これが……
抜群に美味しい……
山間育ちの吾輩は子供の頃から、冬場のキジとか鴨は御馳走でしたしね。
本当にホッとする味でした……
次からは、並んでいる時間も苦にはならないでしょうね。
はい、左様なり♪
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