奇跡の一本松が万年筆に、11日から限定発売…3・11から4年
2015年3月11日6時0分 スポーツ報知
7万本もの松が津波で流される中、たった1本だけ立ったまま残り、復興へのシンボルとなっている岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の枝から採取した木材を使った万年筆が、11日にスイス高級筆記具メーカーのモンブラン社から発売される。国内限定113本のみの発売となる万年筆「マイスターシュテュック 奇跡の一本松」は2012年、枯死した一本松がモニュメント化される際に使用されなかった枝を採取し、ボディーとキャップ部に使用。ペン先に一本松のシルエットが刻まれた。
「一本松を後世まで受け継いでいくため」と市から製作を依頼されたモ社だが、開発は難航を極めた。枝が海水の塩分で傷んでおり、加工が極めて難しい状態だった。ハンブルグ工房の職人たちが12年秋から2年以上の格闘の末に商品化を実現。一本一本、材質は異なるが、表面に波打つ黒ずみは津波で刻まれた模様ともされる。
価格は48万1000円(税別)。売り上げの20%が陸前高田市に寄付され、学校設備費用に使われる。