チベット:式典後、5000人が抗議デモ 動乱から56年
20時間前
【ダラムサラ(インド北部)金子淳】1959年にチベットの住民が中国の弾圧に抗議して武力衝突した「チベット動乱」から56年となる10日、チベット亡命政府が拠点を置くインド北部ダラムサラで記念式典が開かれた。式典後には抗議デモが行われ、約5000人(主催者発表)が「チベットに自由を」「中国は出て行け」などと叫んで行進した。
式典で亡命政府のロブサン・センゲ首相は「決意と勇気を持った非暴力の戦いは続く。チベットの現状は残酷だが、チベット人の気持ちは強くなっている」と演説。「中国政府はチベットのチベット人による統治を認めるべきだ」と訴えた。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は、政治から引退しているため出席しなかった。
中国ではチベット僧らが圧政に抗議して焼身を図るケースが相次いでおり、今月も四川省で40代の女性が焼身し死亡した。デモに参加したテンジン・タシさん(28)は「焼身の話を聞くたびに悲しくなる」、テンジン・プンツオクさん(29)は「犠牲となった人をたたえたい」と話した。