竹井周平
2015年3月11日05時55分
東日本大震災の被災地で、津波で流され、回収された写真の返却を打ち切る自治体が相次いでいる。ボランティアが中心となり、泥まみれの写真を一枚一枚丁寧に洗い、持ち主を捜し出してきたが、震災4年を区切りにする。残された写真を処分してよいかどうかの悩みもある。
宮城県女川町は11日、写真返却を終える。これまで9万枚余りを回収し、半数強の約5万枚を持ち主のもとに戻した。残った写真は町が焼却処分する。写真を捜す人が減り、保管場所も不足しているからだ。
町の総合体育館では、最後となる返却展示会が連日開かれている。山川勝善さん(70)夫妻は8日、ずらりと並んだアルバムの中から、黄色くなった一枚の写真を手にとった。「礼子の結婚式のときのだ」
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