中国が定年引き上げへ、年金財政への圧力を軽減
[北京 10日 ロイター] - 中国の尹蔚民・人事社会保障相は10日、同国の年金基金は今後数年にわたり財政上の非常に大きな圧力に直面するとの見通しを示したうえで、年金財政を改善するために定年退職年齢を徐々に引き上げる必要があると指摘した。
ただ、同相はいかなる政策の変更も5年間かけて段階的に導入すると強調した。中国の定年年齢は、一部の女性労働者で50歳という低さだ。
アナリストらはこれまで、中国の年金基金の積立残高が大幅に不足していると警告してきた。一部では不足額が今後20年で11兆ドル近くに達するとの試算もある。
尹氏は年金財政は現時点ではそれほど悲惨ではないとしながらも、「将来的に収支を合わせると意味では、非常に大きな圧力に直面している」と警告。
同氏によると、2014年の収入は2兆3000億元(3673億ドル)で、2兆元の支出を上回った。ただ、今後数年で60歳以上の高齢者が総人口に占める割合は39%となり、現在の15%から上昇する見通しだという。
同氏はまた、今年1─2月の雇用者数の前年比減少幅は前年同期に比べて拡大したと指摘。ただ、今年通年で1000万人以上の雇用が創出できると確信していると続けた。
© Thomson Reuters 2015 All rights reserved.