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 南米ベネズエラのロドリゲス外相は9日、駐米臨時代理大使を同国に呼び戻したことを明らかにした。オバマ米大統領が同日、人権侵害を理由にベネズエラ政府高官7人の資産凍結などを実行する大統領令を出したことへの対抗措置。ベネズエラでは経済危機が深刻化する中、マドゥロ大統領がこれまで以上に米国批判を強めており、両国間の緊張が高まっている。

 両国間では2010年にベネズエラの故チャベス前大統領が米国大使の受け入れを拒否して以来、大使がいない状態が続いている。ロドリゲス氏は自身のツイッターに、駐米臨時代理大使を「至急呼び戻した」と書き込んだ。

 米国では昨年12月、反政府デモの取り締まりで人権侵害があったとして、ベネズエラ政府関係者への制裁を可能にする法律が成立していた。オバマ氏は7人について、米国に保有する資産の凍結やビザ発給の拒否などを指示した。

 ベネズエラ政府は先月、米国大使館と連携してクーデターを企てたとして、野党の有力指導者である首都カラカス市長を逮捕。同国を訪れる米国人に対するビザ取得の義務づけや、カラカスにある米国大使館の人員削減を命じた。野党指導者や人権団体は、政府がインフレや物不足から国民の目をそらそうとしていると批判している。(サンパウロ=田村剛)

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