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公判で少年、起訴内容認める 三重・朝日の中3致死

 三重県朝日町で2013年8月、中学3年の女子生徒=当時(15)=が背後から襲われ死亡した事件で、強制わいせつ致死と窃盗の罪に問われた少年(19)の裁判員裁判の初公判が10日、津地裁(増田啓祐裁判長)で始まった。少年は「間違いありません」と起訴内容を認めた。公判は全8回の予定で、判決は24日。

 検察側は冒頭陳述で、「女子生徒が友人と別れて1人で歩き出したのを見かけて犯行を決意した。後をつけ、背後から鼻口部を手でふさいだ」と犯行の経緯を説明。「盗んだ現金をプールで使い、現場で遺体が発見された後にツイッターに投稿もしている」と、事件後の行動の悪質さも指摘した。

 弁護側は「少年院送致による保護処分がふさわしい」と主張し、少年法55条に基づく「家裁移送」を求めた。刑事罰か保護処分かという処遇の判断が、事実上の争点になる。

 起訴状によると、13年8月25日午後11時ごろ、朝日町の路上で、花火大会から帰宅途中だった女子生徒を背後から襲い、近くの空き地で窒息死させたとされる。また財布から6千円を盗んだとされる。

 少年は、通っていた県立高校の卒業式の翌日だった昨年3月2日、強盗殺人などの容疑で三重県警に逮捕された。翌4月の少年審判で、津家裁は殺意を認定せずに検察官送致(逆送)を決定。津地検は同月、強制わいせつ致死などに罪名を変更して起訴した。

 18日には女子生徒の遺族が被害者参加制度を利用して意見陳述する。遺族は少年に「生涯にわたって罪を償う自覚をしてほしい」として、刑事裁判の被告に賠償請求できる制度を使って、1億1千万円の損害賠償を求める意向を明らかにしている。

(中日新聞)

検察官の冒頭陳述を聞く少年=イラスト・浦道美紀

検察官の冒頭陳述を聞く少年=イラスト・浦道美紀

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