【川崎中1事件】ドヤ街、ヤクザ、在日外国人 ― 川崎という街から読み解く事件の真相
【事件記者が綴る暗黒のアナザーストーリー「悲劇の現象学」シリーズ】
画像はYouTube「ANNnewsCH」より
東京湾岸の工業都市で起きた悲劇に、日本中の視線が注がれている。
川崎市川崎区の多摩川河川敷で中学1年の上村(うえむら)遼太君(13)が殺害された事件。少年法の改正が議論になり、一部週刊誌が、殺人容疑で逮捕された18歳の無職少年の顔写真と実名を公開するなど、大きな波紋を呼んでいる。
首を切りつけて殺害するという、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)と似た残忍な手口から、イスラム国が公開した処刑動画との関連を報じるマスコミもいた。中には、犯行に手を染めたとされる不良グループについて、「イスラム国」をもじって「カワサキ国」と伝えるメディアも出るなど、事件の特殊な側面が1人歩きする事態になっている。
だが、そうした流れに違和感を抱く者もいる。
取材に当たる全国紙社会部記者は、
「少年の残忍な一面などが注目されがちですが、そこにばかり目が行くと本質を見誤る。『川崎』という街を理解しないことには事件は読み解けないんですよ」と話す。
上村君の遺体が遺棄されていた現場は、京急大師線鈴木町駅から約500メートル離れた場所にある多摩川河川敷。「夜中には、不良グループが集まるたまり場となり、夏場にはそこで泳ぐなどして遊んでいた」(地元住民)というその場所のほか、事件の舞台となった一帯を歩くと、街の〝もう1つの姿〟が次第に顔を覗かせる。
「現場近くの河川敷には、トタン屋根の住宅が立ち並ぶ集落がある。住民は日雇い労働者や在日外国人がほとんどで、なかには住民登録していない者もいる。さらに、上村君の衣服が燃やされたトイレがある公園周辺には、在日外国人が集まる集落やヤクザの事務所も点在している。治安がいいとはいえない土地柄だ」(先の住民)
オウム事件の「最後の指名手配犯」だった高橋克也が、建設作業員に偽装し、17年にわたって潜伏生活を送ったのもこの界隈だった。付近の京急八丁畷駅付近には、「日進町」と呼ばれる「ドヤ街」もある。ホームレスや社会からドロップアウトした者たちを食い物にする「貧困ビジネス」が蔓延る一角だ。
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