空売り投資家、中国の証券株を狙い撃ち-政策変更で株価下落
2015/03/10 11:48 JST
(ブルームバーグ):中国の証券会社の株価 は世界の同業他社を上回る上昇率を示してきたが、ここへきて下落に転じつつある。空売りの増加に加え、中国当局の規制変更で利益が損なわれるとの観測が影響している。
時価総額10億ドル(約1210億円)以上の中国の証券会社の株価は今年に入って平均15%程度下落している。昨年は2倍余りに値上がりしていた。中国銀河証券 と海通証券 の発行済み株式に占める空売りの比率は、それぞれ少なくとも12%に上昇。この比率はブルームバーグとマークイット・グループが継続調査する世界の証券株で最も高い。
中国本土市場の証券株のバリュエーション(株価評価)は2014年末に、少なくとも3年ぶりの高水準に達した。中国株の売買高が過去最高となり、信用取引に伴う融資の手数料が急増したことが背景にある。ただ売買高 はピーク時から約33%減少した上に、当局が信用取引の伸び抑制措置を講じたことを受け、証券業界の利益見通しに陰りが生じている。中国証券監督管理委員会(証監会)当局者が銀行の証券参入を容認する可能性に言及したことも重しだ。
マルコ・ポーロ・ピュア・アセット・マネジメントの鄧詠梅(クリス・タン)最高投資責任者(CIO)は、中国の証券会社に「投資する論理が破綻した」と指摘。保有する証券株を1月に売却したことを明らかにした。アジアヘッジ・インテリジェンスが継続調査する中国を投資対象とするヘッジファンドで、マルコ・ポーロの「ピュア・チャイナ」ファンドは昨年7-12月(下期)に運用成績首位となった。
香港上場の中国銀河証券株の発行済み株式に対する空売り比率は過去最高の13.3%となった。今年初め時点は2.1%だった。海通証券の場合は12%、時価総額で中国最大の証券会社である中信(CITIC)証券 は7.2%。マークイットによれば、米国ではゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー共に約0.2%。
原題:China Short Sellers Target Brokerages as World’s Best Rally Ends(抜粋)
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更新日時: 2015/03/10 11:48 JST