IS:内紛、9人死亡 離脱外国人と交戦
毎日新聞 2015年03月10日 19時08分(最終更新 03月10日 22時24分)
【カイロ秋山信一】シリア内戦の被害状況を調査している在英の民間組織シリア人権観測所は9日、シリア北部アレッポ郊外でイスラム過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)から離脱しようとした外国人戦闘員と追跡したIS戦闘員との間で交戦となり、双方の計9人が死亡したと発表した。ISにはトルコ国境から多数の外国人戦闘員が参加しているが、現地の状況に失望して離脱を図る動きも徐々に表面化している模様だ。
人権観測所によると、脱走を試みたのは欧州諸国出身の9人とチュニジア人1人。アレッポ郊外の収容施設で拘束されていたが、施設を管理する戦闘員の協力で武器を奪い、7日に脱走を試みた。しかし追跡するIS戦闘員と交戦となり、脱走兵5人、IS戦闘員4人が死亡。残る5人の脱走兵は再びISに拘束された。
脱走兵らはトルコ経由で出身国に逃亡する計画だったとみられる。ISは昨年10月以降、脱走を試みた外国人戦闘員120人以上を処刑したとされる。
一方、シリア北東部ハサカ県では7日、少数民族クルド人の女性部隊に参加していたドイツ人女性がISとの戦闘中に死亡した。クルド人勢力にはISに反感を持つ欧米人志願兵が参加しており、今年2〜3月にオーストラリア人と英国人各1人が死亡した。