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 安倍晋三首相は10日夜、東日本大震災から4年を前に首相官邸で記者会見し、2016年度から5年間の復興支援について、新たな枠組みを今夏までにまとめると表明した。原発事故があった福島については、事業再生に向けた支援策の大幅拡充を含む政策を5月にも決める考えも示した。

 政府は震災発生から15年度までの5年間を「集中復興期間」と位置づけている。首相は10日の復興推進会議と原子力災害対策本部会議の合同会合で、16年度以降について、後期5年間の枠組みとする▽被災地の自立につなげる▽必要な支援は継続する――の3点を指示。一方で財政健全化計画に留意するよう求めた。

 16年度以降の復興予算については、竹下亘復興相が全額国費負担をやめ、自治体に一部負担を求める考えを示している。首相は会見で「地方負担のあり方も含めて、被災地の声に耳を傾けつつ、丁寧に検討していく」と述べるにとどめた。

 首相はまた、東京電力福島第一原発の事故で一部不通となっているJR常磐線について「将来的に全線で運行を再開させる」との方針を発表した。原発汚染水の流出問題については「東電の情報公開が不十分だったことは誠に遺憾だ。東電任せにせず、国も前面に立って取り組む」と述べた。(竹山栄太郎)