「あり得る答えは2つだ。1つは韓国の警備関係者に『北朝鮮シンパ』が潜入していた可能性。もう1つは、金容疑者が米国大使に接近すれば事件が起きると認識しながら、彼の会場入りを放置した『北朝鮮とは関係ない人物』の存在だ。いずれにしても、必ずケジメをつけさせる」
現時点で、金容疑者は「単独犯行だ」としか供述していない。日本の警備当局関係者がいう。
「もし、日本(東京)で同様の事件が起きたら、警視総監と警視庁警備部長、警察庁警備局長は更迭されるだろう。警察庁長官の進退も危ない。当然、国をあげて謝罪し、捜査に当たる。ところが、韓国は朴大統領が『胸が痛い』『私も似たような経験した』とリッパート大使に語るなど、どこか人ごとだ。本当に厳正・厳密な捜査ができるのか疑問だ」
これだけは言わせていただく。万が一、今回の事件を「親北活動家が悪い」「北朝鮮が悪い」で終結させるなら、米国をはじめ、先進諸国は今後、韓国をまともな国家として相手にはしない。
■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。