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 東京電力は10日、福島第一原発の汚染水タンクを取り囲む堰(せき)にたまっていた雨水が地中に漏れたとみられると発表した。雨水からは比較的高い濃度の放射性物質が検出された。水位の低下幅から、漏れたのは747トンと見ている。

 東電によると、堰はタンクの周りを二重に囲んでいる。9日午後10時半に外側の堰の内側に雨水が15センチたまっていたが、10日午前8時すぎには7センチまで減っていた。雨水の分析でベータ線を出す放射性物質の濃度は最も高い採取地点で1リットルあたり8300ベクレル、採水した5カ所の平均は同2300ベクレルだった。

 今回のタンクの保管エリアは、一昨年夏に高濃度汚染水が漏れた場所。その後、汚染水が漏れても地中に漏れないように舗装したが、堰の側溝のつなぎ目数カ所から泡が出ているのが見つかっており、地中にしみこんだとみられるという。

 近くのタンクの中には1リットルあたり数千万~数億ベクレル程度の高濃度汚染水がためられている。タンクや配管の点検をしたところ、異常はみられないという。(熊井洋美)