韓国教育部(省に相当)が最近「今月の先生」に選んだ白儂・崔奎東(チェ・ギュドン)=1882-1950=が、親日批判にさられている。これを受けて教育部は、選定の再検討を決めた。教育部側は9日「創氏改名の拒否、建国勲章の追贈など、大韓民国草創期の教育の発展に対する貢献を認め、3月の『今月の先生』に選定したが、植民地時代に寄稿した記事が発見されたことに伴い、専門機関に依頼して再検証を実施し、選定するかどうかを決めたい」と発表した。
教育部は先月、崔奎東、南宮檍(ナムグン・オク)、崔容信(チェ・ヨンシン)、周時経(チュ・シギョン)、呉天錫(オ・チョンソク)、安昌浩(アン・チャンホ)、金躍淵(キム・ヤクヨン)、黄義敦(ファン・ウィドン)、金教臣(キム・ギョシン)、金弼礼(キム・ピルレ)、チョ・マンシク、李時説(イ・シヨル)の12人を「今月の先生」に選定・発表した。「今月の先生」とは時代を超えて国民に尊敬される先生を選び、教師を敬う風土をつくるため、韓国教員団体総連合会(韓国教総)と共に推進しているものだ。
3月の先生に選ばれた崔奎東については「献身的な教育者のシンボルにして民族運動家でもあり、植民地時代に『自分の手で自分の子弟を教育する』という一念から創氏改名をせず、毎朝学生たちに韓国語で訓話を行い、清廉な教育者として生きた」と発表していた。崔奎東は、平壌の大成学校、徽文義塾、五星学校で数学を教え、中東学校設立後は校長に就任、さらにソウル大学初代総長、韓国教総の前身に当たる朝鮮教育連合会会長などを歴任した。
しかし最近、市民団体・社会団体などからなる「歴史正義実践連帯」が「崔奎東は植民地時代に天皇と侵略戦争を称賛する文章を書いた」と主張し、問題になった。実践連帯によると、崔奎東は植民地時代に、教育専門誌「文教の朝鮮」1942年6月号に「死をもって天皇の恩恵に応える」と題する日本語の記事を寄稿した。
教育部側は「教育および歴史学界からなる選定審査委員会で徹底して審査したが、親日人名辞典にも崔奎東の名前は載っていなかった」と釈明した。また韓国教総は9日に声明を発表し「崔奎東の一部の行為を大げさに扱って全生涯にわたる抗日運動や民族教育そのものを否定し、親日とののしるべきではない。崔奎東の記事が寄稿された1942年は、日帝が最後のあがきをしていた時期で、記事を書かなければ学校を閉鎖されるなどの危機の中で、仕方なく書いたのだろう」と反論した。