
福島第一原発事故から4年。
原発事故により東海地方へ避難している人たちが手記を作った。
自主避難、母子避難、高齢者避難…
それぞれの思いを胸に下した決断に迷いながらも、愛する土地を離れ避難生活を続ける人たち。
子ども5人を連れて福島県伊達市から名古屋市に避難した岡本さん夫婦。
妻の早苗さん(36)は、手記に「夢を持って住んだ場所が一瞬にして奪い去られた」と綴った。
2011年3月10日、長女りさちゃんは7歳の誕生日を迎えた。家族は福島県の自宅で誕生日パーティを開いてお祝いした。翌日、東日本大震災と東電福島第一原発事故が起きた。誕生日の思い出は悲しい記憶となった。りさちゃんは避難後、転校を繰り返し、辛い思いを抱えてきた。
早苗さんも、新しい土地での孤独にさいなまれ、子どもの心を思いやる余裕を失くしていた。しかしこの4年間で仲間もでき、手記に思いをぶつけることができた。今年の3月10日には、11歳になるりさちゃんのためにかぼちゃのケーキを作る予定だ。4年前に福島でよく子どもたちが食べていた岡本家特製のケーキだ。りさちゃんは、どんな思いでなつかしい味に再会するのか。
早苗さんは「もうあの時の私は見たくない」と手記で宣言、3月11日、新しい思いを託して、名古屋市中区の東別院で、慰霊の鐘をつく。
そのほか福島県南相馬市から避難した高齢の家族や、埼玉県からの母子の思いを伝える。
東海地方で避難生活を送る人たちの4年の思いに迫った。