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<震災4年>遺骨、家族の元に「話をしたい」

市職員から遺骨を受け取る松尾さん(中央)とかつ子さん(左)

 東日本大震災で行方不明となり、ことし2月末に身元が判明した気仙沼市の男性の遺骨が9日、市役所ワンテン庁舎で市から遺族に引き渡された。震災発生から11日で4年。遺族は「夢かと思った」と語り、遺骨を大事に引き取った。
 気仙沼署によると、身元が判明したのは同市本吉町沖の田の無職小野寺徳男さん=当時(73)=。震災当時、津波で全壊した自宅付近にいたとみられ、1月25日に同市本吉町の日門漁港沖合3キロで骨盤が見つかった。県警のDNA鑑定で身元が確認された。
 同市の松岩中仮設住宅に暮らす妻かつ子さん(74)と長女松尾明美さん(50)が遺骨の引き取りに訪れた。松尾さんは「丸4年を目前に見つかり、夢かと思った。父も戻ってきたかったのではないか。これから4年分の話を聞かせてあげたい」と喜んだ。
 遺骨を見つけた同市本吉町高の漁師芳賀功さん(76)は、兄夫婦とおいが津波の犠牲になった。「兄とおいが行方不明なので、誰かの身元が確認できればいいと思っていた。よく網に掛かってくれた」と話した。
 県警によると、気仙沼市内では9日現在、225人の行方が分かっていない。


2015年03月10日火曜日

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