暗記するまで聴き続けましょう

いつも村上さんの小説を楽しく読んでいます。村上さんの頭の中がどうなっているのかいつか覗いてみたいと常々思っています。
最近、父親と彼氏の影響からクラシック音楽を聴くようになりました。しかしわたしは「ブラームスの曲」「モーツァルトの曲」という認識しかできず、交響曲やカルテットのちがいもよくわかっていません。村上さんはクラシックを聴くとき作曲家や曲名まできっちり覚えていますか? もし覚え方などがあればぜひ教えてください。
(ペンネーム、女性、22歳、学生)

僕の頭の中は混雑したクローゼットに似ています。いろんなものが雑然と入り混じっています。しかしいざとなると、どこに何があるかさっと思い出せます。便利です。でもいざとならないと、ただの混沌です。覗いてみても特別なところはたぶん何もありません。

クラシック音楽を好きになるコツは、気に入った曲や演奏があれば、それを何度も何度も、ほとんど暗記するまで繰り返し聴き続けることです。それがあなたのスタンダードになります。曲名、僕もなかなか思い出せません。コンサートのアンコールなんかで演奏される曲も、「これ、よく聴くんだよな。えーと、なんだっけ? うーん、ここまで曲名が出てきてるんだけどな」みたいなことになります。

村上春樹拝