大田、4番復帰!松坂打つ「名前で負けない」
巨人・大田泰示外野手(24)が、10日のソフトバンク戦(長崎)で6試合ぶりに4番に復帰する。離脱していた主砲の阿部が近日中に1軍復帰するだけに、44番に残されたチャンスは決して多くない。ソフトバンクは、今季から日本球界に復帰した松坂大輔投手(34)が先発する予定。メジャー帰りのレジェンドを相手に、4番サバイバルを懸ける。
長崎ビッグNスタジアムに乾いた打球音が響いた。大田の額からは大粒の汗が飛び散った。「結果が悪くても、自分ができることをやるだけ。しっかり準備して試合に臨みたい」。この日は大阪から空路移動し、午後から練習。フリー打撃では持ち前の豪快な打球を連発した。
6試合ぶりの4番復帰だ。キャンプから座り続けた打順だが、オープン戦に入ると思うような結果を出せず、1日のヤクルト戦(東京D)を最後に外されていた。原監督は「明日は寒いから泰示に4番を打たせるか。若いから」と冗談めかしたが、8日の阪神戦(甲子園)では7回にV打を放つなど3打数2安打1打点。4番が固定できない中、復調の兆しを見せる若き大砲に、再びチャンスが巡ってきた。
4番復帰戦の相手マウンドには、9年ぶりに日本球界に復帰した松坂が立つ。世代は違えど、メジャー帰りのスーパースターは、大田にとってはレジェンド中のレジェンドだ。
横浜高時代の甲子園春夏連覇に始まり、タイトルを総ナメにした西武時代の活躍。そしてWBCで侍ジャパンを世界一に導いた雄姿は目に焼き付いている。「テレビで見ていた選手だし、すごくいい投手」と戦える喜びをかみしめつつ、「名前で負けないように、しっかり向かっていく気持ちで試合に臨みたい」と力強く宣言した。
ただ、4番争いにおいて、このソフトバンク3連戦はラストチャンスになる可能性が高い。右ふくらはぎの張りで2軍調整中の阿部が、14日の西武戦(西武プリンス)から1軍に復帰する見込みだ。大田にとって「大本命」が帰ってくるまでの残り3試合がヤマ場になる。
「自分は1打席、1球たりとも無駄にはできないんです。結果を求めなくちゃいけないし、打ち続けなくちゃいけない」。まずは、伝説の男を相手に、どこまで力を証明できるか。(尾形 圭亮)