高木勇、開幕ローテ入りへ「松坂さんに勝つ」
巨人期待のドラフト3位ルーキー高木勇人投手(25)が、10日のソフトバンク戦(長崎)で「先発テスト」に臨む。菅野、内海、杉内の調整が遅れており、開幕ローテのダークホースに浮上した右腕。マッチアップの相手は「憧れの存在」の松坂だ。「誰もが知っているすごい人。だからこそ負けたくない」と闘志をむき出しにした。
野球少年のように高木勇の心は躍っていた。初先発への意気込みを問われると、「僕らしく行きます。野球を始めた時の楽しむという初心を持って、試合したいと思います」と目を輝かせた。ここまでオープン戦は中継ぎで2試合、計4回無失点。先発のチャンスを自力でもぎ取った。それでも「打者1人1人、1回ずつを打ち取ることだけ考えます」と、これまで同様、自然体で目の前の打者に挑む。
投げっぷりの良さで首脳陣の評価も高い。ベース上でスライダーのように鋭く変化する原監督命名の「タカギボール」というカットボールが、大きな武器。3日の日本ハム戦(札幌D)で三振を奪った日本ハムの中田から「すごい投手が出てきた。あれは打てない」と絶賛されたほどだ。
指揮官は「たとえ、明日(10日)がボロボロでも(評価は)そんなには下がらない」と一定の信頼を置いている。そこに上積みがあれば、おのずと開幕ローテ入りも見えてくるはずだ。
キャンプの時から目に留まる存在だった。原監督は「ブルペンに行った回数、球数も群を抜いていた。受け答え、人に対する接し方にしても、野球に対する接し方も素晴らしい。ああいうのには幸せが寄ってくる」と野球人として心を動かされていた。社会人(三菱重工名古屋)7年間の経験が生きている。
先発は昨年11月6日の社会人の日本選手権、ニチダイ戦以来。この時は8回8安打1失点で勝利投手になったが、今回の相手はスケールがまったく違う。「怪物」と呼ばれたあの男だ。「小・中学生の頃、松坂さんのフォームのマネをしていました。同じマウンドに立てるのが楽しみ。勉強できるところがあったら学びたいです」と憧れる心を隠せない。だが、その一方で「誰もが知っているすごい人。だからこそ負けたくないです」と言い切った。(楢崎 豊)